胃ろう患者を押し付け合う。割り切る扶養義務者に割を食う常識人

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
はい

加藤諦三:
あなたね、こういう言葉があ、あるんですよ。
ポジティブ・ノーって、「積極的な拒否」っていうのあるんですよ。

相談者:
はい、はい

加藤諦三:
ノーを言う事が、一番積極的な事だっていうの。

相談者:
あ・・そうなんですね。

加藤諦三:
逆にね?

相談者:
はい

加藤諦三:
ネガティブ・イエスっていう言葉があるんです。
イエスっていう事が良くない事なんです。

相談者:
はい、分かりました・・

加藤諦三:
はいどうも失礼します。

相談者:
あの、&#△、うん、ありがとうございました。


(内容ここまで)

文字お越し泣かせの相づち攻撃。
しかも被せ気味とのセット。

感情的には、
話を聞きたい < 話を聞いて欲しい

施設職員とやり合う様子が目に浮かぶわ。
ま、困っているってのは十分伝わったけど。

 

扶養義務ねえ・・

さすがに未成年の子に対する親の義務は重いものがあるが、成人どうしのそれは風前の灯(ふうぜんのともしび)。

税金投入にあたって役所が支援をお願いする権利でしかないというのが個人的な感想。
わずかな良心に訴えるっていう。

強制力はおろか、何かを縛る力は微塵もない。
せいぜい、法に謳われているという心理的効果。

それだって、効果は常識人限定。
その証拠に、テレビで活躍するよしもと芸人の母に生活保護は下りる。

施設だってそれ知ってるから深追いしないの。
で、頼みやすい常識人に頼んでみよう。(笑)

 

さて、
ちょっと言葉足らずだったんだけど、

相談者が申し立てるのは、父親の成年後見人。
施設が申し立てる(*)のは、胃ろうの叔母の成年後見人。

(*)施設が申し立てる:
直接申し立ては出来ず、まずは市区町村に対して成年後見人の必要性を訴えることになる。
身内以外で成年後見人の申し立てが出来るのは行政の首長。

施設側の手間を考えれば、最後のご奉公のつもりで、成年後見人の申し立てまでは相談者がやってあげても良かろう。

 

父親の成年後見人には相談者が就けばいい。
条件は弟の承諾だけだ。

で、成年後見人に就いた相談者の当座の役割は、胃ろう叔母の身元引受人を代行することではもちろんなく、身元引受人から父を外すことだ。

だけど、そのためだけに成年後見人が要る?

だって、施設は現在の身元引受人が役を果たせないと理解したからこそ、相談者に依頼してきたわけだよ。

成年後見人に就いたら最後、父の預金の収支を裁判所に報告しなければいけなかったり、ただでさえ忙しい相談者にさらに面倒事が増える。
財産の保全って言ったって、この姉弟には無用の長物だ。

ただ問題は、遊んでいる父名義の不動産。
戻る可能性のない所を掃除だけし続けるってバカらしくない?
田畑だって処分してしまった方が手間が省ける。

ま、自分たちで終止符を打つ気がしてためらう気持ちは分かる。

父親がわずかでも意思表示が出来る今のうちに、アンタら姉弟だけでチャッチャと処分しちゃえばいいんだけど、どうしても公明正大にやりたいのなら成年後見人を申し立てないといけない。

 

一方、施設としては、胃ろう叔母本人に料金を払ってもらうためには叔母の成年後見人が不可欠。

事情からして、これには弁護士等の第三者が就くことになる。
もちろん、無償ではないから、毎月の報酬を差し引いた残りが、施設料金の一部に当てられる。

足が出てた分を身元引受人から補填されなくなった上に、さらに受取額が減ることになるが、もちろん施設がそれを負担する義務はない。

じゃ、どうするかというと、胃ろう叔母の成年後見人が生活保護を申請し、医療費や施設料金の不足分に税金が投入されるわけだ。

これがこの問題解決の最終形となるのだが・・

誰得?

チューブだらけで排泄するだけの日々が天寿(*)なのか?

(*)天寿: てんじゅ。天から与えられた寿命。自然の寿命

 


胃ろう患者を押し付け合う。割り切る扶養義務者に割を食う常識人」への4件のフィードバック

  1. どうして胃ろうを入れてるような状態で娘と連絡取れないのか知りたいと思いました。
    寿命って確かにあると思う。でもそれに抗ってる年寄りばっかり。
    私は医療従事者のはしくれですが、先日75歳の両親に、もし80を過ぎてガンが見つかっても積極的治療をしない方向でいいんじゃないかと言ってみた。母はそう思うわ。と同意してたが父は何言ってるんだとんでもないという顔してた。
    春桜散る頃父が先にガンで亡くなるのいいシナリオだなぁと思う今日この頃です。

    最近とてもコメント多いですね!
    でもやっぱり管理人さんのコメントが読みたいです!ありがとうござます。

  2. いつもこちらを拝見しています
    管理人さま、ありがとうございます

    つい最近母を看取りました
    がんが脳に転移して、急激に悪化、嚥下ができず、話したり、意思表示ができない状況になりました
    いろんな選択肢がありましたが、長男である弟が「積極的治療はしない。緩和ケア棟入居をお願いして、最期看取る」と言いました
    栄養チューブや胃ろうなど、命をつなぐ方法はいくらでもあります。緩和棟に入れるということは、緩やかに母を死なせるということで抵抗がありましたが、結果的にはよかったと思っています。緩和棟に入る審査もありましたが(入居後平均3週間という基準に、母が該当したのでしょう)、点滴だけの日々、スタッフの方々が親身に世話してくださり、家族がやさしい気持ちで最期の日々を寄り添うことができました
    幸せなことだったと思っております

  3. 叔母と娘は、胃ろう状態になったから連絡つかなくなったというよりは、さまざまな事があり、絶縁状態になってたんではないかと。
    喧嘩も、仲直りも元気なうちにーーと思いました。

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