テレフォン人生相談 2020年9月11日 金曜日
なんでも高2から突然死ぬのが怖くなったらしい。
一人っ子。
母は中国人。
小学校のときにいじめられた。
中2から中国に。
中学卒業後は1年間アメリカ。
戻ってきて高2から再び中国に留学して現在に至る。
今はコロナ禍で帰国し、両親と暮らす。
今週は、スペシャルウィーク。
「今、闇の中でもがく若者たち」
トリに期待してたら、尻すぼみ。
こういう悩みを拗(こじ)らせるのもこの年頃にはありがち。
特権と言っていいかもしれん。
金も責任も無く、時間だけがある。
だから、こんな所でてっとり早く答えだけ得ようとするその根性や如何に。
学生なら、哲学やら文学やらの人文科学系を履修したり、図書室で司書に相談すれば書籍やカテゴリを提示してくれる。
そんな面倒くさい事やる気がないんだったら、キミが単なる面倒くさい奴。
「『お前は中国人だ』『だから悪い奴だ』っていじめられて」
あのねえ、キミの母親の国と違って、日本には捏造博物館 南京大虐殺紀念館みたいなのもなければ、反中教育もしていないの。
まさか小学生が尖閣の振る舞いを責めたのでもあるまい。
イジメられたのなら、それはキミ自身が持つ因子。
話し方がネイティブじゃないのは母親の影響かしら。
強力ね。
中国語も操るんだろうけど、お世辞にもバイリンガルとは言い難い。
一体、親は息子のアイデンティティをどっちで育むつもりだったのかしら?
てか、22歳。
キミはどっちの国籍を選択したの?(*)
(*)親が外国籍の場合、重国籍の可能性がある。
この場合は22歳になるまでに国籍を選択することができる。てか、しなければならない。
期限を過ぎても罰則はなく催促されるのみ。
ただし催促に応じない場合は日本国籍は消滅する。
幸か不幸か、これこそキミに課せられた命題。
死ぬの怖いなんて日和ってる場合ではない。
日本政府が用意したチャーター機で帰国できたのも国籍のおかげ。
地球市民なんて平時だけの夢想で、最後に頼れるのは国。
友だちは中国人が多いけど日本食も好き♪
なんていうレベルではない。
国籍は単なるレッテルではないからだ。
母親が生まれ育った国と自分が生まれ育った国。
両国が戦争になったとき、キミはどっちに銃を向ける?
ほら
よっぽど悩み甲斐のあるテーマじゃなくて?
大坂なおみは日本を選択したが、アイデンティティとの不一致は周囲を混乱させる。
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 大原敬子(幼児教育研究)
相談者: 男22歳 独身一人っ子 中国留学中コロナで現在日本の実家暮らし
今日の一言: 人間の唯一の義務は自分自身になること。それ以外の義務はありません。(デイビット・シーベリー)