森田豊「他人と比べず過去と比べて」「あ、やっぱ振り向かず前だけ見て」
(回答者に交代)
森田豊:
もしもし、森田豊です。
相談者:
あっ、本日はよろしくお願いいたしますう。
森田豊:
よろしくお願いいたします。
相談者:
はい
森田豊:
鬱病とおっしゃってるんですけど。
相談者:
はい
森田豊:
今、今日お電話してきた状況や、お話い、のお、感じからするとお、
相談者:
はい
森田豊:
今は、そんなに、鬱・・の、状況ではなさそうですけど、どうでしょう、ご自身で。
相談者:
いや、これはあのう、電話・・を、している、あのううう、のでえ。なるべく、そういう・・状態を出さないようにしているという・・ことです。
森田豊:
・・電話の話し・・方からするとね?
相談者:
はい
森田豊:
電話だけな・・から、わからないんですけれどお。
相談者:
はい
森田豊:
とても聡明快活でね?
相談者:
あ・・はい。
森田豊:
でえ、自分自身のことも、きちっとお話しされていますしい。
相談者:
はい
森田豊:
あと・・自分自身のことを、よおく見つめる、ことが、できているような、ああ、印象受けますね?
相談者:
ああ、ありがとうございま、す。はい。
森田豊:
ですから、問題点ということも、きちっと、捉えていらっしゃると・・
相談者:
はい
森田豊:
思っているので。
相談者:
はい
森田豊:
まああの、様々な病気い、や、まあ・・心の病気も、あの、抱えているんでしょうけれど。
相談者:
はい
森田豊:
自分自身を見つめる力っていうのは、かなりあるんじゃないかなっていうのが、私い、の、第一印象です。
相談者:
あー、そうですか。なんか、恐縮う、なんですが。
森田豊:
うん
相談者:
やっぱり・・一人、で、いるとお、やっぱり・・ものすごいネガティブになってしまって。
森田豊:
うん
相談者:
いつまで続くんだろうかとか、ネガティブなことを考えたら、やっぱり・・母親の、方もですね、やっぱり・・ちょっと、鬱の気がありましてえ。
森田豊:
・・
相談者:
・・2人で、こう、ネガティブな方向に、はまっていってしまうというところがあるのでえ。ま、そういうところで・・なかなかコントロールがつかないという日も、ありますね、はい。
森田豊:
なるほどね。
自分、自身のことを、それだけ客観視できてえ、
相談者:
はい
森田豊:
そしてえ、理路整然と喋べれるからあ、
相談者:
はい
森田豊:
だからこそ、やはり、不安になってしまったり・・今後のことが、
相談者:
ああ・・
森田豊:
とても心配になってしまうんじゃないかなと思うんですよね?
相談者:
・・あ、なるほど。
森田豊:
そういう自分の、こう・・生まれ持った、
相談者:
はい
森田豊:
この、思考パターンとか、
相談者:
はい
森田豊:
そういうことも、今の、あなたの不安を、かきたてているように思うんですよね?
相談者:
・・あーーー・・
森田豊:
複数の持病を抱えてね?
相談者:
はい
森田豊:
今39歳だとお・・まあ、確かにい、先のことを考えると、不安になるのは、当、然、だと思います。
相談者:
・・はい
森田豊:
ただ・・そのお、あなたの持ち前の・・理路整然と物事を考え、自分のことを見つめる。その、能力っていうのは、
相談者:
はい
森田豊:
この・・電話で聞いていると、私には感じるんですよね?
相談者:
あっ・・
森田豊:
ですんで、
相談者:
はい
森田豊:
いくつかね?、本当オーソドックスな話ですけれどお。
相談者:
はい
森田豊:
アドバイスさせてもらって。
相談者:
はい
森田豊:
ま。、そん中で・・「いた、これは無理だよ」あるいは「これはできるよ」っていうのを、言ってもらいたいんですけどね?
相談者:
はい
森田豊:
まず一つ、は、ね?
なんかあのう・・やっぱり、人と比べえ、るんですよ。人間っていうのは。
特に。日本人は、人と比べるんですよ。
相談者:
・・あっそうですね、はい。
森田豊:
でえええ・・あんまりもう、比べてもお・・これ、しょうがないわけでえ。
相談者:
はい
森田豊:
でき、るん、だっ、たらあ、過去の自分と比べればいいんじゃないかなと思うんですけどね?
