ハンデに頼る弱者戦略。吃音の息子をカミングアウトで守ろうする母親に待った!

(回答者に交代)

三石由起子:
こんにちは

相談者:
こんにちは、よろしくお願いします。

三石由起子:
はい
わたしはあ、あの、実は、子ども達をたくさん教えて来てるんだけど。

相談者:
はい

三石由起子:
国語が、専門なんですよね。

相談者:
はい

三石由起子:
で、そういう、あの、子どももたくさん知ってるんだけど。

相談者:
はい

三石由起子:
今のねえ?あのお、お母さまのお、お話を聞いた限り・・

相談者:
はい

三石由起子:
症状重くないじゃないですか。

相談者:
そうなんですよ。

三石由起子:
ね?それで、そ・・

相談者:
そこ、そこまで重くないんです。

三石由起子:
はいはい、その息子さんに対してなんだけど。

相談者:
はい

三石由起子:
1つはね?、母親が呑気にしてるのがいいんですよ。

相談者:
あっ(ため息混じり)

三石由起子:
あのね?

相談者:
呑気、はい

三石由起子:
カミングアウトなんて言葉、あなた使われたけどお・・

相談者:
はい

三石由起子:
「この子は病気です。みんな分かってください」みたいなこと言っちゃうとね?

相談者:
はい

三石由起子:
あの、名前がつくと病気になるのよ、子どもって。

相談者:
っあー、はい

三石由起子:
うん、だからね?
1つはね、も、母お、

相談者:
はい

三石由起子:
母親が呑気にしてること。
これが一番大事で。

相談者:
・・◆#

三石由起子:
2つ目はねえ・・子どもに対して、しっかりと話をすること。

相談者:
はい

三石由起子:
6歳の、男の子って、結構理解力あるんですよ。

相談者:
はい

三石由起子:
だから、あのお、母親がしっかり話せば分かりますから。

相談者:
はい

三石由起子:
何を話すかっていうとね?、国語の能力という物は、

相談者:
はい

三石由起子:
言葉の能力というものはね?
読むと、書くと、聞くと、話すとある、あるじゃないですか?

相談者:
はい

三石由起子:
4つ。
それでえ、「あなたは」その、「話すことがちょっと苦手なん、だけれども」ね?

相談者:
はい

三石由起子:
その、「話すっていうことは、目立つんだ」と。

相談者:
・・あーあー、うん、うん

三石由起子:
みんながすぐ分かるから。音だから。

相談者:
はい

三石由起子:
この4つの能力のうちね?

相談者:
はい

三石由起子:
お話がちょっと下手だとね?

相談者:
はい

三石由起子:
「これはもう、みんなが分かるから、目立つんだよ」と。

相談者:
・・あー、はい

三石由起子:
でも・・聞くとか・・

相談者:
はい

三石由起子:
書くとか・・読むとかっていうのはね?

相談者:
うん、うん

三石由起子:
見えないんですよ、みんなに。

相談者:
うん、そうですね。はい

三石由起子:
「だから、目立たないんだよ」って。

相談者:
うん

三石由起子:
「あなたはこの4つの中でこれがちょっと苦手ね?」と。
「でも、ほかの子たちはね?、も、あなたより絶対に」あの「苦手なんだ」と、この「読むとか聞くとか、書くとかいうことが」ね?

相談者:
あっ・・はい

三石由起子:
て事をねえ・・あなたがね、その、息子に、息子を馬鹿にしないでね?6歳だっていうことで舐めないで。

相談者:
はい

三石由起子:
ちゃんと教えたらいいと思うの。だから、あなたはたまたま・・

相談者:
はい

三石由起子:
目立ってるんだけど。
それは小学校の低学年だから目立ってることであってね?

相談者:
・・はい

三石由起子:
どんどん大人になって行くと、ほかの、3つの能力とか、うんと大事になって行くの。

相談者:
・・&#

三石由起子:
で、その間に、この、話すっていうことは慣れて来るかもしれないからね?

相談者:
・・はい

三石由起子:
「あなたはそれを気にしなくていいんだ」って、あの、もしね?

相談者:
ええ

三石由起子:
その、「『わーい』とか」あ、あの「真似したりね?」

相談者:
ええ、ええ

三石由起子:
「言う子がいても」

相談者:
はい

三石由起子:
「放っときなさい」って言ってやればいいんですよ。

相談者:
・・

三石由起子:
で、そのときにね、あの、あなたが、その、敵討ちみたいに言わなくていいんだけど、心の中でね?

