財産分与7年戦争終結も元妻が住所変更せず私と同じまま。恐れおののく71歳

(再びパーソナリティ)

柴田理恵:
あのですね、次男坊さんは・・とは連絡取れるんですよね?

相談者:
あ、取れます・・でも・・

柴田理恵:
したら次男坊の方に言えばいいじゃないですか?
「別れたのに」・・

相談者:
はい

柴田理恵:
「まだうちに住所があるぞ」と。
「気持ち悪いから」・・

相談者:
ええ、ええ、ええ、ええ、ええ

柴田理恵:
あの「変えた方がいいんじゃないの?」って。
「住民票ちゃんとしなさいよ」って。

相談者:
はい、はい

柴田理恵:
息子さんに、頼むのが一番早いと思います。

相談者:
あ・・そうですね、はい

柴田理恵:
はい

相談者:
はい、ありがとうございました。

柴田理恵:
はい、失礼します。

相談者:
はい、はい

(内容ここまで)

コミュニケーション・エラーはこうして起きる。

女優と弁護士。
一般の人よりも高いコミュニケーション・スキルが求められる世界で成功している二人をもってしてもそれは起きる。

 

質問のし方には、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがある。

オープン・クエスチョンは、回答者の言葉で自由に答えてもらう質問。

クローズド・クエスチョンは、質問者の言葉で作った質問文や選択肢に、回答者がYESかNOや選択で答える。

食べてる人に
「どう?」と訊くのがオープン・クエスチョンで、
「おいしい?」と訊くのがクローズド・クエスチョン。

双方に一長一短あって、適材適所で使い分けるのはいうまでもなく、欠点を理解して使わないといけない。

横山秀夫の小説「半落ち」(2004, 東映)では、自首してきた元警官(寺尾聰)に、取調官(柴田恭兵)が上層部からの圧力に屈して、禁じ手のクローズド・クエスチョンによって供述の矛盾を埋める場面が出てくる。
いわゆる誘導尋問だ。

クローズド・クエスチョンはストーリーを変えることが出来てしまうということ。

 

今日の相談で、男がオープン・クエスチョンで話した内容をまず見てみよう。

相談者 「戸籍だけは見せてくれたんですけど、現住所は教えてくれないんですよ」

男がこだわっている妻の住所とは、戸籍住所、つまり本籍のこと。

今日の相談は、離婚して夫婦が他人になったら本籍が同じであってはならず、現住所にするべきだという男の思い込みから来ている。

この思い込みがおかしいのはすぐに分かる。

たとえば、賃貸住宅を本籍にすることに何の問題もないが、これからすると同じ住所を本籍とする他人が普通に存在することになる。

 

ちなみにアタシは本籍には一日も住んだことがない。
どころか、住所地は風景さえ一変してて、住んでいないのは誰に訊くまでもなく明らかなのだけど、それで何の不都合もないし、役所から何か言われたことは一度もない。

本籍は、その人の家系情報の起点がどこの自治体で保管されているかという目印に過ぎない。

起点さえ分かれば、あとは電話も満足に通っていない時代から全国に張り巡らせた、日本が世界に誇る戸籍制度のおかげで家系は辿っていける。

ちなみにどこに住んでいたかという履歴情報はまったく重要ではなく、興味の対象にはなれど、少なくとも公的に必要な場面はない。

 

で、男は元妻の現住所を確認しようとしたところ、拒否された。

実際の現住所か否かはさておき、届けられている住所は住民票、そしてその履歴が戸籍の附票に記録されていくんだけど、原則、他人が見ることはできないからだ。

 

ところが、

柴田理恵 「奥さんは、どうしてまだ、あなたと一緒に住んでる現住所にしてるんですか?」

いやいやいや
一緒には住んでないっつうのに。

問題を現住所の登録違い、すなわち住民票の方へシフトさせてしまった。

 

そして、コミュニケーション・エラーは加速していく。

塩谷 「
住民票があなたの住所地のままになっている。
でも実際には住んでない。
あなたの37歳の息子さんもその奥さんと同じ世帯で、あなたの住所地に住んでいることになっているわけですね?

相談者 「はい、はい、はい」

クローズド・クエスチョンによってストーリーが変わった瞬間だ。

塩谷弁護士の質問は、いくつもの内容から成っている。

  1. 住民票が、あなたの住所地のままになっている。
  2. 実際には住んでない
  3. 37歳の息子さんもその奥さんと同じ世帯
  4. あなたの住所地に住んでいることになっている

いくらなんでも、71歳相手に、一度にこれだけの質問をして、一回のYES、NOで確認したことにするのは雑。

もちろん、男が「はい」を3回も言ったのはそれを意識したのではない。

しかも、分解された質問には、「誰が」という主語がない。

これでコミュニケーション・エラーが起きない方がおかしい。

1の質問は、正しくは住民票じゃなくて戸籍なんだけど、男にとってそんなことはどっちだっていいぐらいにしか思っていない。

2の質問の主語は元妻で、それは一致しているんだけど、塩谷弁護士の意味は住民票のことで、男が見たのは戸籍。

3は役所が回答しているから、そのとおり。
だけど、世帯員の住所が一緒までは保証しない。
そもそも息子は元々がアパート暮らし。

4がもっとも大きな食い違いなんだけど、1から3によって導かれてしまった。
塩谷弁護士は、妻の住民票の住所が男の住所と同じという意味。
これに対して男の方は、妻の本籍が自分の住所と同じという意味。

 

本籍と住民票。
この埋めようのない認識の差に誰も気づかないまま、アドバイスはエスカレートする。

面白すぎるから要約して再掲する。

塩谷弁護士

役所の窓口に文句を言うんではなくて、上申書とか、
よく調べて下さいっていうような文書をね?、正式に提出をして、役所の職権発動を促すと。
それは、あなたのためでもあり、行政のためでもある、良いことをするわけですから、
『自分は間違ったものを正すためにやってるんですよ』と。
『役所の方も間違ったことを正すためにきちんと、職権発動をして下さい』と。
それを何回かやっていれば役所の方も無視出来なくなって来ると思うんですよね。

役所から業務妨害で番組に苦情が来てもおかしくない。

 

相談者の思い込みはし方ないにしても、柴田と塩谷弁護士はさすがにまぬけだろう。

だって、元妻が相談者の家を現住所にするなんてことをするわけがないことはちょっと考えれば分かるから。

そもそも、カタギの人間が、住んでもいない、身内も居ない、居住権もない、所有物件でもない所で住民登録するなんていうことはない。

だって公的な郵送物を受け取れなくなるから。

しかも元妻は不動産業の代表取締役。
商売ができないでしょ?

元妻は滞りなく現住所を届けていて、男が窓口でゴネてるとき、担当はそれを確認できていたの。

 

で、ご丁寧にも余計なトドメ。

柴田理恵 「『住民票ちゃんとしなさいよ』って、息子さんに頼むのが一番早いと思います」

息子は前からアパート借りて住んでるんだっつうの
「なんで急に?」って返されるよ。



財産分与7年戦争終結も元妻が住所変更せず私と同じまま。恐れおののく71歳」への3件のフィードバック

  1. 40年連れ添って3人子供もうけてもこじれるとこんなふうになるんですね、悲しい。これ聞いてると別れた妻だけが悪く聞こえるけど実際はいろいろあったんでしょうね

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