相談者:
あーっ、なるほどお。う・・そうですね。
森田豊:
うん。「あん時、あんなに辛かったけど、今ちょっとこれができたよ」と。
相談者:
・・はい
森田豊:
あるいは、「あん時辛かったんで、これからは、別のことしようかな」って。
相談者:
・・はい
森田豊:
そういう風にすれば、少おしは、前向きになれるかなと思うんですけど、どうでしょう?
相談者:
(吸って)そう、ですねえ。まあ・・過去お、の、自分を思い出すと、(含み笑い)結構ネガティブになってしま、う、のでえ。
森田豊:
うんん・・
相談者:
まあ・・なるべく、そうすると、今日・・何かこう、過去と比べて、いい・・あもう、良いことというか。その、ちょっと進歩したぞっていうのを、やっていけるということですよね?
森田豊:
そうですねえ。
相談者:
はい(吸って)
森田豊:
あん、なかなか難しいんですよ。
人間は、必ず後ろを向いちゃうし。
相談者:
はい
森田豊:
「あん時なんでこうだったのか」と思っちゃうし。
「自分がなんでこんな病気になっちゃったのか」と、思うんですけど。
相談者:
はい
森田豊:
そういうものが出てきたら、もう、それは、「全部捨て去る!」っていう風に・・考えて。
相談者:
はい
森田豊:
少しでもお・・おお、前を向く・・というか。とにかく、人と比較しないって、いう風に、ま、少しでもできればなあと、思いますよね。
相談者:
(吸って)
森田豊:
だから、そのためにもね?
相談者:
はい
森田豊:
完璧を目指さず、
相談者:
はい
森田豊:
ううんん・・なんか、そうですね。鬱になる人ってえ、100点満点を目指す傾向があるんですけど。
相談者:
はい
森田豊:
もしかしたら、あなたもそうなのかなあと、思うんですよね。
60点とか70点ぐらいでいいのかな・・と思うんですけどね。
相談者:
・・そおう・・
森田豊:
できないですか?
相談者:
どうしても、なんか、過去のお・・ことを考えてしまうと(含み笑い)お、昔の失敗を取り返したいっていう、何か、そういうのが出てきてしまうのでえ。
森田豊:
うん・・
相談者:
(吸って)なんか、そういうところがあるのかな?とは、思いますけど・・もちろん・・
森田豊:
僕ね?
相談者:
はい
森田豊:
うん。
不可能なこと言ってるのかもしれませんけど。
相談者:
はい
森田豊:
特に、あなたに関して思うことは、
相談者:
はい
森田豊:
過去を振り返んないように、できるだけ努力したらいいかなと思うんだよね。
相談者:
ああっ・・そうですよね。やっぱり、
森田豊:
うん
相談者:
そこが要・・
森田豊:
うん
相談者:
に、なってくる、っていう感じですよね。はい。
森田豊:
(吸って)あと・・今・・お仕事も、できない状況・・かもしれません。
相談者:
はい
森田豊:
これは、仕方ないことかもしれません。
相談者:
はい
森田豊:
病院に行くだけでは、やはり1日のうちの、そんな時間は使えないわけですよね?
相談者:
はい
森田豊:
そうすと・・自分の、複数の持病の方に、気持ちが向いてしまいますからあ。
相談者:
はい
森田豊:
何か、今の複数の持病とは、全く関係ないことでえ、
相談者:
はい
森田豊:
何らかの・・ま、できればお仕事ですけど。
相談者:
はい
森田豊:
楽しみとか、
相談者:
はい
森田豊:
あるいは、習慣とか。
相談者:
はい
森田豊:
趣味とか。
何か、そういうものを見つけないと、どうしても、自分の方向・・あるいは、自分の過去、ばっかりに、気持ちが向いちゃうんじゃないかなと思うんですけど。
相談者:
あー、確かに・・そうですね。
森田豊:
どうでしょうかねえ。
相談者:
はい。(吸って)なんとか、前を向いてね、ええ、
森田豊:
うん・・
相談者:
やってき、たい、と、は、思いますね。はい。
森田豊:
あのね、誰でも過去は振り返らないで前を向きましょうってことは言えるんだけど。
相談者:
はい
森田豊:
大事なのは、具体的にい、
相談者:
はい
森田豊:
明日明後日・・ま、明日明後日無理でも、来週、あるいは来月・・に、
相談者:
はい
森田豊:
こんなことを始めようっていうような、時、間、が、たくさんある中でえ、
相談者:
はい
森田豊:
何か、そういう、自分で、少しでもいいから・・ワクワクすること?
