夫への怒りの正体。積年の敵意を覆う自責。最後に女が口にした本当に憎む相手
テレフォン人生相談 2020年12月21日 月曜日
シールの一件はトラウマかしら。
盗人扱いされた?
イケナイことをした子どもを厳しく叱るほど周囲の評価は立派な親御さん。
子どもの成長を願って叱るのとは似て非なる行為。
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 田中ウルヴェ京(シンクロ銅メダリスト、メンタルトレーナー)
相談者: 女33歳妊娠4ヶ月 夫37歳 結婚6年 子供2歳
今日の一言: 小さい頃、保護と安全を得られない人は神経症的要求を持ちます。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
あ、もしもし
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
お願いします。
加藤諦三:
最初に、年齢教えてください。
相談者:
33です。
加藤諦三:
33歳。結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
ご主人何歳ですか?
相談者:
37です。
加藤諦三:
37歳、お子さんは?
相談者:
2歳と今、妊娠4ヶ月です。
加藤諦三:
はい分かりました。それでどんな、相談ですか?
相談者:
主人と結婚して、6年近くになるんですけど、
加藤諦三:
ん、はい
相談者:
結婚して・・2、3ヶ月ぐらいしてから、
加藤諦三:
はい
相談者:
自分が主人に対して、暴言と暴力を、してしまって、1年ぐらい続いたあとに今度は主人も、応戦するような形で暴言暴力?をするようになって、
今も、まだ続いていて、
加藤諦三:
うん
相談者:
きっかけ、はいつも自分なので、自分のその、怒りっぽいところを、直せたらと思って電話しました。
加藤諦三:
「きっかけはいつもわたし」という言い方をしたんですけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
どんなきっかけですか?
相談者:
昔で言えば、「『お皿洗ってくれる』って言ったのにしてくれなかった」とかあ、
加藤諦三:
ああ
相談者:
最近で言うと、自分がつわりで吐いてるのに、
加藤諦三:
うん
相談者:
何も言わずにスーッともう玄関から出社して出てっちゃうとか、
加藤諦三:
あ、はい
相談者:
そういったときに、
加藤諦三:
はい
相談者:
主人が大体その日かあ、もしくは言い訳?
加藤諦三:
はい
相談者:
「心の中で心配してた」とか・・
加藤諦三:
あ
相談者:
そういうことを言って、で自分が、疲れ、たりとかすると余計にその、エスカレートしちゃって、暴言が続いて、もうLINEとかでも、ガーってメッセージ送ったりとか、
加藤諦三:
うん
相談者:
物壊したりとかっていうふうになっていくんです。
加藤諦三:
はい。それで、それが治まるのはどういう形で治まっていくわけですか?
相談者:
結果的には主人、と会話をしないと、1日中してます。
加藤諦三:
あーあ・・ま、非常にしつこいということは、小さい頃に・・からのなんか物凄い怒りが・・あるわけですよね?
相談者:
・・
加藤諦三:
それが爆発した。
相談者:
暴力暴言は、主人だけじゃなくて、付き合って来た人に対して、必ずしてました。
加藤諦三:
あー、なるほどね。
そうすると、大袈裟に言えば産まれたときからですね、ずうっと、不満な・・人生が、あって、それに対してあなたは非常に不安と敵意を感じていたということですね?
相談者:
でも普通に育ってきたような気もするんですけど・・でも・・ここまで怒る理由が分かんなくって・・
加藤諦三:
普通に育ってきたらですねえ?、小さい頃から、暴力を、振るうっていうのはちょっと考えられないですよね。
相談者:
自分はその、小さいときからすごい人に迷惑を掛ける、子で、
加藤諦三:
あはい
相談者:
友達が持ってるシールとか、そうい、物が、ほしくて抑えらんなくて持って帰ってきちゃって結局親が謝りに行くとか、
加藤諦三:
んんんん、うん
相談者:
そういうのをよくやったり・・ま、空気が・・読めないっていう子で、
加藤諦三:
うーん
相談者:
中学校んときなんか、友達もいなくって、勉強もできないから昼休みはトイレで過ごすような形で・・
加藤諦三:
あーあ
あなたはほんとにほしかったのは親の関心だと思うんですけれども、
親の関心がほしくて、物凄い欲求不満になっていて、人に迷惑になるようなことを、もう、やりたい放題やっていた。
相談者:
いやそこまでなんか、ひどい、重い、なんか経験とかが、あるわけでもないんですけど・・
加藤諦三:
うん
相談者:
うーん
加藤諦三:
じゃ、あなたはずうっと自分が・・不満だったという、記憶はどうですか?
相談者:
不満っていうか、自分がすごいいけない子だ、と今でも・・思ってるんですけど・・
加藤諦三:
うん
「いけない子だと今でも思ってる」って言いますけどね?
いけない子になりたくて産まれてきた人っていないわけですよね。
相談者:
でもなんか自分の努力が、足りないから・・だって、い、いつでも今でも・・思うん、ですよ。
加藤諦三:
そうするとねえ?・・あなた今・・「自分は普通に、育った」って言いましたけれどもね?
普通に育ったっていうような少女時代を過ごしていればね?・・今あなたの言ったようなあ・・生活の仕方、になると思います?
