社名に名前を冠した矢先に癌で逝った自慢の息子49。最期に交わす短くも深い会話

(回答者に交代)

マドモアゼル愛:
はい、よろしくどうぞ

相談者:
・・(鼻をすする)

マドモアゼル愛:
もう昔から言われてることで、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
人生における最大の悲しみは、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
母が子を失う悲しみであると。

相談者:
・・

マドモアゼル愛:
そして、それに、異を・・唱える人は・・いない。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
回復できない悲しみの中に今・・いらっしゃるわけです。

相談者:
あ、あ、あ、それほどですね。はい

マドモアゼル愛:
はい
なので、これを努力で・・強くなろうとしても、無理だし。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
この、悲しみを、何か紛らわそうとしても、無理だ。

相談者:
あーあ、なるほど。はい

マドモアゼル愛:
はい
まだ四十九日も・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
経っていない・・状態なんですよね。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
だから、息子さんは・・まあ、昔の言い方をすれば、まだ・・旅立ってはいない。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
お母さんの側で、ずっと、見ていると。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
そういうまだ時期だから。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
息子さんは側に、いると・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
思ってもおかしくないと思うのね。

相談者:
(鼻をすする)

マドモアゼル愛:
なので・・食べ物を・・見たら・・
あの子が好きだった、食べ物・・あそこに行ったら、ああ、あのとき一緒に・・行った場所だ。
あのときあの子がこう言った。

相談者:
そう・・そうです。

マドモアゼル愛:
悲しみで、あると同時に・・お母さんがそのとき悲しみを、記憶で辿って・・共有することが・・供養になってるわけです。

相談者:
あーあ、供養ですね。

マドモアゼル愛:
それが供養です。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
だから、全然その悲しみは、息子さんに向けられた物だと、いうふうに考えるだけでもね?

相談者:
うん

マドモアゼル愛:
ずいぶん違った物になるんじゃないかなと、いうふうに思う。
そいで・・無念なのは・・お子さまが、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
大変能力がある方で。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
企業を立ち上げ・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
指導的立場で、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
成功させた。

相談者:
はい
で、今からっていうときだったんです。

マドモアゼル愛:
そうです。今からという・・しかしね?・・息子さんは・・お母さんにこう言ったんですよ。

相談者:
・・

マドモアゼル愛:
病床の床に於いて。

相談者:
・・

マドモアゼル愛:
「最後まで・・自分は生に向かって努力はするものの」・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
「お母さん、年齢順に死ぬわけではない」・・すごい言葉だと思いませんか?

相談者:
・・

マドモアゼル愛:
知ってたんじゃないんですか?

相談者:
それは、あの、もう、治療法のない

マドモアゼル愛:
そうです。

相談者:
癌でしたので、

マドモアゼル愛:
うん

相談者:
あの、わたしよりは、早いっていうのは、あの、感じてはいたと思います。

マドモアゼル愛:
うん
そして・・母さんとは違った視点で・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
「死んでも心の中で生きているよ」と。

相談者:
うん、うん「お互いに生きていようね」って言って(涙声)、わたしも泣いてたし、息子も泣きました。

マドモアゼル愛:
うん
その通り、じゃないですか、だから。

相談者:
いや、でも、それは、あの、「心の中では生きていようね」と言ったものの。

マドモアゼル愛:
うん

相談者:
この世に存在しないと思うと・・

マドモアゼル愛:
うん

相談者:
辛くなり・・(泣)

マドモアゼル愛:
うん・・でも、これは、解決できない問題なんです。

相談者:
うん、うん、うん

マドモアゼル愛:
それは・・先ほど・・加藤先生が・・「必ず通過しなければならない道なんだ」と・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
いうふうにおっしゃったと思う

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
じゃ・・この、必ず通過しなければならない道に・・

相談者:
(鼻をすする)はい

マドモアゼル愛:
この、2人の親子は・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
どのような・・餞(はなむけ)と・・どのような思いで・・これを受け止めていかなければならないかっていうことだと思うけれども。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
それは・・まだ分からない。
というのはね?

