夫の不倫に気持ちのケリをつけるための完済。あと一歩で自己破産されて宙に浮く
(回答者に交代)
坂井眞:
さっきの法律的な問題の前に、
相談者:
はい
坂井眞:
えー「公正証書にした300万円と」、
相談者:
はい
坂井眞:
「それ以外に400万円ぐらいある」とおっしゃっていて。
相談者:
はい
坂井眞:
当事者としてはあなたではなくて・・旦那さんと、不倫相手の彼女・・
相談者:
はい
坂井眞:
の、お金のやり取りですよね?
相談者:
そうです。
坂井眞:
だからあの、今おっしゃっている公正証書というのも最後におっしゃっていたけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
え、あなた自身があの法律上の当事者ではなくて、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、金を貸して・・「返してくれ」と言える債権者・・
相談者:
はい
坂井眞:
は(わ)、旦那さんということですよね?
相談者:
そうです。はい
坂井眞:
ま、そういう前提で、お話をしますけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
元々これ・・あげてしまったようなお金っていうのは、あったんですか?
相談者:
あります。
坂井眞:
それで300と400になったのかな?
相談者:
その400の中には、
坂井眞:
はい
相談者:
あげ、るという気持ちで・・あの、差し上げた・・ものもあります。
坂井眞:
中にはね?
相談者:
はい、その流れを見ると、400万までは、自由に、通帳から、向こうに融資、したみたいですけども、
坂井眞:
うーん
相談者:
残る300万の段階では、
坂井眞:
はい
相談者:
もう・・お金に限界が来て・・た、状態でして、300万の中の・・50万は、
坂井眞:
うん
相談者:
金融ローンで・・
坂井眞:
あ、借金して、貸した?
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
そうすっと「これはあげるって話じゃないよね」っていうことになるわけですか?
相談者:
そうです。はい
坂井眞:
じゃ、手持ちのお金を、渡してた間は、ま、そういう関係なんであげたって扱いでもいいけど・・
相談者:
はい・・はい
坂井眞:
自分が苦しいのに無理して渡したのは、これは、
相談者:
はい
坂井眞:
貸付だよね?と・・
相談者:
はい
坂井眞:
ま、借金だよね、向こうの、と。
相談者:
はい、そうなんです。
坂井眞:
そんな事情がおありになるわけね?
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
ふうーん
相談者:
だから、今回、その・・残り30万円のところなんですが、
坂井眞:
はい
相談者:
それも、あの、金融ローン会社から、
「今月の振込が遅れております」という連絡が来ました。
坂井眞:
あー、なるほど・・
相談者:
はい
坂井眞:
それ銀行ってことですか?
相談者:
いえ、ローン会、社です・・
坂井眞:
ふうーん
相談者:
銀行ではございません。
坂井眞:
なるほど。振込っていうのはだってその、相手の女性から振り込むんですよね?
相談者:
そうなんです、だからうちの主人の、あの、カードを本人が持っておりまして、
坂井眞:
はい
相談者:
要は50万を、
坂井眞:
はい
相談者:
そのローン会社から借りました。
坂井眞:
はい、で・・
相談者:
それを・・あのお、相手に渡しました。
坂井眞:
で、だけど、借主はあなたの・・
相談者:
主人です。
坂井眞:
旦那さんですよね?
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
で、ローン会社はあなたの旦那さんに請求して来ますよね?
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
で、それを、だからあなたの旦那さんに返す代わりに、彼女が、ローン会社に返してましたということですよね?
相談者:
あ、そうです。はい、はい
坂井眞:
で、それが滞ったんで、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、法律上の債務者であるあなたの、
相談者:
はい
坂井眞:
ご主人に、
相談者:
はい
坂井眞:
・・「滞ってますけど」っていうのが来たと・・
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
こういう話ですね?
あ、分かりました。
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
そうすると400については、もうあげちゃったもんだと・・
相談者:
はい
坂井眞:
いう理解でいいんですかね?