相談者:
はい

三石由起子:
「聞くとか書くとか、できんのか?こいつ」、くらいのことをね?思って

相談者:
うん、うん

三石由起子:
「余裕かましてなさい!」

相談者:
うん

三石由起子:
そのくらいのあのー、呑気さで、母親は自信を持たしたほうがいいと思うの。

相談者:
・・はい

三石由起子:
だから、周りに理解を求めるとか。
先生にこういうふうにしてもらいたいとか。

相談者:
ええ

三石由起子:
子どもがコンプレックスを感じないようにしてほしいとか。

相談者:
はい

三石由起子:
それっていうのはもうあなたが負けてるわ。

相談者:
・・はい

三石由起子:
それっていうのは、息子が分かるんだよ。
母親も、自分のことを、ちょっと変だと思ってて、庇おうとしてるなっていうことは、6歳の子だと分かりますから。

相談者:
・・&#

三石由起子:
そうじゃなくて、この6歳の子に・・

相談者:
はい

三石由起子:
ちゃんと今、あたしが言ったことをね?

相談者:
・・はい

三石由起子:
話して聞かせて。

相談者:
・・うん

三石由起子:
そしてあなた自身は、呑気にしている。

相談者:
・・あー

三石由起子:
これが大事だと思います。

相談者:
はい

三石由起子:
それとね?

相談者:
はい

三石由起子:
もう1つ、どうしてもやってほしいことはね?

相談者:
はい

三石由起子:
日記を書かしてください。日記を。

相談者:
うん

三石由起子:
毎日それこそね、2行でもいい。1行でもいいから・・書かせる。
書いたことっていうのは頭に残るから・・

相談者:
はい

三石由起子:
そういうことが増えて行くと、その文章自体が残るんで。

相談者:
はい

三石由起子:
あのお、瞬間的になんか聞かれたときの、返す語彙力が増えて行くんですよ。

相談者:
はい

三石由起子:
あのお、これ嫌に、ならないためにはね?・・すうごく高いノート買ってやるのがいいと思う。

相談者:
・・あー

三石由起子:
そ、うん、それから、とにかく1行でいいから毎日書きなさいっていうことをして、

相談者:
はい

三石由起子:
習慣づける。っていうことはね?

相談者:
はい

三石由起子:
あなたも書かなきゃダメよ?

相談者:
返事を書くんですか?

三石由起子:
&#・・ん?

相談者:
へ、へ、へん・・

三石由起子:
ち、ちいがう、違う

相談者:
感想を書くわけ&#△%

三石由起子:
「さあ、日記を」書く、「書きましょう」っていう時間を作るってこと。

相談者:
あ・・つって、自分も書くってことですね?

三石由起子:
あなたはあなたの日記をつけんの。

相談者:
はい・・はい

三石由起子:
だから息子は息子の日記をつけるんだよ?
交換日記をやれって話じゃないんだよ。

相談者:
アハハン(笑)・・はい

三石由起子:
そうじゃなくて、毎日続けるためには・・

相談者:
はい

三石由起子:
やっぱり親も一緒に、こ、付き合ってやらないと、子ども面白くないからさ。

相談者:
うん・・はい

三石由起子:
ママと日記をつける楽しい時間みたいなことを・・

相談者:
うん

三石由起子:
夜ね?、あ、10分でも30分でも、最初はね?

相談者:
はい

三石由起子:
40分くらい掛かるよ。
48字くらい、書かせようとすると。

相談者:
はい

三石由起子:
48字っていうのは何かっていうとね?
あの、国語の縦12マスのノート、あるでしょう?、あの半分が4行。あ、12マス、8行なんですよ。あの・・国語のノートね。

相談者:
はい

三石由起子:
その半分で48字だからさ。

相談者:
はい

三石由起子:
だ、48字書くくらいで・・40分くらい、最初は掛かるね。
書き始めはね?

相談者:
はい

三石由起子:
それを嫌にならずに、やって行くと、

相談者:
うん

三石由起子:
習慣できるまであなた一緒に書いてあげたら?

相談者:
・・あ、分かりました。

三石由起子:
そしたら、ま、10分くらいで書けるようになりますから。

相談者:
・・はい

三石由起子:
うん、それはもう1年くらい掛かると思うよ?

相談者:
・・あ、そうですね。

三石由起子:
うん、そのうちは勝手に書くようになるから。あの、ぜひ、やってもらいたい、というふうに思います。
もう1個ね?単純なことを言うとお・・

相談者:
はい

三石由起子:
先生にパッと指されたときにね?、言うセリフ決めとくんだよ。
「なんとかくん」とか言われるわけでしょ?

