【日曜に読む傑作選】真逆の態度。優しい夫にぶつけるイライラと父親への緊張
テレフォン人生相談 2011年06月24日 金曜日
【2019年7月28日(日)アップ】
夫にイライラして理不尽に当たっているという自覚がありつつ、つい繰り返してしまう自分が嫌い。
優しい夫なのに、このままだといつか離れてしまう。
自分でも理由が分からないという相談者が話し出したのは夫に対する態度とは真逆の父親に対する態度。
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 大原敬子(幼児教育研究)
相談者: 女35歳 夫37歳 娘1歳
今日の一言: 自分に対する自分の態度を変える。これは本当に大切なことです。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
あ、はい、もしもし?
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
はい、よろしくお願いします。
加藤諦三:
はい
最初に年齢教えて下さい。
相談者:
はい、35歳です。
加藤諦三:
35歳
今結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
えーと、ご主人何歳ですか?
相談者:
あ、37です、7歳です。
加藤諦三:
37歳
え、お子さんは?
相談者:
一人、女の子で、1歳い、の、女の子です。
加藤諦三:
1歳で、女の子?
相談者:
はい
加藤諦三:
はい分かりました。
で、どんな相談ですか?
相談者:
とても優しい主人なんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
あの、週末う、家に、主人、とずうっといると、
加藤諦三:
はい
相談者:
例えば二日目とかに、とてもわたしが、イライラして来てしまって。
加藤諦三:
はい
相談者:
とても冷たい言葉を、言ってしまったり、態度を取ってしまったり、
加藤諦三:
はい
相談者:
あと急に、夫が休ん、会社を休んだりした時に、
加藤諦三:
はい
相談者:
普通なら子どもの面倒をよく看てくれる人なので、
加藤諦三:
はい
相談者:
普通、喜んでもいんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
なぜかとてもなんか、またそこでイライラしてしま・・って、
加藤諦三:
うん、うん、うん
相談者:
ということの繰り返しで、いつも反省するんですけれども、
加藤諦三:
ん・・うん、うん
相談者:
それを繰り返してしまうんですね。
加藤諦三:
うん、うん
相談者:
でえ、どうしてそうなってしまうのか?自分でもよく、分からなくて、嫌いな、わけではないと思ってるんですけれども。
加藤諦三:
うん。あの、冷たい言葉とか、冷たい態度って、例えば具体的にいうとどんな、ことですか?
相談者:
例えばちょっと今、家事が忙しいので、
加藤諦三:
はい
相談者:
夫に、家事の一部をお願いしてるんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
それを自分が思ってるようにやってくれなかったりとか。
加藤諦三:
ええ
相談者:
あと、そもそも、わ、忘れてたりとかしてやってなかったりすると、
加藤諦三:
ええ
相談者:
「なんでやってないの?」とか、
加藤諦三:
うん
相談者:
やってくれてることの方も多いのに、
加藤諦三:
ええ
相談者:
あの、やってないことを、見つけて、いちいち、指摘してしま、ったり・・
加藤諦三:
ん、うん・・うん、なるほどね。
相談者:
はい
加藤諦三:
これは、恋愛結婚で、すよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたの考える理想の奥さんていうのはどういう奥さんですか?
相談者:
そうですね、日々、の、生活・・あの、例えば、料理を、美味しいのを作ってあげたりとか・・
加藤諦三:
はい
相談者:
きちんと家事をしてあげて、
加藤諦三:
うん
相談者:
楽しく、会話のある、家庭がいいなと思ってるんですけれども。
加藤諦三:
日々の生活がきちんとして美味しい料理を、ご主人に作ってあげてね、
相談者:
はい
加藤諦三:
楽しい会話があって。
相談者:
ええ
加藤諦三:
で、きちんと家事をしてって・・結構大変ですよね?これ。
相談者:
そうですね。で、そういうことに夫は、何かしてあげるとすごく喜んでくれたり、応えてくれる、人なんですけれども、
加藤諦三:
うん
相談者:
わたしがそれを出来ないんですね、あの、自分が思うように・・
加藤諦三:
うん
相談者:
出来ない。
加藤諦三:
出来・・だから、こういうことでしょ?あなたが、理想としている、
相談者:
はい
加藤諦三:
ん、奥さんの姿があって、
相談者:
はい
加藤諦三:
それと現実の自分があって、
相談者:
はい
加藤諦三:
そのギャップが、あるんですよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
うーん。結婚する前から色んなこういう、夢っていうんですかねえ?
結婚してこういう風な奥さんになってって、そういう夢はずいぶん、強かったわけですか?
相談者:
結婚をしたかったですし、
加藤諦三:
うん
相談者:
あの、専業主婦にも、なりたかったですし。
加藤諦三:
うん
相談者:
そういう漠然とした憧れは強かったと思います。
加藤諦三:
でしょうねえ。
相談者:
はい
加藤諦三:
そうするとお、今の自分が、
相談者:
はい
加藤諦三:
気に入らないですよね?
相談者:
そうですね。自分が嫌いです。
加藤諦三:
で、こういう理想お、が高いっていうのはあ、小さい頃から、ずっと理想は高かったの?
女性はこう在りたいとか。
相談者:
そうですね、こう在りたい・・ま、あの・・
加藤諦三:
要するに、妻として、高い理想を持つばっかりじゃなくてね?
