感情は伝わる。叱って叩いて薬は拒否。父親のアルツハイマーを進行させる家族
テレフォン人生相談 2018年10月27日 土曜日
一年ほど前から父親が認知症を患っている。
分かっていながら、叱ったり、時に手を挙げてしまう。
医師からはアルハイマーという診断を受けていて、母親が投薬を断っているもよう。
さらにパーキンソン病と思われる症状があり、食事の際に手を振る。
パーソナリティ: ドリアン助川
回答者: 高橋龍太郎(精神科医)
相談者: 男37歳独身 父75歳 母60代 弟35歳 4人暮らし
ドリアン助川:
もしもし?、テレフォン人生相談です。
相談者:
はい、もしもし
ドリアン助川:
よろしくお願いします。
相談者:
はい、よろしくお願いいたします。
ドリアン助川:
えーと、今日はどんなご相談でしょうか?
相談者:
わたしの父親がですね・・まあの、75なんですけど、1年前ぐらいからちょっと認知症を患いまして、
ドリアン助川:
お父さまが?
相談者:
そうですね、はい
ドリアン助川:
はい
相談者:
で、なんとかあ、頑張ってるんですけど、も、ちょっとお、どう接して・・来たらいいのかな?って、悩んでるところでして。
ドリアン助川:
今後の事、どう接して行けばいいのか?
相談者:
そうですね、今後と、あとお、父親に対して、
ドリアン助川:
はい
相談者:
気を付けてはいるんですけど、やっぱり・・適切でない、対応を、してしまったりするのでえ・・
ドリアン助川:
ああー
相談者:
それでちょっとどうしたらいいのかなあ(苦笑)と・・ちょっとお、家族う・・全員で悩んでるところであるんですね。
ドリアン助川:
あ、はい。えーと、お父さま、も・・あの、先程年齢おっしゃいましたっけ?
相談者:
はい。今75です。
ドリアン助川:
75歳。
相談者:
はい
ドリアン助川:
あなた様は?
相談者:
わたしは今37です。
ドリアン助川:
37歳。
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、ご結婚してらっしゃるんですか?
相談者:
え結婚はしてないです。ンフフ(苦笑)
ドリアン助川:
あ、してないんですね。
相談者:
はい
ドリアン助川:
あ、あなたは、お一人で?、それで・・
相談者:
・・あ、実家で住んでます。はい
ドリアン助川:
あ、それで?、え、お父さんと一緒に・・同居されてるんですね?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
お母さんは?
相談者:
大体、10個ぐらい年下ですね。
ドリアン助川:
じゃ、60代?、お母さんは。
相談者:
そうですね、はい
ドリアン助川:
はい。
それえ、で、あなた以外に兄弟・・はいらっしゃいますか?
相談者:
は(わ)・・はい今、2つ下の、えーと弟が居ます。
ドリアン助川:
やはり同居してらっしゃる?
相談者:
はい、そうですね4人、家族ですけどね。
ドリアン助川:
あ・・なるほど4人家族で・・それでお父さんがちょっとおかしいなーという事が始まったのどれぐらい前からですか?
相談者:
そうですね、ま大体1年か2年程前ですかね?
ドリアン助川:
1、2年前?
相談者:
はい
ドリアン助川:
具体的にはどういう事が起き始めました?
相談者:
大体いつも大人しいんですけど、
ドリアン助川:
はい
相談者:
それが・・酷くなって来まして、人のちょっと話した事でも全然、こう・・返事をしなくなったりとか。
ドリアン助川:
はい
相談者:
でま、無視をする事が結構多くなりまして。
ドリアン助川:
無視をする?
相談者:
はい
ドリアン助川:
はい
相談者:
ま一応あの、面と向かって喋ってはいるんですけど、全然こう話もしてくれなくてですね。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
ただご飯とか食べる時は、普通に・・もう、ガツガツ食べる(苦笑)感じなんですけど。
ドリアン助川:
その、ガツガツ食べてる時は普通に会話も出来るんですか?
