姉妹で違う母への思い。最後に仲良くは大きなお世話。丸く収まる認知症利用法
テレフォン人生相談 2022年10月6日 木曜日
相談者 「父はあの、12年前に他界いたしました」
13回忌で会わない?
アンタしか企画する人いないよ。
パーソナリティ: 柴田理恵
回答者: 三石由起子(三石メソード主宰、作家・翻訳家)
相談者: 女54歳 夫59歳 子どもはいない 父は12年前に他界 母84歳 妹52歳 妹の夫47歳 甥っ子高校生
柴田理恵:
もしもし?テレフォン人生相談です。
今日はどんなご相談ですか?
相談者:
あ、10年間、絶縁状態にある妹がいるんですが。
柴田理恵:
はい
相談者:
その妹と、あの母との間にもう一度交流を取り戻したいと思いまして。
柴田理恵:
あーあ、えっと、あなた今おいくつですか?
相談者:
わたしは今54歳です。
柴田理恵:
はい。えっと、ご結婚なさってますか?
相談者:
はい
柴田理恵:
ご主人はおいくつでしょうか?
相談者:
59歳です。
柴田理恵:
お子さんいらっしゃいますか?
相談者:
あ、おりません。
柴田理恵:
妹さんは・・
相談者:
はい
柴田理恵:
ご結婚なさってらっしゃるんですか?
相談者:
はい、えー、52歳で息子が高校生です。
柴田理恵:
旦那さんはおいくつですか?
相談者:
あ、40う、7歳です。
柴田理恵:
あー、えっとお母さまおいくつですか?
相談者:
あ、はい母は今84歳です。
柴田理恵:
うん
相談者:
父はあの12年前に他界いたしました。
柴田理恵:
あー、あーそうですか。
えーと、10年間、
相談者:
はい
柴田理恵:
妹さんと、
相談者:
はい
柴田理恵:
絶縁状態ってことは、お父さまがお亡くなりになって・・
相談者:
少し経ってからです。
柴田理恵:
うん、ん、ん、何が原因だったんでじょうか?
相談者:
元々、母と妹は・・あの同居してた頃から仲が悪かったんですけれども。
柴田理恵:
はい、はい
相談者:
&#中、は、母、のことをとても頼っていたんですけれども。
柴田理恵:
うん
相談者:
小学校に入って以降、
柴田理恵:
うん
相談者:
ま、ある程度子ども、が手を離れたので、
柴田理恵:
うん
相談者:
また、以前のように、こう、言いたい、ほ、ことを言うようになりまして。
柴田理恵:
ほうほ、え、お母さまが?
相談者:
母に対して、です。
柴田理恵:
あ、母に対して、妹さんが、か。
相談者:
はい・・いろいろこう、ワガママを言うようになりまして。
柴田理恵:
はい
相談者:
あの、ほんとに軽い一言、「もっと頑張れ」っていう一言、を、母が言ったところ、
柴田理恵:
うん
相談者:
「これ以上何を頑張るんだ?」ということで。
柴田理恵:
うーん
相談者:
あの、怒って、実家から、え、帰省してたんですけれども、
柴田理恵:
うん
相談者:
出て行ってしまって、それ以降一切連絡がないという常態です。
柴田理恵:
え?たったそれだけのことで、ですか?
相談者:
あ、あのお、
柴田理恵:
うん、いろいろあったわけだ・・
相談者:
本人の話によると、
柴田理恵:
うん
相談者:
はい、あのお、「塵も積もれば」ということで。
柴田理恵:
あーあ、なるほど。
相談者:
はい
柴田理恵:
つまりその、お母さまの、うーん、物言いと、いうか、
相談者:
はい
柴田理恵:
そういうのが・・こう、妹さん、は、ちょっと気に食わないところがあるっていうことなんですかね?
相談者:
そうですね、はい・・はい
柴田理恵:
お、お母さまっていうのは、割と厳しい方なんですか?
相談者:
そうですね。あの、ち、割とこう、学生時代「やるな」「やるな」ということが結構あったんですけれども。
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
妹はそれを、あのお、無理に、あの、押し切ってやってしまいまして。
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
で、結局失敗して、親が尻拭いをするということをずうっと繰り返していたので。
柴田理恵:
あ
相談者:
親を、ま、恨んで、いるし、親のほうは子ども、に、呆れているというような・・
柴田理恵:
例えばどういうことでですか?その・・
相談者:
あ・・と、例えば
柴田理恵:
「やるな」って言われたこと、うん
相談者:
はい、えー、ま、「勉強を、しろ」、とやはり言ってましたので。
柴田理恵:
あはい
相談者:
「部活をやるな」とか
柴田理恵:
はい
相談者:
何かこう、「外に遊びに行くな」とか、
柴田理恵:
うん
相談者:
割と細かい、ことをいろいろあれこれ、
柴田理恵:
うん
相談者:
干渉していたんですけれども。
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
ま、そういうことを、ま、強行してやってまして。
柴田理恵:
うん
相談者:
そうすると結果的に、成績が落ちるとか、希望した学校に入れないとか、
柴田理恵:
うん
相談者:
いろいろなことがあって、結局そこは親が、被る、というふうになりまし・・例えば、こ、浪人させたりですとか、
柴田理恵:
あーあ
相談者:
あの、ま、就職にしても、こう、いろいろな人のコネを、
柴田理恵:
あー、はあ、ははあ
相談者:
辿るとか。
柴田理恵:
まあ、でも、そんなこと当たり前のことですよね?
