支配して育てた長女が看護士を辞めるのが惜しい56歳の女
テレフォン人生相談 2016年1月8日 金曜日
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 大原敬子(幼児教育研究家)
相談者: 女56歳 夫60歳 二人暮らし 長男26歳 看護士を辞めたい大卒の長女22歳
今日の一言: 比較する者には、支配の意図と自己不在があります。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
もしもしい?
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
よろしくお願いいたしますー。
加藤諦三:
はい、最初に、年齢を教えてください。
相談者:
56歳です。
加藤諦三:
56歳。
結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
えー、ご主人、何歳ですかあ?
相談者:
60です。
加藤諦三:
60歳。
お子さんは?
相談者:
26歳の長男と、22歳の、長女が、います。
加藤諦三:
で、今は4人で暮らしてんですか?
相談者:
いえ、子供たちはみんな、就職して・・
加藤諦三:
あ、分かりました。
相談者:
家を出ております。
加藤諦三:
で、どんな相談ですかあ?
相談者:
えと、22歳の娘なんですけれどもお。
加藤諦三:
はい
相談者:
大学を卒業しましてえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
看護師として、あのお、ある病院に勤めたんですけれどもお、
加藤諦三:
はい
相談者:
1か月ぐらい、してから、ちょっと・・「なんか、私、無理みたいだ」っていうことは言ってたんですけれどもお、
加藤諦三:
はい
相談者:
あの、「まだ、慣れないからだろう」と思うと、思って、あの、「頑張んなさい」とは言ったんですよ。
加藤諦三:
はい
相談者:
それで、ここに、きて、2日、3日、前から電話が、来るんで、夜に、電話が来るんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
泣いてえ、きて、
加藤諦三:
はい
相談者:
あの、「やっぱりい、どうしても、看護師向いてないようだ」って言うんですよね。
加藤諦三:
うん、うん
相談者:
うん・・「でも、あの、まだあ、そんなに月日が経ってないからあ、」
加藤諦三:
うん
相談者:
「慣れてないからあ、だろうから、頑張んなさい」って、最初は言ってたんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
昨日の電話で、ですね、
加藤諦三:
ええ
相談者:
あのお、「自分は看護師に向いてない」って言われたんですよね。
加藤諦三:
はい
相談者:
あ、向いてないっていうか、「なりたくてなったわけじゃない」って、言われたんですよ。
加藤諦三:
はい、はい
相談者:
それでえ、婦長さんなんかにもやっぱり、そういう、態度が見えたんだと思うんですけれども、「少し休んで、」
加藤諦三:
はい
相談者:
あのお、「今後のことを考えたほうが良いんじゃないか?」って言われた、らしいんですよね。
加藤諦三:
はい
相談者:
それでえ、私ももうそこまで言うんだったら、「病院辞めなさい」って言ったんですよ。
加藤諦三:
はい
相談者:
でも、看護、試験って、多分難しかったとは思うんですよね。
国家試験、だったので。
加藤諦三:
はい、はい
相談者:
それ、を、まず何とか頑張って、なれたんだから、私としては、「続けてほしいなあ」、とは思うんですけれどもお、
加藤諦三:
はい
相談者:
どうしてえ、私は、子供に声を、かけたら良いのか分からなくなってしまったん・・
加藤諦三:
ああ、はいはい。
で、お嬢さんが、「なりたくてなったわけではない」とおっしゃってんですけど、要するに、これ、大学卒業してえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
看護師になるときにい、
相談者:
はい
加藤諦三:
あの、あなたの側から、
相談者:
はい
加藤諦三:
「看護師になり、なったらどう?」って勧めたりしたわけでは、
相談者:
いえ・・全然・・
加藤諦三:
なくって、本人が?
相談者:
本人のお、意思でえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
看護師を・・だから、あの・・うちのだん、お父さんとしてもお、
「どうしてえ、ほんとにこんな、職業を選んだのかなあ?」
って思うくらい、びっくりしたんですけれどもお。
加藤諦三:
はい
相談者:
ええ
加藤諦三:
その、看護師を選ん、なろうとした理由っていうのは、やっぱり、
「私は立派な人間にならなきゃいけない」
っていう気持ちがすごく強くあって、
相談者:
ええ
加藤諦三:
で、
「職業として、いわゆる、立派な職業を、選ばなければ」
という気持ちが強かっ、たということですかね?
相談者:
うん、意外と・・あの、私の子育ても悪かったとは思うんですよね。
あの、結局は、ちょっと、厳しくう、育てた、部分が、ありますのでえ、もしかしたらそういう風に思ったかもしれないですう。
加藤諦三:
すると、厳しくというのはあれですねえ?
倫理的にというか、規範的にというか、
相談者:
道徳的な・・ことですけど・・
加藤諦三:
道徳的な意味で、意味ですね?
