4億の相続放棄に心残り。2次相続の意味を知って分かるお手伝いさんは合っていた

テレフォン人生相談 2024年5月23日 木曜日

お手伝いさん「二次相続したそうですよ」

「事実上」という枕詞をつけさえすれば、不正確どころか、いたって正しい情報提供。

お手伝いさんは妹が父親の相続で何をしたかを分かってアンタに耳打ちしたの。
ここはアンタの予感が当たってる。

 

ただ、税金を考えると上手なやり方とは言えない。

相続放棄だと相続人としての地位を失う。
本来3人だった相続人は2人となり、基礎控除が減ってしまう。
相続人として相続分ゼロなら基礎控除額に影響はなかった。

さらに一次と二次で基礎控除が2回使える。
さらにさらに、配偶者(母親)が受け取る相続分には特例的に1億6千万円までが非課税。

これを一度に妹が全部受け取れば、これら節税が使えないことになる。
父親の遺産が3~4億なら、納税額の差は億単位となろう。

もっとも、零細企業のオーナーの場合、見た目の財産と正味とでは違うのがデフォ。
不動産は担保に差し出してるし、債務保証を社長がしてる。

 

にしても早まったねえ、相続放棄。
法定相続分でいいなら、妹が全部やってくれたのに。
争うなんて大げさなもんじゃなく、分割案が法定とかけ離れてたらノーを言い続ければいいだけ。

旦那はつまり会社から追い出されたんだよね。
このときの血みどろの争いの傷が癒えてなかったってことかしら。

 

パーソナリティ: 柴田理恵
回答者: 大迫恵美子(弁護士)

相談者: 女63 夫70 子供2人とも独立 ふたり暮らし 父は他界 別に住む母86 妹58くらい

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