そして、複数の持病を忘れれるようなこと?を、
相談者:
はい
森田豊:
見つけられれば、楽になれるかなって、思います。
相談者:
あーあ・・そうですね。
あのう、ま、一応、ここに、お電話したのも、そのお、一つの、手がかりというか。足がかりみたいな、ところがあったんですよ。
なので・・その、まあ一応、行動・・なかなか、ま、できないんですが。ここに、この電話をすることで、自分の中でこう・・変わる、ものがあるんじゃないかっていう風に、こう、考えてえ・・ま、今日、電話したん・・ですね。
森田豊:
・・
相談者:
まあ、だから・・新しいことを。こう、始めていくっていうか。
そういうふうには、気持ちがあ・・まあ、向いてきているのかな?・・というふうには、最近はまあ、ちょっと思うようなところであります。はい。
森田豊:
本当にあなたが病んでしまったら、
相談者:
はい
森田豊:
電話はかけてこないはずなんですよね。
相談者:
ああ・・はい。
森田豊:
こうして、テレフォン人生相談に電話かけたってことは、
相談者:
はい
森田豊:
自分で、ここから何とかしなきゃと思ってるんですよね?
相談者:
・・そうですね。
森田豊:
ですから、おそらく・・問題の、60%は解決できるのかな。
そこに、我々が数パーセント・・何らかの、参考になることが、
相談者:
はい
森田豊:
加えられればと。
相談者:
はい
森田豊:
いろんなことを話しましたけれど、
相談者:
はい
森田豊:
この中の、ほんのちょっとでも参考になればと、そんな気持ちでいます。
相談者:
あ、はい・・あ、ありがとうございます。
森田豊:
玉置先生に戻します。
(再びパーソナリティ)
幼少期から病弱で、緑内障で右眼失明、パニック障害、鬱病と複数の病気を患い、10年前から無職で障害年金受給している39才相談者。
自宅に引きこもりがちと言っていたが、経済的には年金で生活できているなら、小さなことでも地域のボランティア活動に参加する等、一歩踏み出せるのはと思います。自己分析が出来ているようなので。
人と比べて幸せになれるはずありませんね。
病気は大変だと思います。
でも悩みがない人はいませんからね。
今後どういう人生を歩むのであれ、お母さんの今後のことをしっかり考えてあげて欲しいと思います。
特にお母さんが亡くなった時のこと、今からしっかり考えて、葬儀代、今から貯金していただければ。
同じ悩みではないけれど、自分の支えになる回答でした。これまで森田先生に苦手意識ありました、ごめんなさい。他人と比較しがちなのね、日本人って。自分、そして相談者さんに幸あれと願います。
冒頭に相談者の話っぷりに対して、
聡明快活 自分自身のことをよく見つめておられると、先生からのお言葉
とても頭の回転が早く、言葉遣いもきちっとされていて、これから色々な能力や経験を活かすことが出来ると良いですね。
話しぶりも話す内容も本当にきちんとしている方だった
でも、森田豊先生の仰るとおり、きちんとしているからこそ、先が不安になっていろいろ考えてしまうんだろうなとも思った
決して恵まれた生育環境ではなく、ご本人も心身に問題を数多抱えてる中で、そんな状態でポジティブになれってのは無理な相談だ
だけど、いずれ来る先のことを悲観してしゃがみこんでるだけじゃ、今いる場所から一歩も踏み出せないし、ご当人もそのことにやきもきしてるのも伝わってくる
ならば、後先考えずに思い切るしかなかろうよ
「不幸を受け入れる、するとやるべきことが見えてくる」とはいつもの加藤先生のシーベリー語録だけど、外野が言うほど簡単じゃないことは承知の上で、相談者さんに本当に必要なのは、ご自分のハンディも受け入れた上で、ご自分のできることから1つ1つ始めてみて、そのうえで「俺はここまでできた」とご自分に納得されることと思う
八方ふさがりの状況に突破口を開けるのはご自分の意志しかない、どうか顔を上げて立ち上がっていただきたいと願うのみ
相談者の話し方が、良かった。
久しぶりに、本当の相談であったと思う。若干、面接みたいな話しぶりで、
かなり緊張していたのだろうか。
悩みである健康問題は、先天的な物も後天的な物も、受け入れるしか、方法がないのだよ。これ以上悪くならない様に頑張って行くだけ。
なぜ私は完璧じゃないんだろうとか、全てにパーフェクトじゃないとダメだとか考えていると、キリが無いから、今現在、何が出来るかを考えて行けば良いでしょう。
大きなお世話かもしれないが、相談者は、コールセンター系の在宅で電話対応する
仕事をしてみては、どうでしょう。
とても丁寧な言葉遣いから、評価が高いと思う。