年金を使い果たして万引き。娘は嫌がる母の財産管理をできる?成年後見人の3種類
(再びパーソナリティ)
今井通子:
お分かりいただけましたか?
相談者:
はい、はーい、分かりました。
今井通子:
ちなみに今あれですかね?
相談者:
はい
今井通子:
どれぐらい借金おありなの?
相談者:
あっ、借金は、あのお、その、分かった時点でえ、
今井通子:
うん
相談者:
もうわたし達が、こう、立て替えたというか、はい、借りていた方には、あの、お返ししましたので、大丈夫だと思っては、いるんですけど、あの、把握できる範囲では。
今井通子:
なるほど。
相談者:
はい、ふふ(笑)
今井通子:
ふふ(笑)まあ、あの、お兄さん達ともね?
相談者:
はい
今井通子:
よくご相談の上ね?
相談者:
はい
今井通子:
進められると良いと思います。
相談者:
はい、分かりました。
今井通子:
はい
相談者:
凄く参考になりました。
今井通子:
はい
相談者:
はい
今井通子:
どうもー
相談者:
はい、どうもありがとうございました。
今井通子:
はい、失礼しまーす。
相談者:
失礼いたしまーす。
(内容ここまで)
アタシも今年、母の保佐人(成年後見の3つのランクのうちの真ん中)に就いた。
手続きは全部自分でやった。
だから成年後見制度に詳しい。
たぶん、塩谷弁護士よりも。
(笑)
いや、マジで。
塩谷弁護士のアドバイスはいわゆるパンフレット情報だ。
間違いじゃないけど、正しくない。
この女が成年後見制度を利用するために実際に動き出したら、壁にぶつかることになる。
「なんで、このことを教えてくれなかったの?」
こう言いたくなるわね。
本人の意思に反しての成年後見人の申し立てはハードルが高い
塩谷さん言うとおり、成年後見人の開始決定(*)に医者の所見は不可欠だ。
(*)成年後見人の開始決定:
裁判所が成年後見の必要性を認め、成年後見人を選任することをこう言う。
というか、成年後見人の申立書には、医者自らが、後見・保佐・補助の3つのランクから選ぶ欄がある。
つまり、医者は単に病気の診察ではなく、成年後見人制度の第一判定人の自覚でもって診断に臨むわけだ。
基本的に、医者が選んだランクでしか成年後見人の申し立ては出来ない。
医者が「補助」にマークしているのに、「後見」での申し立ては不可能だ。
あと、信じられないかもしれないが、心療内科や精神科を看板に掲げながら、制度の存在すら知らない医院も多い。
受付嬢に至っては、「せーねんこーけん?、さいばん?」 というレベルが100%。
アタシは、なんと3つの医院に診断を断わられてしまい、裁判所に問い合わせたぐらいだ。
ただ、アタシが、「相談者は壁にぶつかる」と言ったのはこんなことじゃない。
この女もちょっと勘違いしているんだけど、成年後見の開始決定に認知症などの病気の診断は必要ない。
加齢に伴うモノ忘れや、判断力の低下でいいわけで、保佐や補助はそのレベルだ。
(すなわちそれを認知症と言うのかもしれないが)
ただ、最上位の「後見」と、「保佐」や「補助」との一番の違いは本人(母)の意思の取り扱いだ。
一番重い「後見」は、医者はもちろん、周りの誰もがその必要性を認める。
だから、本人の意思に反してでも後見が開始される。
本人の意思表示そのものに問題があるんだから当然だ。
でも、保佐と補助は、まだそこまでいかないレベルだから、本人が必要性を感じないまま開始することは不可能なの。
そもそも後見人制度というのは、自分の財産の使いみちは自分で決めて良いという基本的な人権を奪い去ってしまう、憲法違反にも抵触しかねない重大な制度だ。
だから裁判所が本人の意思を最大限に尊重するのは当然で、そうでなくては困る。
アタシのときも、裁判所が母に意思確認を行う際、アタシは部屋から外に出された。
もっとも、母の耳が遠いため、裁判所職員が大声で話すもんだから何を聞いてるかは丸聞こえだったけど(笑)
今日の相談者の母親も、買い物したり、一人で病院に行ったりできるんだから、申し立て出来たとしても、保佐か補助だ。
申立書には本人の同意欄があるから、母親本人が嫌がっている今の状態では申請すらできまい。
だから、母を「認知症の予防のため」などと騙して診断を受けさせても何にもならないわけだ。
分かった?、塩谷パンフレット弁護士。
じゃ、どうするかって?
まず、母親が、子供たちに財産管理を任せてもいい、もっと言うと、財産管理をして欲しい、ぐらい思うような信頼関係を築かないといけない。
今さらムリだ。
良く読ませて頂いてます。書き起こしが正確で、読みやすいです。
コメントがまたイイ角度で斬り込んでて読み応えがあります。
勿論、ゲスい野次馬なラジオリスナーであり読者と自覚してます。
色々ご苦労されての文体には重みがあります。
日々お忙しいでしょうが、続けて下さると毎日楽しみです。
「自分は弁護士より法律に詳しい、自分で裁判もおこして…云々」という輩の99%は、裁判所から呆れられているのを気付かずに独り相撲をセッセととっているパターン。
しかし、今回の管理人さんのコメントは完全論破ですね。
塩谷パンフレット弁護士と言われても仕方ない。
学歴や役職でなく、こういった所で実務経験の豊富さがうかがわれる。