ほっとくと怖い取得時効。自分の土地に長年、建築会社がゴミを置いている
(回答者に交代)
坂井眞:
法律相談そのものだと思います。
土地は、あなたのお父さんの所有物だと思うんですが、権利者は、自分の権利を守る行動をとらないと、どんどん侵害されちゃう、放置しておいちゃマズイということを頭に置いておいてくださいね。
一つは、最悪の場合、むこうが、時効で土地を取得しちゃうということがある。
取得時効といって、民法162条。
自分の土地だと信じていた場合、人の土地を、占有と言いますが、過失がない場合は、10年間、占有し続けちゃうと、手に入っちゃうということ。
それで、元の所有者は権利を失うということもある。
今回はこれには当たらない。むこうも自分のものじゃないことを知っていますから。
10年で取得時効ということはないです。
でも、平穏公然という要件はありますけど、公然とやっていますし、物を壊したりなど、無理やりでもない。
つまり、平穏公然という要件は満たしているので、その場合は自分の土地だとして占有し続けると、20年で取得時効されてしまう可能性がある。
それは、所有の意思を持って、と言うことが条文に書いてあるので、その権原(誤字ではありません)の性質から考えるんですが、場合によってはそういうことを言い出しかねないわけです、そういう人たちは。
20年近く前からでしたっけ?、15年?
相談者:
境界に置き始めたのは10年くらい前から。
坂井眞:
それが、20年なのか、15年なのか、10年でも、結構重要なので、正確に考えてもらいたい。今は分かんないかも知れないけど。
これまでの交渉の記録は取ってある?
相談者:
いやー、父まかせだったので、ほとんど分かんないんです。
坂井眞:
さっき、言ってた、20年前、15年前から、お父さんが注意していたことも、向こうから、知らない、と言われたら、水掛け論になってしまう。
どういうことをやってきたか、分かるように、少なくともあなたの代からは、ないしは、お父さんが覚えているものは、キチンと分かるようにしておかないとね。
休耕田、これまでも管理してきと思うけど、これからどうしようという話はお父さんとしていますか?
相談者:
いやー、とりあえずは、生きているうちは残しておきたい、って言ってるんですよね。
坂井眞:
将来残すんだったら、お金はかかるんだけど、境界をはっきりさせるとか、入って来られないようにするとかの処置も考えないといけないかも知れない。
お金もかけたくない、相手も改めてくれない、となると、逆にこちらの権利が侵害されてしまうので、きっちり処理をされた方がいいと思います。
それと、さっきの話だと、50cmか、1m、かなり恒久的にそこに置かれちゃっているわけですよね。
微妙だけども、他人の土地に物を建てたり、置いたりっていうのは、不動産侵奪罪といって、犯罪なんです。
単なる不法占拠と違って、入ってきて人の占有を奪うというのが不動産侵奪罪なので、その可能性があれば、警察に相談にいくことも視野に入っていってくる。
相談者:
警察には何度も行ったみたいなんですが・・・
坂井眞:
(むこうの)やり方が微妙なので警察も乗り気じゃないということなんですかね。
相談者:
境界がハッキリしないうちは、民事不介入ですか・・
坂井眞:
でも、ほんとうはハッキリしているんでしょ?
相談者:
ハッキリしているはずなんですが、公図しかないんで、
坂井眞:
だから、私が最初に心配したような状況なのかも知れないですよね。
ただの境界争いだったら、警察はどちらか一方の主張の味方をするわけにいかないのでね。
あなたには不満だろうけど。
その場合は、民事の訴え、損害賠償とか、境界の確認の訴えなり、そういうことをしなきゃいけなくなってきている。
むこうがどかないのも、そういうところに理由があるのかもしれない。
50cm、こっちの土地だと思っているのかもしれない。
相談者:
あー、そうですね、あー
坂井眞:
測量すれば分かると思うんだけど、測量にもお金がかかりますし。
将来に禍根を残すので、これは弁護士に相談すべき事案だと思います。
20年前から相手にしないんだから、これはもうプロの法律の問題と思う。
民事で訴訟を起こすか、あるいは、刑事事件、弁護士がこれは不動産侵奪だと言えば警察も動くと思いますから、いずれにしても、できるだけ早く動いた方がいいです。
(内容ここまで)
世に少なからずいる、不届き物には、法律で対処しなければいけないわけです。
いや、でも、権利も主張しないと誰かに取られてしまう。
取得時効、覚えておきたいですね。
もし、取得時効を狙って、これをやってこられた怖いです。
まぁ、いいか、なんていう態度だと、善意がアダになるってことですから。