相談者:
はい

三石由起子:
「ちょっと時間をください」って言わせんの、まず。

相談者:
あー、はい

三石由起子:
も、「この子の口癖だなあ」っていうふうに思われてもいいから、そんなことは。

相談者:
はい

三石由起子:
だから「そんなことは思われてもいいんだよ?」っていうことを、あなたがちゃんと理屈として教えてね?
先生に聞かれたら「ちょっと時間をください」って、あの「まとまったら手を上げます」っていうことを言ってさ。

相談者:
あ・・なるほどですね。はい

三石由起子:
そういうことをね、そう、そうするとねえ、みんなちょっと見直すから。

相談者:
・・あー

三石由起子:
「お、あいつすごい」とか、「あいつ語彙力すごい」とか。

相談者:
はい・・うん

三石由起子:
だからね、その・・お病気を分かってもらってみたいな、そういうのダメだからあ。

相談者:
(苦笑)

三石由起子:
も、情けない、母親として。

相談者:
・・(苦笑)はい

三石由起子:
ね?ほんとにあなたが言ってるように個性なんだから。

相談者:
はい

三石由起子:
こんなん、なんにも悲しいことじゃないんだから。

相談者:
・・はい

三石由起子:
ね?
あのねえ、わたし、あのお、ほん、ほんとに、何人も何人も子ども預かって来たんだけどね?指のねえ?

相談者:
はい

三石由起子:
第一関節う、から先がね、あの、無い女の子がいたのよ。

相談者:
はい

三石由起子:
鉛筆、持つのもちょっと苦労して、い、今も、今、平気ですけどね。

相談者:
はい

三石由起子:
その子がね、あの、ま、合宿連れてったらねえ。

相談者:
(鼻をすする)

三石由起子:
みんな、その、悪気じゃないんだけど、珍しいじゃない?

相談者:
うん

三石由起子:
みんなが、「あー、ないんだ、ないんだ」みたいなこと言ったんですよ。

相談者:
はい

三石由起子:
そいで、あたしこれ、見てたのね?

相談者:
はい

三石由起子:
そしたらね、その女の子がね、あたしね、あとで訊いたら「ママが訓練した」って言ってましたけど。

相談者:
はい

三石由起子:
「わたしの無いところは見えるでしょ?あなた達」って。

相談者:
はい

三石由起子:
「あなた達の」、あの「無いところは見えないのよねえ」って「良かったわね」って言った。

相談者:
・・へえ?!

三石由起子:
びいっくりしたよおー

相談者:
カッコいい

三石由起子:
6歳の子ですよ?6歳の子。

相談者:
うん

三石由起子:
で、その子は、もう、一度も、そういうことにコンプレックス持たなかった。

相談者:
・・あー

三石由起子:
いい子になりました。
だからね、やっぱり、母親だよ。
そういうことがちゃんと、あの

相談者:
はい

三石由起子:
自信持ってできる、の。それこそが母親だから。
あなたが、あの、気を小さくしたり・・

相談者:
ええ

三石由起子:
悲しくしたり・・人に庇ってもらおうと思ったりさ。

相談者:
あ(ため息)

三石由起子:
ね?

相談者:
はい

三石由起子:
そういうつまんないこと、考えないでくれ。

相談者:
はい

三石由起子:
と、わたしは思います。
あなたがまず直さないとダメ。その、なんていうか。

相談者:
くよくよした感じですね?、アハハハ(笑)・・はい

三石由起子:
息子を弱者にしちゃうような発想!

相談者:
はい・・分かりました。

三石由起子:
あのね、母親がねえ?、息子を庇おうなんていうことを、考え出すとねえ?

相談者:
はい

三石由起子:
腑抜けな男になるよ?

相談者:
はい

三石由起子:
そんなこと母親から思っちゃダメですよ。

相談者:
・・はい

三石由起子:
うん、だから、ちゃんと、そういうことを理屈で教えてね?
で、「時間をください」っていうことをまず・・あの、言えるようにするっていうことと・・

相談者:
はい

三石由起子:
ほんとに腹立ったら、そのお、あたしが言ったようにね?
「君たちのは目立たなくて良かったね」くらいのことをね?

相談者:
うん

三石由起子:
心で思ってたら、言わないで済むから。

相談者:
はい

三石由起子:
発想がなければ、ほんとに悲しくなるから。

相談者:
・・はい

三石由起子:
ママ頑張ってください。

相談者:
はい。ありがとうござい・・

三石由起子:
これ息子の問題じゃないですよ。

相談者:
え(泣)

三石由起子:
ね?