相談者:
はい。諦めます。
坂井眞:
で、破産手続きはどこまで進んだか、ご存知ですか?
相談者:
来月に、えー、裁判所の方に・・書類を提出すると・・言っておりました。向こうの弁護士の方が。
坂井眞:
申し立てはこれからっていうことですか?
相談者:
そうです。
坂井眞:
来月申し立てですね?
相談者:
はい、はい
坂井眞:
じゃまだこれからなので、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、破産手続きの、概要ご存知かもしれませんけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
もう要するに自分としては「債務返せません」と。
相談者:
はい
坂井眞:
「返すのはどう考えても難しいです」と。
相談者:
はい
坂井眞:
おー、いうことで、えー
相談者:
はい
坂井眞:
ま、あの、個人の場合は支払不能っていうことで破産申し立て・・
相談者:
はい
坂井眞:
が出来るんですけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
自分の財産と借金を、こう、秤(はかり)に掛けて、
相談者:
はい
坂井眞:
「とても返せません」と。
相談者:
はい
坂井眞:
ま、財産ってのは収入ですかね?
相談者:
はい
坂井眞:
主として。
あの、手持ち現金が無ければですけども。
相談者:
はい
坂井眞:
で、それで、えー、じゃあ手持ちの、おー、財産と、債務額・・
相談者:
はい
坂井眞:
ま・・債権者から見たら債権額ですけど・・
相談者:
はい
坂井眞:
債務の額、を・・こう両方、お、トータルをして、
相談者:
はい
坂井眞:
それぞれ、えー、債権額に応じて・・あ、割合的に、按分(*)して・・返す額を決めると。
(*)按分: あんぶん
仮に債務者の換金可能な手持ち資産が10万円で、3人の債権額が300万、170万、30万のとき、
300万の債権者には6万円、
170万の債権者には3万4千円、
30万の債権者には6千円
が支払われる。
相談者:
はい
坂井眞:
だから配当が・・3%とか5%とかって・・
相談者:
はい
坂井眞:
そういう話になりますよね?
相談者:
はい
坂井眞:
で、この方は・・
相談者:
はい
坂井眞:
財産はきっとあんまりないから、こういうことになったんで。
相談者:
はい
坂井眞:
で、代理人、で、もうすぐ申し立てをする先生は、
相談者:
はい
坂井眞:
「恐らく戻りませんよ」っていうそういう、回答だったんですよね?
相談者:
ハッキリ「戻りません」と言われまして・・
坂井眞:
うん、うん、資産がほとんどないんでしょうね。
相談者:
え、あ・・
坂井眞:
うん
相談者:
あの、そうですね。
あとはあの、うち、だけではなかったようで・・
坂井眞:
うん、そうですね。
相談者:
あの、あと3名の方が・・いらしたみたいで・・
坂井眞:
うん・・まずポイントから行きますと、
相談者:
はい
坂井眞:
公正証書の、
相談者:
はい
坂井眞:
その一回でも怠ったら・・
相談者:
はい
坂井眞:
ていう、4条とおっしゃったけど、
相談者:
はい
坂井眞:
これあの、難しい言葉でいうと、過怠約款なんていうんですけど、
相談者:
はい
坂井眞:
要するに、一回でも怠ったら、残りは残額全部いっぺんに返しなさいと。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
期限の利益(*)を喪失しますよって書いてあると思うんですけども。
(*)期限の利益: 決められた期限が来るまでは債務を履行しなくて良いという債務者にとっての利益。
つまり分割返済が即時一括返済となる。
相談者:
はい・・はい
坂井眞:
破産手続きっていうのは、
相談者:
はい
坂井眞:
そういう債権も含めて、一変、そのお、請求する、ことが出来なくなるんですね。
相談者:
・・
坂井眞:
もちろん今、一気に返しなさいという債権は持ってるんだけど。
相談者:
はい
坂井眞:
破産申し立てをした時点で、
相談者:
はい
坂井眞:
もう、破産管財人っていうのが付きましてね。
相談者:
はい
坂井眞:
財産全部でいくらあるのか?