相談者:
いや・・会話も・・目に、目もくれず食べる感じですね。
ドリアン助川:
あの元々言葉数も少ない大人しいお父さんだったのが、
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、更に輪を掛けたというか、こうなんか、一人、繭(まゆ)に入ってしまったかのような・・
相談者:
そうですねえー。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
だからちょっと「ちゃんと話(はなし)してよ」と、強くちょっと言うてしまったりする事もありまして。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
はい
ドリアン助川:
えーと、お勤めえ、してらしたんですね?・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
かつては。
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、定年退職なさって?
相談者:
あ、そうで・・定年っても、ま、5、6年程は、働いてはいたんですけども。
ドリアン助川:
嘱託で働かれていた?
相談者:
嘱託ですね、はい
ドリアン助川:
はい、はい。そうすると、お、お父さんお仕事お辞めになってから・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
まあ、10年近く?
相談者:
そうですね、はい
ドリアン助川:
はい、その間(かん)何をしてらっしゃいました?
相談者:
その間は、ま・・そうです・・所謂シルバー・・関係のお仕事に・・たまに出たりですとか。
ドリアン助川:
あーあー
相談者:
最近はもう・・散歩ですとか、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
あとたまにボーリングとかも、し・・したり・・
ドリアン助川:
は、は、は
相談者:
してまして。ボーリングは結構、スコアが、なんか取れる感じなんで。
ドリアン助川:
あーあ
相談者:
はい、得意ではあるんですけど、はい
ドリアン助川:
昔ね?・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
あの昭和の頃にボーリング流行った頃・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
結構一生懸命やられたんだと思いますけども。
相談者:
そうですね、はい
ドリアン助川:
うーん、じゃそういう事に対しては、まだ意欲はあるわけですね?
相談者:
・・ま、そうですね、たまに行ってますんで。
ドリアン助川:
うんうん
相談者:
はい
ドリアン助川:
で、1年前から、ま、自分の殻に閉じ籠ってしまうようになって。
相談者:
自覚はないかもしれないんでしょうけど・・
ドリアン助川:
うん、んで、そ、そういう時の表情ってのはどういう感じですか?
相談者:
もう・・ずっとお・・こう・・なんでしょうね・・黙ったままで、で、逆にですね、あー・・多分喋ったとしても・・あ、ハッキリ喋れてる感じでなくてですね、
ドリアン助川:
えーえー
相談者:
多分呂律(ろれつ)が回らないような(苦笑)・・
ドリアン助川:
あーあ
相談者:
最近は、も、そんな感じなので、だからそれでちょっと喋りたくても・・喋れないのかな?と思っちゃいまして。
ドリアン助川:
呂律が回らない?
相談者:
はい
ドリアン助川:
それで、その、あなたが喋ってる時に、
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、ま「話を聞いてない」って・・つまりあなたを見てないって事ですね?
相談者:
・・見てたり見てなかったりって感じも・・
ドリアン助川:
うーん
相談者:
あるんですけど。はい
ドリアン助川:
あー今、あの、「うちの息子が自分に向かって喋ってるんだ」って事が、時々もう分かってない感じ?
相談者:
ちょっと言われたら・・ハって気付く感じですかね?
ドリアン助川:
はい。病院にね?・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、お父さんお連れして診てもらったりという事は・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
これまであったんでしょうか?
相談者:
ま、最近、病院にちょっと・・連れて行きまして、ま、母親・・が主に、行かせてるんですけど、
ドリアン助川:
はい
相談者:
ま、診断はしてもらうんですけど、くす、お薬を出してもらうというところまででなくて・・
ドリアン助川:
ええ
相談者:
で、ま、あくまでも様子を見る感じで。
ドリアン助川:
あ、ははあ
相談者:
はい
ドリアン助川:
じゃ先生からどんなアドバイスが来てるんです?
相談者:
・・まやっぱりい・・「強く言い過ぎないように」(苦笑)・・
ドリアン助川:
うん
相談者:
ま、ちょっとあのお・・ま、優しくサポートすると言いますか・・
ドリアン助川:
はい
相談者:
それは言われてんですけど、中々ちょっと・・あ、しなきゃいけないのは分かってんですが、やっぱり本人が、そういう態度を取ってしまうと、ちょっとカッとなってしまうところがありまして(苦笑)。
ドリアン助川:
うーん。あなたが、強い言葉、乱暴な言葉、浴びせてしまうって事ですか?