相談者:
ええ
加藤諦三:
ずうっと小さい頃から色んなそういうふうに・・例えば、こういう中学生で在りたいとかから始まってね?
相談者:
はい
加藤諦三:
ずうっと、理想に姿っていうを追い求めて来たの?
相談者:
そう、ですね。あの、期待に応えたいっていう気持ちは、常にあったような気がします、親の期待とか。
加藤諦三:
うーん
相談者:
はい
加藤諦三:
そいで、親の期待っていうのはあ、結構、高かったのよね?
相談者:
そうですね、はい
加藤諦三:
で、高い期待に応え、られないっていうのは非常にあなたは怖かったよねえ?
相談者:
そうですね、はい
加藤諦三:
そうするとお、割と今、ご主人にイライラしてるっていうけれども、昔からイライラしてるってことなかった?
相談者:
イライラしてたのかもしれないんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
ぶつけられなくて、で、今の夫が優しいので、
加藤諦三:
ええ
相談者:
それを、なんか思いっきりぶつけてしまってるっていうのかもしれません・・それで、自分が、あ、こんなにイライラしてるんだっていうことに、最近気が付いたというか。
加藤諦三:
ご主人が優しいからあ、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたがそのまま自分を抑えなくて良くなっちゃってんですよね?
相談者:
なのでホントに理不尽なことを言ってるって自分でも分かってるんですけど、
加藤諦三:
ええ
相談者:
どうして、こんなこと言ってるんだろ?って思うと、
加藤諦三:
ええ
相談者:
あ、この人が聞いてくれてるからかな?っていうふうにも思ったんですね。
加藤諦三:
うーん
相談者:
はい
加藤諦三:
それでその、さっき言ったその、ご両親の高い期待ですよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
それは小さい頃からあったわけですね?
相談者:
はい
加藤諦三:
それで今ご両親に対してはどういう気持ち?
相談者:
ま、子どもも産まれて、感謝の気持ちも、とてもあり・・あるんですけれども、
加藤諦三:
うん
相談者:
未だに、夫と話すより緊張します。
加藤諦三:
うーん
相談者:
なんですけど、親として好きなんですけど、恨んだりとかそういうことは全くないですが、
加藤諦三:
うん
相談者:
あの、なぜか緊張するんですね、思うように話せない時があります。父親と。
加藤諦三:
そうですよねえ?
相談者:
はい
加藤諦三:
あの、不安な緊張っていうかね?
あ、あ、だって、ご主人の前ではありのままで自分がいられるけど、親の前であ、ありのままでの自分でいられないもんね?
相談者:
はい
加藤諦三:
あの、小さい頃から、ほっと安らぐっていうことはなかったですね?
相談者:
そうなのかもしれません、そう思ってはいませんでしたけれども・・
加藤諦三:
うーん
相談者:
はい
加藤諦三:
成長の過程で、ずうっとこう、自分はこうあらねばならないっていう、そういう気持ちが物凄く強かったよね?・・こうあるべき・・
相談者:
そうですね、はい
加藤諦三:
他人の期待に応えないとすごいこう、落ち込むというか。
相談者:
そうですね、はい
加藤諦三:
どち・・
相談者:
価値がないような気が・・
加藤諦三:
うーん、自分ん、が別にい、価値がないわけじゃないんだけれども、相手に認められることがあ、物凄い、重要なことだったわけですよね?
相談者:
そうですね、はい
加藤諦三:
だけど、ありのままの自分では人に受け入れ、られないと思ってたんでしょ?
相談者:
はい。でも、たぶん今の主人は、
加藤諦三:
うん
相談者:
ありのままを受け入れてくれてる、と思うんですね。
加藤諦三:
うん
相談者:
だからとてもそう思った時に感謝の気持ちも、すごく湧くんですけれども、
加藤諦三:
うん
相談者:
そんな大切な人に向かって、一番ひどい態度を、とってしまうんですね。
加藤諦三:
それはあ、そうでしょう、(子どもの声)だって、今まで、甘える人いなかったんだもんね?
相談者:
はい
加藤諦三:
でえ、はじめてご主人に甘えられたんでしょ?
相談者:
そうですね、でも、このまま、いくら優しいからといって(子どもの声)この状態を続けてると・・
加藤諦三:
うん
相談者:
夫が、は、いつか、溜め込んで、離れて行ってしまうんじゃないかと、心配にもなるんですね。
加藤諦三:
うーん
相談者:
はい
加藤諦三:
分かりました。
相談者:
はい
加藤諦三:
今日はですねえ、スタジオに幼児教育研究の大原敬子先生がいらしてんので、
相談者:
はい
加藤諦三:
伺ってみたいと思います。
相談者:
はい
(回答者に交代)
大原先生の言葉で
すごくいい子で真面目でなんでも知っていた。でもみんなその努力を、あなたの能力だと思っている。
親の代わりに色んなことを子供の頃からやっていた。親にはあなたはなんでも出来るから、と。
それなのに両親から、特に父親からは毎日のように叩かれたり蹴られたりしてた。
そう大原先生の言う通り、能力じゃない。大人の中で嫌な思いもしながら努力してたんだって、相談者とは状況が違うが、わたしが言って欲しかった一つの言葉かもしれない。
この回は、私がかつて読んで、変わらなくちゃと痛切に思った回でした。
若い頃の私が相談してるように錯覚した、回でした。
この頃の加藤先生、説明が丁寧でわかりやすい。