こういう・・
相談者:
ええ、ええ、あの、きょう、あの、教育とかそういうことは、全然私は教えられないので、
加藤諦三:
はい
相談者:
「人間として、」
加藤諦三:
はい
相談者:
あのお、「駄目なことは駄目なんだよ」とか、そういうことはすごく厳しく、育て、たつもりです。
加藤諦三:
う~ん・・そうすと、この22歳の今のお嬢さんですけれどもお、
相談者:
はい
加藤諦三:
「厳しく」って言いましたけど、小学校、中学校っていうのは、どういうお嬢さんだったの?
相談者:
何て言うんでしょう、ほんとにい、小さい頃にですねえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
2、3歳の頃なんですけれどもお、
加藤諦三:
はい
相談者:
あの、とても・・我の強い子で、我の強い子っていうか、あの、自分のお、思った通りにいかないとお、とても、とにかく、自分の、その、思いを通す、子だったんですよね。
加藤諦三:
ほお~ん・・
相談者:
だから、私、抑え、てしまったんです、そういう、自由奔放な、娘、の性格を、私は、あのお、抑えてしまったんです。
とにかく、「あなたは、駄目な子、だから」って言ってしまったんですよね。
そして、あのお・・とにかく・・
加藤諦三:
「だ、駄目な子だ」っていう・・色んな、叱るときにい、
相談者:
はい
加藤諦三:
そういう言葉を使ったということですか?
相談者:
ええ、そうです。
使いました。
加藤諦三:
ふう~ん・・
相談者:
そしてあのお、「何をするにも、お母さん、に聞いてから、何でも、しなさい」っていう、感じ、に、育て、ましたからあ、
加藤諦三:
はい
相談者:
あのお、結局、自分の意思、とかそういうのが、もう、なくなったような、か、子に、育ちましたねえ。
加藤諦三:
うん・・それで、あなたがねえ?
相談者:
はい
加藤諦三:
厳しく接していた理由っていうのは、何なんですかあ?
相談者:
ん、結局う、は、あの、上のお兄ちゃん~が、結局、手のかからない子だったんですよ。
加藤諦三:
はあ~・・
相談者:
あの、ほんとにい・・あの、反抗期、とかってのも全然なくってえ、
加藤諦三:
ええ
相談者:
で、
「比べ、ないようにしよう、子供は子供だから、比べないようにしよう」
と、思いつつも、結局は私は、娘に、
「お兄ちゃんのような、人になって欲しい」
ということを、
加藤諦三:
うん・・
相談者:
うん・・望んでたんだと思います。
加藤諦三:
うん・・なんか、他に、このお嬢さんに厳しくう、ならざるを得なかった、ものっていうのは、何(なん)かないですか?
相談者:
そうですね、夫・・ちょっと夫とお、その娘が、性格的に似てますからあ、
加藤諦三:
ええ
相談者:
どうしてもなんか、ん~、夫に対する不満が、娘に、いってる、ことも、あるとは思います。
加藤諦三:
ふうん・・そうするとお、夫に対する不満があ、
相談者:
ええ
加藤諦三:
正義の仮面を被ってえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
お嬢さんの方に出てきたと。
相談者:
ん~、そうか、そうだったのかもしれないですねえ。
加藤諦三:
そうすと、お嬢さんとしては、ちょっとお、母親に抵抗しにくいですよねえ?
相談者:
そうですね
加藤諦三:
ん、つまりその、ん~、言ってることは間違ってることじゃないですからねえ。
相談者:
はい。
あの・・一度、高校の時だったんですけれどもお、
加藤諦三:
はい
相談者:
あまりにも、ちょっと、ルーズなところがありましてえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
で、それを、問い詰めたんですよねえ。
加藤諦三:
ええ
相談者:
でも、泣かなかったんですよね。
加藤諦三:
う~ん・・
相談者:
厳しく、私、言ったんですけれどもお、
加藤諦三:
うん
相談者:
泣かなかったんです。
私、それで、もう、びっくりしてしまってえ、
加藤諦三:
うん・・
相談者:
で、「どうして、あなた、これだけ言ってるのに泣かないの?」
「泣けない」って言うんですよね。
加藤諦三:
う~ん・・
相談者:
ん、だから、もう、私、その時にい、「やっぱり、私が厳しく、したからだなあ」と思って、それからはあ、そう、しないようにはしてきたつもりだったんですけれどもお。
加藤諦三:
う~ん・・はい、分かりました。
相談者:
はい
加藤諦三:
今日はあの、スタジオに、幼児教育研究の大原敬子先生がいらしてるので、伺ってみたいと思います。
相談者:
あ、はい。
よろしくお願いいたしますう。
(回答者に交代)