相談者:
そうですねえ。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
はい
ドリアン助川:
例えばどんな事言っちゃうんですか?お父さんに。
相談者:
あの・・あの「もっと」し・・「しっかり」・・「しっかり話してくれよ」とかあ・・
ドリアン助川:
うーん・・えーそういう時はお父さんはどんな顔なさってるんですか?
相談者:
や、多分分かってないんでえ(苦笑)
ドリアン助川:
分かってない?
相談者:
はい、何とも・・
ドリアン助川:
うーん
相談者:
ない、ちょっとショ、ショックもなんもない感じですかね?、はい
ドリアン助川:
うーん・・うん、ま、それもまた悲しいですねえ。
相談者:
そうですねえー・・
ドリアン助川:
ねえ・・
相談者:
まあ・・
ドリアン助川:
そこで喧嘩にならあ、ともかく・・そ、そ、そ・・
相談者:
はい、あ、でも・・
ドリアン助川:
うん
相談者:
ま・・あまり、良くない事言われて、分かってないときは、ちょっと手を・・出したり、ま、軽くちょっと頭を叩いてしまったりする事もあるんですね。
ドリアン助川:
あなたが?
相談者:
そうなんですよ、はい
ドリアン助川:
あらららあー
相談者:
ただ、そうなるとお・・
ドリアン助川:
ええ
相談者:
あのお、まあ、わたしも、あまり強く、叩かないようにはしてるんですが、
ドリアン助川:
うーん
相談者:
あの場合によっては、結構、「わあー!」って声を荒げて・・
ドリアン助川:
ええ
相談者:
結構掴み掛かったりして来る事もありますので・・
ドリアン助川:
うーん
相談者:
だからそうなると、ちょっとやっぱり・・うーん、不味い事したなと思うんですが・・
ドリアン助川:
でも、「不味い事したな」っていう意識はあなたにあるんですよねえ?
相談者:
そうです、あります、はい
ドリアン助川:
ねえ、じゃ・・ま、今日のご相談は半分はあなたがどうするか?っていう事でもありますね?
相談者:
そうですね・・
ドリアン助川:
うーん
相談者:
わたしも・・#$%◆ます。
ドリアン助川:
うん
相談者:
あとはですね、食事中に・・あの、手を振ったりとかしまして、
ドリアン助川:
食事中に手を振る?
相談者:
あの要は、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
あのお、スプーンとかお箸を持ってる手で、
ドリアン助川:
はい
相談者:
カチャンカチャンとか手を・・振る・・振らなくてもいい・・こう、おかずでも、手を振って・・
ドリアン助川:
ああー
相談者:
するんです。多分それパーキンソン病か、そんな、あれ、ん、あれかなと思うんですけど・・
ドリアン助川:
これ・・ま、この後先生に代わりますけどもお、
相談者:
はい
ドリアン助川:
単なる認知症かどうか?っていう部分も含めてですねえ、
相談者:
はい
ドリアン助川:
なんか話聞いてると・・わたしは全く素人ですけども・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
何かもっと違う、し、症状が進行してるような気もしますし、
相談者:
そうですね。
ドリアン助川:
ええ、ま、ただ、あのお、お話伺ってる上では、
相談者:
はい
ドリアン助川:
お父さんの今後、の問題であると同時に、
相談者:
はい
ドリアン助川:
あなたの意し、意識改革というか・・
相談者:
そうですね。
ドリアン助川:
そこがまず問題ですよねえ?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
ええ
相談者:
はい
ドリアン助川:
ただそれは、あなた自身は方向性が見えてるんですもんね?
相談者:
・・そうですね・・
ドリアン助川:
うーん
相談者:
だから、いかにこう手をあげないで、
ドリアン助川:
うん
相談者:
そういうところ、治さないといけないなと、分か、ま・・やり方がちょっと分からなくてですね(苦笑)、
ドリアン助川:
はいー
相談者:
はい
ドリアン助川:
じゃ、その辺りも含めて・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー今日の先生紹介いたします。
相談者:
はい
ドリアン助川:
精神科医の、高橋龍太郎先生です。よろしくお願いします。
相談者:
はい
(回答者に交代)