相談者:
あ、はい、すいません(涙声)

三石由起子:
はい

相談者:
ありがとうございます。

(再びパーソナリティ)

「ハンデに頼る弱者戦略。吃音の息子をカミングアウトで守ろうする母親に待った!」への8件のフィードバック

  1. 毎日日記を書くこと、大人にも役立つことだと改めて考えさせられました。

    一朝一夕で変われることではないけれど、少しずつ積み上げたものは絶対自分の力になっていくもの。
    自身を持って、カッコいい人になって!
    おばちゃんも(←他人だけど)、遠くから応援してる!!

  2. 弟が吃音ですが親が心配して専門家に見せたところ
    頭が良すぎて喋りたいことが一気にあふれる結果どもると言われました。
    弟は今も吃音ですが堅実な勤め人になり家庭も持ち幸せに暮らしています。
    病気というより個性。明るく吃音と付き合ってみてはいかがでしょうか。

  3. テレ相初心者なので、三石先生は世間を知ってるキレもののオバちゃんだと思ってたのですが、こういう専門性のある聡明な女性であると知ることができて良かったです。

  4. 三石先生の登場を心待ちにしています。
    「母親は呑気にしているのがいい」なんと元気が湧き出る言葉でしょう。親は我が子の事になると深刻に考え込んでしまいますが、どんなアドバイスよりも心が軽くなりますね!いつもすぐに実践出来る事ばかりで構えていた心がほぐれます。
    ご自身の経験により生み出された気の利いた言葉達。さすが人の心の機微を良く知ってらっしゃる。やっぱり人は言葉で励まされて言葉で癒されますからね。

  5. 私の6歳のこどももハンデがありますが(普段は目に見えないタイプの)、主治医の先生が「言わなくていい。言うと、変に限界を作って押し付けてくる人が出てくるから、黙ってた方がいい。この子の可能性を伸ばすためにも。」と言ってくれて、そうしてます。
    担任の先生にだけは、まだ小さいので、治療薬の副作用の関係で、伝えてありますが。
    いろいろ調べると、「周りに言ってうまくいってる。」とか、「周りに言わなくてうまくいかなかったから、言えばよかったと後悔してる。」という意見もあったんですが、軽い場合は本人に乗り越えさせる方が、将来のことを考えてもいいかと判断しました。
    大人になって、会う人ごとにいちいち自分のことを説明する訳にいきません。その場で、うまくごまかす技術、うまく嘘をつく機転、下手に傷つけられないためにも慎重に人を判断する姿勢などが必要で、それはこどもの時から世間にもまれて身につけた方がいいのではと思いました。(程度の問題はありますが。)
    こどもの仲良しのお母さんにも言ってません。話が漏れて、将来、就職とかで不利益をこうむるといけないからです。
    今回、「こどもを守るためにあえて言わないとか、嘘をつくとかって大事なことだな」と改めて思いました。

  6. リアルタイムで聞いてて、三石御大の言葉の力に圧倒された
    御大、もう名実ともに小説家じゃなく教育者だよなあ
    もっとも、処世術的な「生きる知恵」「世間知」寄りの人なので、心理系の加藤・大原両先生とは食いつきが悪いのも致し方ないけど

    障害理解は大人でも難しい、まして子どもは率直で時に残酷だ
    今は学校の先生からそれとなく言ってもらうくらいで十分で、小1に理屈を説いて合理的配慮を求めてもあまり効果はないと思う
    むしろ、「上手な切り返し方、受け流し方」を身につけておいた方が、息子さんのためにも周りのためにもいいと思う
    だいたい、小1の人間関係なんて、小3小4になったら全然変わってくるし、必要以上に今の環境を気にされることはない

    何より、相談者はきちんと対応されてると思う
    学校でもきちんと先生に伝えるべきことは伝えてるし、息子さんも言語聴覚士さんにかかって専門的な療育を受けさせてる
    つなぐべき専門機関に適切に情報共有されておられる印象

    そこまでやってるのだから、あとは「可哀相だから」という思いを少しセーブすることだと思う
    「子供を弱者にする発想」とは三石御大も刺激的な物言いだけど、実際に先回りしすぎて、本人ができるはずのこともできなくなったり、自立心が育たなかったりなんて話もよく実際に見聞きする
    息子さんが求めてるのも、お母さんの「でも大丈夫だよ」って前向きな言葉だろうしね

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