理想の結婚生活とはほど遠く、スレ違いの37年。離婚に踏み切れない

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
ん・・うん、気が楽になりました?、今の塩谷先生のアドバイスで。

相談者:
はい、そうですね。

加藤諦三:
ねえ

相談者:
なんか、ホントに。

加藤諦三:
その、塩谷先生がおっしゃるように、

相談者:
はい

加藤諦三:
結婚の内容に・・こうでなければならないというようなね?

相談者:
はい、はい

加藤諦三:
そういう見方をしないのと、

相談者:
はい

加藤諦三:
もう1つは・・

相談者:
はい

加藤諦三:
自分の不安の根底にあるのは何なのかな?っていう事を、

相談者:
はい

加藤諦三:
考えてみて下さい。

相談者:
あ、はい、分かりました。

加藤諦三:
よろしいでしょうか?

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございました。

加藤諦三:
離婚の不安と、結婚の不満で、多くの人は不満な人生を選びます。

(内容ここまで)

「夫婦というより、ずっと上司と部下でした。子どもために刑務所に行く思いで結婚しました」
(有賀さつき)

当時はデキ婚と報道されたが、別れを決意した2日後に妊娠が判明。
発言はそれから4年後の離婚会見にて。
今から12年前のこと。合掌。

 

アタシ的には、番組に寄せられる妻から相談は、9割方、アスペルガー夫とカサンドラ妻(*)の組み合わせ。

(*)アスペルガーとカサンドラ:
コミュニケーションに難のある(アスペルガー症候群)夫と、それが原因で抑うつ状態(カサンドラ症候群)の妻。

ここ3日続けて夫婦関係がらみの相談なんだけど、例外がない。

アスペルガーと言っても、スペクトラム診断(*)だから、昨日の夫婦みたく、夫の症状がマイルドだと、妻の症状もマイルドに収まる。

(*)スペクトラム診断:
スペクトラムとは連続した分布のこと。
青色から次第に赤色へと変わっていく帯状をイメージするといい。

要するにハッキリとした境界はなく、症状の強弱で診断される。

 

だけど、それは程度問題であって、アスペ夫とカサンドラ妻という構図に変わりはない。

今日の夫なんかは割りと分かり易いわけよ。

・一人行動を好む。
・過去のことをいつまでも責める。
・怒って缶を投げつける。

まあ、一つひとつは「誰にでもあることでしょ?」で済ませる向きもあろうが、これだけ揃うとね。

重要なのはどういうシチュエーションだったかということなんだけど、
37年間さいなまれた妻。
聞かなくても、これが加わるから。

 

アスペの診断が難しいことの一つに、振る舞いが多様っていうのがある。

例えば、

・人と目を合わそうとしない。
・人の顔をじっと見る。

この真逆の振る舞いはどちらもアスペの特徴だ。

あるいは、

・いつまでもよそよそしい。
・いきなり馴れ馴れしい。

これもそうだし、

・怒られているのに反応が乏しい
・ちょっと注意しただけでヒステリックに反応する

これなんかもね。

それぞれ、一つ目の方に書いた振る舞いを受動的アスペ、二つ目の方を能動的アスペなんて分類する人もいるけど、刺激に応じて変わるので、そんな単純なものでもない。

だから、あくまで、エピソードの集合体で判断しないといけなくて、アスペの場合、どれもシチュエーションとセットにすると絶対におかしいわけ。
そこに相手がいるのに、いないから。

 

塩谷 「好きでもない買い物に付き合わされるのは嫌ですよ」

あのね、そういう問題じゃないし。
37年間のうち、かいつまんで言っただけだから。

塩谷 「無理にあなたの理想に近づけようとするから、逆に不満に感じちゃう」

あのね、アタシが言い換えるけど、
理想の夫婦⇒普通ぅの夫婦。

 

はぁ、見てられんわ。
ま、塩谷弁護士が特別なわけではなく、これが典型的な周囲の反応なの。

そうした周りの反応はカサンドラ症候群の名前の由来にもなっていて、カサンドラとはギリシャ神話に出てくる王女の名前。

正しい予知能力を持っているのに、誰からも信じてもらえなかった悲劇のヒロインだ。

つまり、パートナーのアスペに苦しむ妻が、周りから理解されない状態がまさにソレだということ。

妻が周囲に夫のおかしな点を訴えても、

・男ってそういうもん。
・その程度
・いいご主人
・贅沢な悩み
・愛されてる
・あきらめなさい

こういう反応をされることが多い。

で、
「誰にも分かってもらえない」

妻のこの孤立感こそがカサンドラ症候群だ。

 

心が通い合えないエイリアンと暮らす辛さは経験した人でないと分からない。

アスペの症状は、その解放感からか、プライベートな空間でこそ強めに発揮されるからだ。
妻だけが知る夫の姿。

もっと言うと、アスペ的振る舞いはポジティブ評価されることも多く、妻を苦しめる。

大人子どもみたいな夫でも、ご近所からは、
「子煩悩でいいご主人」

もっとも、最初に騙されたのは妻自身だ。
そもそも、そうじゃないと、夫婦の問題になりようがない。

・ものをハッキリ言う
・周りに流されない
・マイペース
・頭がいい、合理的
・正直すぎる
・冷たい
・過剰な親切
・怒らない
・家族を大切にする
・人とは違う、ちょっと変わってる

こうしたアスペ的特徴が魅力的に見えたことを忘れたとは言わせない。

ところが、これがオセロのごとく裏返しになる。
悲しいかな夫婦生活を始めてから。
あるいは子どもが生まれてからetc.

別に、夫が変わったわけじゃない。
夫は、昔も今も、無自覚にアスペらしく振る舞っているだけだ。

そうそう、もう一つカサンドラ妻に堪える言葉があって、
「あなたが選んだんでしょ」

 

独女に告ぐ。
あなたが今惹かれている彼。
それはひょっとするとアスペだから。(笑)

 

せめて、妻の方だけでも、この仕組みに気づきさえすれば、対処のし方はあるし、気持ち的にも救われるんだが。

少なくともビール缶を投げつけられないように操縦は出来る。

 

ちなみに、アタシがアスペ臭に敏感なのは他でもない、自分がそのアスペという珍しい部類だからだ。
(統計的には男が圧倒的)

さらに、自覚があるアスペってのがこれまた極少。

この自覚っていうのがとても大事でね。
アスペを治すのはムリでも、自覚さえあれば、学習能力が高い分、人に気づかれないレベルで社会生活を送ることは可能だからだ。

たまに、開き直るアスペがいたりするけど、最悪。

もし、アタシがアスペを知らずにいたら、
自分の性格を恨み、
家庭環境を恨み、
子育てを恨み、
親を恨み、
周りを恨みながら生きていたかもしれない。

 

理想の結婚生活とはほど遠く、スレ違いの37年。離婚に踏み切れない」への2件のフィードバック

  1. 理屈はあっても覚悟はないんでしょう?離婚の
    人生に選択肢が2つ以上ありまして
    ○✖クイズの感覚なんだろうね
    どれを選んでも泥だらけになるのが人生だと思うけど
    僕ちゃんは選ばないから失敗はしない!?
    とかいう若者の多い事つまらん事
    結婚もせず、仕事もせず、興味をもって挑戦もしない
    泥になった相談者の人生の方が
    生きた意味はある
    夫婦、家庭以外に興味をもてず電話をしてきた相談自体は
    離婚問題とは別の相談者の課題

  2. ビール缶投げてくるんなら、ビールを頭から注いでやればいいのに

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