相談者:
あー、はい、そうですねえ・・
柴田理恵:
どこんちにでもあることじゃないんですか?
相談者:
ただ、ま、わたしはあの、第三者的というか、
柴田理恵:
うん
相談者:
母と・・両親と、妹の間に、こう、入って両方見てますと、
柴田理恵:
うん
相談者:
どうしてもあの(ため息)、親側の立、場に立ってしまうというか・・
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
「妹が、言うことをきかないから」っていうふうに、なんとなく、こう、思ってしまうところもあるのかもしれません。
柴田理恵:
うーん。お母さんがおっしゃってることは、
相談者:
はい
柴田理恵:
お姉さんにとってみても、お姉さんが見て、「厳しいな、お母さん」と思う、よりは、「お母さん尤もだなあ」と思われるわけですか?
相談者:
やはり厳しいなと思いました。
柴田理恵:
ふん、厳しいなと思うけど、
相談者:
はい
柴田理恵:
「お母さんの言うことも分かるわあ」と思って・・
相談者:
はい・・はい
柴田理恵:
でもま、妹さんもそれで・・例えば、入りたかった学校に入れないとか・・
相談者:
はい
柴田理恵:
ような、当然じゃないですか?、そ、あの(苦笑)
相談者:
はい
柴田理恵:
勉強しなかったら(苦笑)・・
相談者:
はい
柴田理恵:
学校入れない。
遊んでたから・・
相談者:
はい
柴田理恵:
就職できない、とかっていうことって、ま、普通のことでしょ?
相談者:
そうですね、はい
柴田理恵:
うん、だから、それはそれでもうしょうがないことじゃないのか?っていうふうに・・
相談者:
あーあ、いえ、どちらかというと、やはり・・
柴田理恵:
は、思わない?
相談者:
お、親のせいに、すると(苦笑)いうか。
柴田理恵:
え?、むす、うん
相談者:
「自分が、あの、不幸なのは親のせいだ」っていう言い方を、割としてました。
柴田理恵:
妹さんが?
相談者:
はい
柴田理恵:
あ、それはどうしてですか?
相談者:
やりたいことを自由にさせてくれなかったので。
柴田理恵:
うん
相談者:
こう、すべてが中途半端に終わってしまったっていうような。
柴田理恵:
そうことを、あなたにもおっしゃるわけですか?
相談者:
はい
柴田理恵:
具体的にこう・・何が中途半端で・・何がそんなふうに思うんでしょうね?
だって親はちゃんと、面倒看て就職の、面倒まで看てくれてたりするわけでしょう?
相談者:
それも自分の力で、こう、勝ち取ったと思っているので。
柴田理恵:
うん
相談者:
親が、
柴田理恵:
うん
相談者:
裏でこう・・動いたということはあんまり、こう、考えてなあかったようなんです。
柴田理恵:
でも今はそれ分かってらっしゃる、分かってるんですか?
相談者:
はい・・恐らく、感じていないと思います。
柴田理恵:
それ、言ったりしなかったんですか?
お姉さんは、親が全部やってくれたじゃない?と思ってらっしゃるでしょう?
相談者:
あ、はい、思ってます。
柴田理恵:
ん、したらそれ、妹さんに、言ってあげたりしましたか?
相談者:
あー、はい、それも言いましたけれども、
柴田理恵:
うん
相談者:
そうすると、あの、今度はわたしのほうに、な、対してなんですけれども。
柴田理恵:
うん
相談者:
「世の中を知らないからだ」とか。
こう、「勉強ばっかり、して来たからだ」とか。
「世間が狭い」とか・・そういう言い方で、攻撃というか?、あの、わたしは、妹ほど、抵抗しなかったので、いい子で、来てしまったので。
柴田理恵:
はい
相談者:
抵抗しなかったんです。はい、なので、あの、「自分の苦しみは」分、「分からない」っていうような・・
柴田理恵:
あーあ
相談者:
そういう言い方をしてました。
柴田理恵:
んで、まあ、妹さん、は、
相談者:
はい
柴田理恵:
そのまんま絶縁状態になってるってことなんですね?
相談者:
はい
柴田理恵:
で、あなたは、
相談者:
はい
柴田理恵:
その、妹さんと、お母さんが絶縁状態になって、何かお母さんが、こう、苦しんでるとか、妹さんが困ってるとかなんか、そうことお、で・・仲直りさしてあげたいと思ってらっしゃるんですか?
