遺産は貰えず月払いで家計もチェック。しっかり者の兄の干渉に参る統失男
(再びパーソナリティ)
今井通子:
お分かりいただけましたか?
相談者:
はい。はいどうもすいません。
今井通子:
はい。あのお、なんか色々おっしゃってたけど・・今のところ・・
相談者:
いや、ま・・うん
今井通子:
今のところは・・
相談者:
色々ちょっと迷ってたんです。はい
今井通子:
うん、今のところは、塩谷先生がおっしゃるように・・
相談者:
はい
今井通子:
お兄さんの方がきっちりあなたの事に対して色々こと、な事をして下さってるよ?
相談者:
そうですね。
今井通子:
うん
で、それでも心配だったらば・・あの・・えー、アルバイトもされているわけだし。
相談者:
はい
今井通子:
これから自信持って、仕事もちゃんとやって・・
相談者:
はい
今井通子:
お兄さんに面倒看てもらえなくても出来るように・・する方向に、あなたの心は持って行った方がいいと思います。
相談者:
はい
今井通子:
分かった?
相談者:
はい
今井通子:
はい。じゃそういう事で。
相談者:
はい、どうもありがとうございました。
今井通子:
はい、失礼しまーす。
相談者:
はいどうも。
(内容ここまで)
貰えるものは貰おう。
使えるものは使おう。
老年兄弟に学ぶ福祉と基本の節税
聞いてるだけじゃ分かんないけどね、統失。
いや確かに話は分かり難いよ。
でもリスナーなら知ってると思うけど、この程度の話し方だけで決めつけようものなら、テレ人の相談者の半分が精神障害者になってしまう。
今井さんがセルフ診断でないことを確認してたけど、障害年金をもらってるなら医師の診断は必須だ。
だからって、見れば分かる身体障害と違って、精神障害の診断は専門医でも意見が分かれる。(*)
(*)高裁で一審と異なる精神鑑定結果 和歌山小5刺殺:
一審の医師の診断は統合失調症、
二審の医師の診断は自閉スペクトラム
統失だと相当減刑される。
昔なら単なる怠け者や変人扱いされて終わってたのが、ウツ病やアスペルガー症候群として認識されるようになったのはとてもいいことだけど、一方で、障害年金申請の現場では当局が詐病に神経を尖らせている。
障害年金について申請件数に対する認定件数の割合が都道府県で異なることから、実態を調査したところ、精神障害および知的障害において、地域によりその傾向に違いがあることが確認された。
<平成28年9月 精神障害に係る等級判定ガイドライン 趣旨説明>
ちなみに認定割合が高めなのは、やっぱりと言えば怒られるだろうか、今日のオッサンの訛りのアノ府県。
精神障害年金には更新手続きが要る。
欠損などの身体障害と違って症状が改善する可能性があるからだ。
オッサンは幾度もそのチェックをくぐり抜けてきたわけだが、一旦申請が通れば、本人アピールを覆してまで受給をストップさせる診断を下すことは医師にとって負担が大きいのは想像に難くない。
もっともオッサンの場合はそんなの、もうどうだっていい。
今まではともかく、すでに65を超えたので、普通の人に支給される老齢年金が障害年金に名前を変えただけだからだ。
どういうことかと言うと、障害年金受給者は、老齢年金受給資格を得たタイミングで、老齢年金か障害年金かを選択させられる。(*)
老齢年金にプラスして障害年金が貰えるわけではない。
(*)老齢年金か障害年金か?:
当然多い方を選択するが、老齢年金は課税対象で、障害年金は全額非課税。
この男も手取り額を比べて障害年金を選択している。
養子縁組を使った節税
あと、法定相続分。
説明ベタだから今井さんも戸惑ってたけど、兄貴の息子をアンタら父親の養子にしてたわけね。
養子縁組を規定する民法の趣旨にそんな意図は全くないのだけど、競合激しい税理士のおかげで、贈与税、および相続税の節税法として広く普及してしまった。
通常、資産を移動するには贈与か売買しか方法がない。
それぞれ、贈与税、所得税がかかる。
もちろん売買には親子であろうと合理的な金銭の授受が欠かせない。
これを相続で譲る(*)ために、その人を養子にするわけだ。
(*)相続で譲る:
数億までなら税率が贈与税より低いことに加えて、相続だけに認められる資産評価法などの優遇措置がある。
一番のネックはタイミングをコントロールできないこと。
言うまでもなく財産の持ち主が死去しないことには使えない。
さらに、相続人を一人増やすだけで、相続税の非課税枠が600万円増える。
たぶん養子縁組は亡くなった父親の意志というより、ちゃっかり者の兄貴が父親の晩年にやったことだ。
法人を使った節税
さて、
オッサンが兄貴から貰っている月々の10万円は、年にすると、贈与の非課税枠110万円を超える。
他の収入に関係なく、オッサンは毎年1万円の贈与税を納めないといけない。
もっとも、ちゃっかり者の兄貴が単なる小遣いとして渡してるとは考えにくい。
兄貴、ていうか一家はそれなりの地主で、本業か副業かはともかく、不動産業を営んでいる。
10万円は弟への給与。
全額が経費だ。
もちろん、オッサンには贈与税の代わりに所得税が掛かることになるんだけど、基礎控除と給与所得控除によって微々たるもの。
でも、これが、男の言っていた、
「兄がちょっとあんまり・・言われへんで、内緒で、生活費を10万円もらってるんですわ」
費用を公に内緒にしたって経済的に不利にしかならない。
つまり内緒にする相手は、妻と息子。
勤務実態のない統失男への出費はいい顔されないわけだ。
父親が亡くなった後から兄貴が10万をくれるようになったらしいんだけど、これは別に弟を想って本来分配すべきだった遺産相当を分割で渡しているわけではない。
だって、10万円はオッサンにとって欠かせない生活費なんだから今までも貰ってたの。
たぶん一悶着あった30年前あたりからでしょ?
なんのことはない、父親がやってきたことを兄が引き継いだだけの話。
てか、アンタが父親の相続でごねた時、兄貴はこれまでのスネかじりを責め立てたハズだ。
さらに、それをエサにされた。
兄貴は、これまで通りか、もしくは減額した月10万円を保証することで、アンタを黙らせた。
今住んでるとこだってどうせ一家の持ち物でしょ。
贅沢は出来ないけど、まあまあ、普通に暮らせる。
だから、アンタの不満の大元は生活費でも、そして不公平な遺産分割でもない。
66の男が兄貴とはいえカネの使い道を云々される不自由さ、情けなさ。
これじゃ風俗に行くことすらままならない。
さらに塩谷弁護士が言うように、月10万円はいつ停止されるやも知れぬ。
自分の生殺与奪を人に握られている現実。
オッサン 「人権侵害言うたら、あれなんですけども・・」
大げさなんて思わないよ。
でもそれ、アンタ自ら手放したものだから。
ちゃいまっか?
66歳で仕事もあり、障害者年金と月10万受け取れる環境。
いい人生だと思うが。
たしかに気の毒ではある。でも、病気を自分の人生の一部として真正面から取り組む覚悟がある人ならともかく、「自分は病気じゃない、もう大丈夫なんだ」と慢心して目を背けたがるタイプの自己管理能力なんか信用できないという兄貴の気持ちもよく分かる。
目を離してる間に病気が再発、誰も異変に気づかず放置して悪化なんてことになれば、下手すりゃ破滅まで一直線。統失や躁鬱の身内を伴侶も無しに自立させるのは、相当覚悟がいると思う。
こんなヤツが身内にいたら厄介だな。まさしく厄介叔父。
兄貴がかしこいやり手でよかった。