社名に名前を冠した矢先に癌で逝った自慢の息子49。最期に交わす短くも深い会話

テレフォン人生相談 2022年5月20日 金曜日

社名に名前を戴くってのは士業事務所でしょうか。
ならまた変えないと。
後継がいればですが。

夫以外の家族関係には触れなかったけど、息子さん独身っぽい。
じゃ、喪主は元旦那かしら。

赤の他人となった老齢の男女が息子を前に父と母。
てかこの先も法事の度に。

 

パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: マドモアゼル愛(心についてのエッセイスト)

相談者: 女70歳 3年前に離婚 一人暮らし 1ヶ月前に49歳の息子が他界

今日の一言: 人生は結果ではなくて経過です。

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
あ、もしもしい?

加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。

相談者:
お世話になります。

加藤諦三:
はい、最初に年齢教えてください。

相談者:
70歳です。

加藤諦三:
70歳、結婚してます?

相談者:
結婚してますけど、今は1人です。
で・・

加藤諦三:
別居してるということですか?

相談者:
は・・離婚しました。

加藤諦三:
あ、離婚したということ?

相談者:
はい

加藤諦三:
離婚何年前ですか?

相談者:
3年ぐらい前です。

加藤諦三:
3年前ね。

相談者:
はい

加藤諦三:
で、今お1人ですか?暮らしてんのは。

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
はい、分かりました。で、どんな相談ですか?

相談者:
1ヶ月、ぐらい前に、

加藤諦三:
はい

相談者:
49歳の、

加藤諦三:
はい

相談者:
息子をですね・・

加藤諦三:
はい

相談者:
癌で亡くしたんです。

加藤諦三:
・・はい

相談者:
それで、あのお、最後は、あの、緩和病棟にですね、もうこれ以上治療がないということで、

加藤諦三:
ええ

相談者:
お世話になったんですけど。

加藤諦三:
はい

相談者:
まだその、思いがですね、生々しく・・

加藤諦三:
はい

相談者:
あって、1日に・・もう、1回・・もしくは数回、こう、涙が流れることが多いもんですから(涙声)。

加藤諦三:
はい

相談者:
今後ですね、

加藤諦三:
はい

相談者:
どういう形で・・息子の死を受け止めて、生きて行けたらいいのかなと思っております。(涙声)

加藤諦三:
長い・・人生の中では・・

相談者:
はい

加藤諦三:
どうしようもない・・悲しみや苦しみっていうのは人生に・・あると思うんですけれども、

相談者:
はい

加藤諦三:
あなたの場合には、今が最初の、そういう体験ですか?それとも、長い人生で・・

相談者:
いや、あたし初めてこんなに辛い、気持ちになっております。
そして、自分の心の・・ん、弱さっていうのを・・

加藤諦三:
そういう・・辛い思いっていうのは、長い人生の中であると思うんですけれども、

相談者:
はい

加藤諦三:
今、この悲しみに対しては・・あなたは、どういう態度でもって、一日一日を過ごしてるわけですか?

相談者:
お寺に行って、

加藤諦三:
うん

相談者:
お経あげたり、

加藤諦三:
ええ

相談者:
自分の、ま、自宅でも、もちろんお線香あげたり、します。

加藤諦三:
ええ

相談者:
なるべく・・いろいろな、の、ことに触れて、あの子がああ言ってたとか、食べ物を見たらこれが好きだったとか、いろいろなことを、を、あまりにも、こう、生々しく辛く思い出すので、
どんなふうに、こう、強くっていうか受け止めて、行けたら、いいのかなと思ってて、最後にですね、あの、息子と交わした言葉でも・・
「お互い人間」あの・・「年齢順に死ぬとは限らないから、お母さんが」あの、「交通事故で明日死んでも・・子供が死んでも、お互いに心の中ではいつまでも生きとようね」とかですね、(涙声)、いろんなことを・・

加藤諦三:
うん

相談者:
(泣)

加藤諦三:
でもあなたいろん・・

相談者:
却ってそういうことが、いけなかったのかなとか思ったりですね、もう少し、ああもしてあげれば良かった、とか、辛いことばっかり思い出すんで・・

加藤諦三:
今、話聞いてると・・

相談者:
はい

加藤諦三:
あなたは自分の心を弱さって言っていますけれども、

相談者:
はい

加藤諦三:
心を、慰めて、辛いことを乗り越えて行く、

相談者:
はい

加藤諦三:
そのことは心得て、お寺に行ってお経をあげてみたり・・ん、線香をあげてみたり、

相談者:
はい

加藤諦三:
いろんな形で、やってるわけですよね?、で、先ほど・・1日何回か涙が流す・・

相談者:
うん

加藤諦三:
て言ってましたけど、
涙が流すっていうのも1つの・・心の安らぎですからね?

相談者:
はい

加藤諦三:
だから・・

相談者:
はい

加藤諦三:
それなりにあなた今、一生懸命対応してますよお?