相談者:
はい
坂井眞:
債務は全部でいくらあるのか?
相談者:
はい
坂井眞:
それで裁判所とか、ま、破産に掛かる費用を引いて・・
相談者:
はい
坂井眞:
残りを債権者に按分して返しますっていう制度なんで。
相談者:
はい
坂井眞:
公正証書の4条があるからといって・・
相談者:
はい
坂井眞:
他の人に優先して、返してもらうっていうわけにはいかないんですよ。
相談者:
はい
坂井眞:
だから、ま、分かりやすくいうと、
相談者:
はい
坂井眞:
公正証書のその、4条があるからといって、
相談者:
はい
坂井眞:
返って来るっていうことには、なりませんと。
分かりやすい結論としてはね?
相談者:
はい
坂井眞:
破産手続きの中で、
相談者:
はい
坂井眞:
認められた、金額しか返って来ませんと・・
相談者:
はい
坂井眞:
いうことになるんです。
相談者:
はい
坂井眞:
で、えっと、申し立てがあった後に、分かっている債権者、には、「債権届けをして下さい」という・・そういう連絡が来ますので、
相談者:
はい
坂井眞:
そこで、えっと、ま、とりあえず、30万は・・確実ですけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
もしさっき言った400万っていうのがね?
相談者:
はい
坂井眞:
まだ「貸付金だ」って言うならば・・
相談者:
はい
坂井眞:
一緒に届け出た方が、
相談者:
はい
坂井眞:
割合的には増えるので。
相談者:
それはもう、相手の弁護士の方には、送っておりますけれども、400万の方の書き出しを。
「他の書き付けもあったらば、書類にして提出して下さい」・・
坂井眞:
ふうーん
相談者:
ていうことだったので、
坂井眞:
うん
相談者:
一応それも、あの、書き出して、送っております。
坂井眞:
あ・・あなたの方としては、公正証書、書を作って・・任意で返してもらえる範囲で、
相談者:
ええ
坂井眞:
300万返してもらえたら、もう、気持ちに区切りをつけようと思っただけで、
相談者:
そうです。
坂井眞:
あとの400万も・・
相談者:
はい
坂井眞:
おー、性質としては、貸したもんだと・・
相談者:
はい
坂井眞:
こういう考えで、
相談者:
はい
坂井眞:
出したっていうことですね?
相談者:
そうです。
坂井眞:
ま、それは、一つの考え方なので、
相談者:
はい
坂井眞:
え、で、出された方が有利なので、出すのは、いいと思います。
相談者:
はい
坂井眞:
でえ・・管財人が付いたら、管財人はその、その女性から・・その辺りの事実関係も聞いて、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、その債権を認めるか?、認めないか?・・
相談者:
はい
坂井眞:
ということを、あの、管財人の立場で判断してくると思います。。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
で、ただ問題は・・その人に資産があれば・・満額とは言わないまでも、その割合的にね?
相談者:
はい
坂井眞:
えー、認められた金額が・・配当、されるんですが、
相談者:
はい
坂井眞:
なんか財産あるのかな?
相談者:
ないようです。
坂井眞:
ああ
相談者:
「親」の方「から」・・あの「引き継いだ不動産とかを今処分しているところです」・・
坂井眞:
はい
相談者:
ていうのは、言ってましたが・・
坂井眞:
あーは
相談者:
それも、あの・・ちょっと、難しいということでした、それを含めても。
坂井眞:
不動産があるっていうことは・・ある程度の・・その、配当のげ、原資、は、あるんじゃないですかね?
相談者:
うちい、の金額よりももっと大きい金額の方が、いらっしゃるみたいで・・
坂井眞:
なるほど。
相談者:
そちらの方が優先される。
坂井眞:
不動産に例えば担保が付いていたらそちら優先しますけど、
相談者:
はい
坂井眞:
あの、あなたのところと同じようにただの債権だったら・・
相談者:
はい
坂井眞:
あの、どっちが優先じゃなくて、
相談者:
ええ
坂井眞:
債権額に応じた按分・・
相談者:
ああー
坂井眞:
で、返すんですよ?