相談者:
でも親は・・今でも、自分のこと気にかけてくれる普通の・・いい・・親、なんですけど・・うーん
加藤諦三:
うん・・分かりました。それでは、あなたとしては、自分がこうなったことの理由はちょっと、分からないと。
だけど今・・こういうような自分を直したいということね?
相談者:
はい、そうです。
加藤諦三:
分かりました。
今日はですね、
相談者:
はい
加藤諦三:
スタジオに、シンクロの銅メダリストで、メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京先生がいらしてんので、伺ってみたいと思います。
(回答者に交代)
相談者さんがすごい泣いてて可哀想でした。やっと友達できるんですか?に私も涙出そうでした。私の母親も些細なことで鬼のように怒る人だったので、辛かった気持ちがよくわかります。ご主人とこれからは仲良く、友達も作って幸せになってほしいです。
今日もウルベなんていなくても
良かったんじゃない?
そうだね
今回に限らずウルべさんじゃない方が
良い事多いよね。
加藤先生のお話を聞いていて涙出そうになりました。
私も親に(父親からは殴られ、母親には、言葉の暴力)踏み台にされてきたので相談者様のお気持ちわかります。
なので親孝行なんてしたいともおもいません。
親の葬式なんか行きたいともおもいません。
お若いうちに本当の気持ちがわっかってよかったですね。
相談者さんの「いけない子」「きっかけはいつも私」と言う言葉で、涙が出てしまいました。余程、お母さんに責められ続けたのでしょう。
嫌いな人はお母さんだと口に出せて楽になれたと思います。
ウルヴェさんも、今日の回答には優しさがありました。怒ることは悪くないと言ってもらえたもの。
いっぱい泣いて、自分を認めて大切にして欲しいと思います。
加藤先生の言う過去を認めれば道は拓けます理論はよくわからんのよな。過去の傷に先生方が同情してやったところでこの相談者絶対治らないし友だちもできないと思うんだけど。
同情が大事なのではなくて、怒りや対人関係の問題は「自分が悪いから」だけじゃなく過去に原因があったと分かれば
また似たような失敗をしそうな時に「この怒りはもしかして相手に対してじゃなく母親に対してのもの?」とか
「もしかして私は正しいコミュニケーションを親から教わってこなかった?」とか気付ける場面が増える→感情のまま行動せず立ち止まれるので、失敗が減る
もちろん一朝一夕というわけじゃないけど、自分と同じ境遇で苦しんでる人やその解決策について情報収集することもできる
病名が分かってやっと正しい治療を選択できるようになる、みたいなイメージかな
「その解決策について情報収集することもできる」って、その説明だと、つまりは原因らしきを引っ張り出して解決策は提示できてないってことでしょ。だから揶揄として「同情」って言ってるんだけど。「母親との関係が原因なので母親に対してこれこれこういう考え方したら楽になれます」とか、自分で努力しろって方向性にせよ「母親との関係が原因っぽいのでそれを元にカウンセリングを受けましょう」とか、原因から解決策に繋げるべきでしょ。原因言い当てて悦に浸ってる場合ではない。
私はこの相談者は母親うんぬんは結局関係なくて、どの道コミュニケーションやアンガーマネジメント的な訓練をしなきゃ治らないと思う(その意味ではウルヴェ先生は具体的方法でよかったのでは)。
「加藤諦三の決めつけが苦手」とか「相談者への具体的なケア方法まで教授したほうが良い」
って書き方なら分かるけど「悦に入ってる」はすごい捉え方するな……
今回の相談者みたいな人の回復と社会への順応って
自分の過去や心の振り返りとアンガーマネジメント等の具体的手法と両輪なきゃ無理なんじゃないの。
今回は前者を加藤、後者をウルヴェが担当したんじゃないかと思うけど。
根っこの「なんで私はこうなったんだろう」が本人にも掴めてないなら
いくら具体的な訓練を詰んだって、自責の念は消えないままなんだから上手く行かないよ。
誰かに「あなたは悪くない」って言ってもらわないと一歩も前進できない人もいるんですよ。
それをやっっっっと聞けたから相談者はここまで泣いてたわけで、
その一歩目にたどり着けないまま人生を終える人がどれだけ居るかと思うと
そんなにくさすような回答か?と思うけどね。
私は2年ほどかけて、カウンセリングと、自分でも、認知行動療法とアンガーマネジメント などをして、実際怒りのコントロールが格段に上達しました。
過去にどういう経緯があって、考え方に偏りが生じている。それによって、どのように傷ついているか。それが今にどう影響を及ぼしているか。
そういった分析を、自分で気付きながら(ほんとはここが一番大事。でも、テレ人では時間がなくて先生が言ってしまうので、そこが難点)、さらに、怒りが出たときに、どのように対処するか、アンガーマネジメントや、認知行動療法、さらに睡眠、ホルモンバランスによる体調の変化の記録なども併用して、ここまで良くなりました。
なので、原因の追及と、それによる自責感の減少(同時に親についても怒りが出たりしますが、最終的にそれは乗り越えられる人もおります)、対処療法的な行動療法と、3つの段階がないと、怒りのコントロールは難しいと思います。
私もまだまだ未熟ですが、この相談者さんも、できればカウンセリングを受けて、きちんと治療できたらいいなぁと思って聴いておりました。