相談者:
は、そうですか。ありがとうございます。

加藤諦三:
どうしても、最初は受け入れるられない時期っていうのが、来るわけですよ。

相談者:
あー、子供の無念さっていうのを思うときにですね、

加藤諦三:
はい

相談者:
えーと、自分は最後まで、あの・・余命を知らなくて、最後の日まで、リハビリも、頼んでたしですね、自分は弱音、もうほんとにもう、頭が・・金槌で叩かれたみたいに痛いときでも最後の最後まで頑張ってて、

加藤諦三:
ええ

相談者:
で、仕事の面でもですね、

加藤諦三:
ええ

相談者:
あの、取締役になって、

加藤諦三:
ええ

相談者:
自分で社名を付けて、

加藤諦三:
ええ

相談者:
今からあ!っていう、もう、ことで、

加藤諦三:
ええ

相談者:
で、皆さんも、あの、悲しんでくださって、

加藤諦三:
ええ

相談者:
弔電も、100通ぐらい・・至るところからですね、

加藤諦三:

相談者:
偲んで、ほんとにいい、上司だったっていう、あの、声を聞いたりすると、今からあ、っていうときに、自分が逝かなければいかなかった無念さを思うとですね、

加藤諦三:
ええ

相談者:
どうしようも、ん、ま、ならないこの、運命なんでしょうけど、それを・・

加藤諦三:
誰でも、受け入れられない時期っていうのは最初あるんですよ。

相談者:
あー、なるほどね。

加藤諦三:
ええ

相談者:
受け入れられない時期ですね?

加藤諦三:
ええ
で、その受け入れられない時期っていうのが過ぎ、て、

相談者:
はい

加藤諦三:
その絶望お、を、受け入れた・・あの子は逝ってしまったんだという、この絶望を受け入れて、
この絶望を受け入れることで次に・・希望というのが出て来る。いきなり希望は出て来ないですよ。

相談者:
あーあ

加藤諦三:
本当に苦しみとか悲しみとかがあって、
それを通過して・・初めてそこで・・

相談者:
うーん

加藤諦三:
新しい物が出て来るんですよ。

相談者:
はい、それ、うん・・

加藤諦三:
だから、悲しみを否定して・・しまってはいけないんです。ええ

相談者:
受け入れるわけですね?じゃあね。

加藤諦三:
やっぱり悲しいときには悲しみを・・表現しちゃう。

相談者:
うん

加藤諦三:
これは、悲しみを表現するっていうのは1つのキャパシティ、能力なんです。

相談者:
あー、なるほど。少し、なんか・・

加藤諦三:
これを表現することで・・

相談者:
うーん

加藤諦三:
次の・・段階に、行けるんです。

相談者:
・・あー、なるほど・・

加藤諦三:
ところが、

相談者:
うーん

相談者:
それを・・

相談者:
あー

加藤諦三:
強くなろう、強くなろうって・・

相談者:
うん、勘違いしておりました。

加藤諦三:
う・・ってるとお・・

相談者:
うん

加藤諦三:
いつまで経っても悲しみから・・回復できないですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
で、今日の相談は・・

相談者:
はい

加藤諦三:
とにかく49歳の、

相談者:
はい

加藤諦三:
息子のことで・・自分が、どうしたらいいか分かんないっていうことですね?

相談者:
はい

加藤諦三:
今日はあの、スタジオにですね、

相談者:
(鼻をすする)はい

加藤諦三:
心についてのエッセイストとしてお馴染みのマドモアゼル愛先生・・

相談者:
はい

加藤諦三:
素晴らしい

相談者:
そうですね。はい

加藤諦三:
アドバイスをいただけると、思います。

(回答者に交代)


「社名に名前を冠した矢先に癌で逝った自慢の息子49。最期に交わす短くも深い会話」への9件のフィードバック

  1. 管理人さんの想像力、有り難うございます。私も家族関係が分からず、モヤモヤしていたけど…

    1. 熟年離婚されていたそうですが、息子の死同様、本当に残念。もし元旦那さんが再婚されていなかったら、何とか復縁して欲しいなあと思います。
      「お前100までわしゃ99まで、ともに白髪の生えるまで」ではないですが、何とか息子さんをしっかり供養していって欲しいなあと思います。
      あっ、格言ですが、「人生は結果ではなくて過程」で済むかもしれませんが、「就職活動は課程ではなくて結果です」。それは肝に銘じなくては。
      ともあれ、人生100年時代なので、少なくともあと30年、出来れば復縁してもらった上で、体には気をつけて頑張って生きて欲しいものです。

      1. 社会保障付き長期雇用に失敗した人が「就職活動は課程ではなくて結果です」って、つまり「私は結果出せませんでした」ってこと?

    2. 私の友人も49才で亡くなりました。あれから3年半が過ぎますが、辛すぎて死にたくなります。他人なのに、、、。
      もっと一緒にいたかったです。
      この先どうやって生きていこう。
      悲しみを分ちあえる人がいないです。

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