相談者:
あ、はい。母は今認知症になってまして。
柴田理恵:
うん
相談者:
あのお、なぜ妹が来なくなったかということも忘れてしまってるんですね。
柴田理恵:
あー、はあ、はあ、はあ
相談者:
はい
柴田理恵:
うん
相談者:
そうしますと、あの、「妹のご飯を作らなきゃ」とか。
柴田理恵:
ふうーん
相談者:
「妹はなぜ来ないの?」っていうようなことを言いまして。
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
ま、毎回説明するのも、ちょっと苦しいですし。
柴田理恵:
うん
相談者:
これから先もそう長くはないと思うので。
柴田理恵:
うーん
相談者:
もう一度、ちょっとこう笑顔で、話ができる、う・・
柴田理恵:
うーん
相談者:
状況を作ってあげたないなあ、と思ったのが、
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
あの、今回お電話したきっかけにもなってるんですけれども。
柴田理恵:
なるほど・・妹さんに、おっしゃいました?
相談者:
あの、連絡は取るんですけれども。
柴田理恵:
うん、うん
相談者:
既読う、スルーの常態で。
柴田理恵:
はーあ
相談者:
返事が特に、はい、ありません。
柴田理恵:
じゃあ、伝わってはいるんですね?
相談者:
はい
柴田理恵:
どう言ってったらいいか分からないと思ってんのかあ・・
相談者:
いえ、あの、拒否してるんだと思います、あの母も、いつも毎日電話をしてるようなんですけれども。
柴田理恵:
あっ!お母さん電話してるんですか?
相談者:
はい。着信拒否の既読がたくさん残ってます。
柴田理恵:
でも、お母さんは、じゃあ、妹さんに・・
相談者:
はい
柴田理恵:
会いたいと思ってらっしゃるんですね?
相談者:
はい
柴田理恵:
分かりました。じゃあ、ちょっと先生に訊いてみましょう。
相談者:
あ、はい、お願いします。
柴田理恵:
はい・・はい
今日の回答者の先生は、三石メソード主宰、作家で翻訳家の、三石由起子先生です。先生お願いします。
(回答者に交代)
三石先生の一言一句に全て納得。覚えてないならそれを利用しての「さっき来たじゃん」はナイスアイディア!
私は当事者とは立場が違いますが、言いたい事を見事にまとめてくれたユッコ先生ありがとうございました。あまりにも凄すぎて日頃は相談内容を右から左に受け流してその場で忘却の彼方なのですが、この回は絶対忘れないと誓います。
認知症になって、未知の領域に入る母を一人で見守るのは不安。
だから妹には過去のことは水に流して助けてほしい。
というのが本音ではないのかな。
ドラマ北の国からで、若いとき散々豪遊して家族に迷惑をかけたお爺ちゃんがボケた途端仏のように無邪気な人になってしまって
風吹ジュン(孫)らが困惑してるエピソードがありました。
それがいいのか悪いのか分からないけども
妹さんには新しい発見があるかもしれず・・・
ともかく本音を言わなければ、帰っては来てくれますまい。
でなければ、三石先生の言うように、仲の悪い二人を引き合わせるな。
これしかありませんね。
コントロールマザーのような気がしました。妹さんの見解は、また違うのでしょう。相談者さんは本根だったら、三石先生のドンピシャのアドバイスでよろしいかと。
相談者が働いているのか専業主婦なのかは出てこなかったが、
加藤先生なら、相談者と夫の関係にも突っ込むのでしょうね。
本音では認知症の母親が面倒臭いのだけど、
ずっと「良い子」で生きてきた人は、その感情を認めることはない。
妹さんから見たら、世渡り上手、偽善者に見えるのでしょう。
私の兄は母親を嫌っていて絶縁状態でした。仲直りしてほしいというより介護の現実を見せたくて私が無理に会わせてみたけど、失敗でした。
相談者さんは介護を手伝ってほしい訳でなければ、お母さんと妹さんの間を取り持つのは余計なお世話。
三石先生の回答は腑に落ちるものでした。「さっき来たじゃん」最高です!
上の「コントロールマザーとその支配下にあった娘」というコメントに同感です
妹さんは「子を持って知る親への憎しみ」(by加藤先生)を嚙み締めてる最中なんだろう
姉がずっと従順な「いい子」だったから、反発する妹は親からも悪く見られようし、姉と比べられたことも当然あるだろう
その恨みが強い状態で、親からしつこく何度も電話がありゃ、頑なな姿勢もなおさら頑なになろうってもんだ
そして相談者も薄々感じてるみたいだけど、妹さんは相談者も恨んでる
母の妹への当たりが厳しいなと思いつつそれを見過ごしてたんだから、妹さんにしてみれば「姉は助けてくれなかった」って気持ちも当然あるだろう
相談者は無邪気に「母と妹との関係を修復したい」と思うのだろうけど、妹にとってみれば「また母の支配下に置かれるなんてまっぴらだ」って気持ちなんだろうな
今は三石御大の言葉通り、距離を置くしかない
妹は母親から離れたがっている、その気持ちを相談者が尊重してあげることだ