相談者:
はい、はい
坂井眞:
その割合で・・あの、配られるってことなんですね。
相談者:
ああ、分か、はい、分かりました。
坂井眞:
だから債権額は、出来るだけ多く届けた方がいいですよという・・
相談者:
あ、なるほど、はい
坂井眞:
で、さっきの400万の話に戻るんですけどね。
相談者:
はい、分かりました。
坂井眞:
ただ、ま、あの、おー、直接法律の話じゃないけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
あの、実は・・一番大事なところは最後におっしゃっていた・・「心のけじめ」っていうお話をされてたじゃないですか?
相談者:
はい、そうです。
坂井眞:
これは弁護的な意見かもしれないけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
300万をとにかく・・270万まで、9割返したと。
相談者:
はい
坂井眞:
で、そこで力尽きちゃって・・ということなんで、
相談者:
はい
坂井眞:
で、破産手続きっていうのは法的なちゃんとした手続きなんで、
相談者:
はい
坂井眞:
であとは、法的な手続きで、戻って来たところで・・
相談者:
あ・・
坂井眞:
区切りだと、思われたらいかがかなあ?と・・わたしはお話聞いてて思いましたね。
相談者:
・・あ、そうですね。
坂井眞:
うん、あとの30万にこだわっているよりも、
相談者:
はい
坂井眞:
元々、700う、のところを300の公正証書にして、
相談者:
はい
坂井眞:
「ちゃんと返しなさい」と言ったら、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、9割方返って来て、
相談者:
はい
坂井眞:
あと30万、ちょっと残念だけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
そこで力尽きちゃったんで・・
相談者:
はい
坂井眞:
それだったら・・その30万にあんまりこだわって、区切りがつかないって言っていると・・
相談者:
はい
坂井眞:
なんかあなたにとってはマイナスのような気が・・しました。
相談者:
ありがとうございました。
坂井眞:
うん
(再びパーソナリティ)
相談者様にとっては心が晴れないお話しでしたし、金銭の多寡ではないですものね。
やらかしてしまった夫の尻ぬぐいを奥様も対応したのでしょう。
相談者様、よく辛抱されて半分以上のお金を諦めて、粛々と手続きをされましたね。
次々に出てくる貸し借りの証拠に修羅場もあったことでしょう。
あのお金があったなら、あれもこれも出来たのに、子供達にもこれをやってあげられたのにと考えては、心穏やかには出来ない日々も多くあったと思います。
相手側の三百万円の月々の返済は、十年近くはかかっているのでは、と想像します(他にもあったと言っていましたから)。
やるせない気持ちを吐き出したいという思いと、分ってはいるが本当にどうにもならないのかという確認のためのお電話だったのではないのでしょうか。
回答者たちから「心に区切りをつけたらどうですか」の言葉がありましたが簡単ではないですよね。
でも、やはり時間をかけて心を前に向けようとする努力以外に方法はないのだろうと思います。少しずつでも穏やかに過ごしていかれますように。
か細い声に、この番組では珍しいくらいの上品な丁寧語。
旦那さん、完璧な妻に息が詰まってしまったのかな。
でも、酷いですよね。
離婚しないでいるのは愛情だとおっしゃっていましたが、自分で自分の生き方を決められて、立派だと思います。
憎めども
恨むことなかれ
成仏できぬものこそ
恨めしや~
賢い相談者様でもここまで来てしまったら、本当に夫婦関係を修復していけるのかどうか心配です。
弁護士さんも付いていて、十分な知識と手立てをされているのに ここに相談されたということは、ご自分の話を聞いて欲しかったのでしょうね。
これまではお金を取り戻す目的の為に奔走されたのでしょうが、それも一段落付けば 後はどうなるのでしょう?
肝心のご主人 今後一生頭が上がらず、しょげ返っているのか 開き直っているのか・・・
テレフォン人生相談史上最も賢い相談者