「学年一のブス」と言った母。謝れば許す
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
実に、前向きに見事な、
相談者:
はい
加藤諦三:
回答していただきました。
あのね、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなた・・あの、なんでね、
相談者:
はい
加藤諦三:
お婆ちゃんが、全学年で一番のブスだとかね、
相談者:
はい
加藤諦三:
なんか、そういう酷いことを言ったんだと思いますか?
相談者:
・・
加藤諦三:
要するに、あなたのことを言ったんじゃないんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたのお母さんが、お母さん自身を守ろうとして言った言葉なんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
人が相手を批判するときっていうのは、相手を批判してんじゃないんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
自分を守ろうとするために言ってんです。
相談者:
・・
加藤諦三:
わたしはこんなに立派だっていうことを言うために、
相談者:
はい
加藤諦三:
人を批判してんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
だから、あなたのお母さん、劣等感が強いんです。
相談者:
だと思います。
加藤諦三:
だから、お母さんが言ったことは、
相談者:
はい
加藤諦三:
これは全然わたし、のことを言ったんじゃないと思ってください。
相談者:
はい
加藤諦三:
お母さんが自分の素晴らしさを、
相談者:
はい
加藤諦三:
主張するために、
相談者:
はい
加藤諦三:
言ったことなんですよね。
相談者:
はい
加藤諦三:
まあ、最初の質・・あのお、相談がね、
相談者:
はい
加藤諦三:
実の母親を許したい、って言うんですから・・もう、許すのはね、相手を理解することが必要なんですよね。
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたに対してそういうことを言・・なぜ言ったかという心理をキチンと理解すれば、
相談者:
はい
加藤諦三:
自然と許しが出てくるはずです。
相談者:
はい。
ありがとうございます。
加藤諦三:
よろしいですか?
相談者:
はい、ありがとうございました。
加藤諦三:
はい、どうも失礼します。
相談者:
ありがとうございました。
加藤諦三:
人を批判することがその人の最後の防衛線です。
(内容ここまで)
ずっと音信不通だったのに、今度は謝れとな。
忙しいねえ。
母は動じない。
動かぬこと山の如し。(笑)
2、3歳のころの記憶か・・
フム
普通は意識から消えるんだが。
まれに残っていたにしても、せいぜい映像記憶。
大人の言ったセリフを、そこまではっきりと覚えているわけがない。
かなり、後付で、作為的に作られた記憶だ。
母親が言う、
「言ってない」
「言うわけが無い」
これ、あながち、とぼけているわけじゃないんだよ。
本当に言っていない。
ま、しかし、相談者がウソをついているわけでもない。
「母から言われたと、”記憶している”」
これは紛れも無い事実なわけだ。
心の中のね。
これを、妄想と呼ぶ。
子どもがふくれっ面をすれば、「ブス」と言うことだってある。
母親がそういうことを口にしたとしても、言った本人は記憶に残らないくらいの軽口であり、ニュアンスが違う。
だったら、44歳の今となっては、そういうふうに理解すればいいだけじゃないの。
「わたしって、結構、ちょっと辛い子ども時代だったんかな・・」
今の自分の何かの言い訳として、そう思いたいのは分るし、勝手なんだけど、人を、ていうか、母親を巻き込むからおかしなことになる。
3年間の没交渉とか、許す、許さないとか、謝罪を求めるとか、一人相撲もいいとこ。
昔観た、ニコール・キッドマン主演の映画。
女は、向かいのアパートに住む少年に、ある秘密の行為を目撃される。
バレるのを怖れた女は、その少年の殺害を企てる。
その少年が盲目であることも知らずに・・
<冷たい月を抱く女(1993年 米・加合作)>
相談者はこの女と同じだ。
相談内容の構図は先日の美大生と同じ。
「24歳美大生は小さい頃に父にからかわれて辛かった」
奇しくも相談者がこだわっているのが、顔のことについての親の不用意な一言。
回答者はいずれも大原女史。
大原女史が美大生に言ったのが、
「謝ったら、それで気が済むの?」
で、今日の相談者に対しては、
「親子の間で、『ゴメン』なんてのはウソ」
親に謝罪を要求するなんて、詮無いことをやってるってことだ。
いずれも、粘着してるのは子どもの方で、親離れが出来ずにいる。
本当に許せない親とは会いたくもないし、謝罪なんかされたくもない。