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
もっと生きて、いて欲しかったっていう思いがお母さんの中に当然あるよね?

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
でも・・道半ばにして・・彼は、逝ってしまったと。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
そしてこれが・・母が子を・・失った悲しみは、最大の物で。それでも・・3年も経てば、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
ずいぶんと違った物になって来るっていう言葉が、次につくんですよ。

相談者:
あーあ

マドモアゼル愛:
新しい世界が、

相談者:
あー、新しい、うん、うん

マドモアゼル愛:
始まるんですよ、お母さんに、その頃。

相談者:
あー、新しい世界、うん、うん

マドモアゼル愛:
こういうことなんです。例えばね?・・道を歩いてるときに・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
あ・・紺の、スーツ、あれ・・息子に似ている。

相談者:
うん・・はい

マドモアゼル愛:
そういうことが・・いっぱい起きて来ると思う。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
同じ・・年恰好の・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
子供。
そして、成長して行く中で子供時代の思い出もあれば、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
中学生のときの思い出もみんな、姿でお母さん見てるわけだよね?

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
そして・・

相談者:
(鼻をすする)はい

マドモアゼル愛:
そうしたところに、息子を見るわけですよ、お母さんは。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
それは、悲しみであると同時に・・生きている・・ものへの、愛おしさに思えて来るときが来るんですよ。

相談者:
うんうんうん

マドモアゼル愛:
息子はいない、もう
でも・・お母さんが、いずれ・・すべての・・人に、息子を見て、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
生きてる人すべてに・・幸あれと。

相談者:
うん、うんん

マドモアゼル愛:
思う・・中でね?

相談者:
・・はい

マドモアゼル愛:
人類っていうのは続いて来たんですよ。

相談者:
うんうんん

マドモアゼル愛:
まだ四十九日の前の・・方に、申し上げるような・・内容ではないけれども、

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
でも、ひとつ、まあ僕からの供養としてもね?

相談者:
・・はい

マドモアゼル愛:
その中で立派に・・思い出に残る・・また誰からも慕われる形で・・みんなの心の中へ残ってる息子さんていうのは・・今は誇りに、思えるじゃない?

相談者:
・・はい

マドモアゼル愛:
ね?・・90歳、100歳まで生きても・・何も残さないから人生意味がないとは言えないけれども、
何も残さない人も多い中で・・49歳の息子さんは、

相談者:
うん

マドモアゼル愛:
かなり大っきな物残してったね。

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
まだまだ四十九日・・お母さんの涙が・・供養になる・・

相談者:

マドモアゼル愛:
ときなんでね。
無責任だけど仕方ないなと・・

相談者:
はい

マドモアゼル愛:
思います。

相談者:
はい、ありがとうござ・・

マドモアゼル愛:
でも、お電話・・ありがとうございました。ほんとにね。

相談者:
いいえ、こちらこそありがとうございます。

マドモアゼル愛:
はい・・はい、加藤先生にもう1回、伺ってみたいなと思います。はい

相談者:
はい

(再びパーソナリティ)


「社名に名前を冠した矢先に癌で逝った自慢の息子49。最期に交わす短くも深い会話」への9件のフィードバック

  1. 管理人さんの想像力、有り難うございます。私も家族関係が分からず、モヤモヤしていたけど…

    1. 熟年離婚されていたそうですが、息子の死同様、本当に残念。もし元旦那さんが再婚されていなかったら、何とか復縁して欲しいなあと思います。
      「お前100までわしゃ99まで、ともに白髪の生えるまで」ではないですが、何とか息子さんをしっかり供養していって欲しいなあと思います。
      あっ、格言ですが、「人生は結果ではなくて過程」で済むかもしれませんが、「就職活動は課程ではなくて結果です」。それは肝に銘じなくては。
      ともあれ、人生100年時代なので、少なくともあと30年、出来れば復縁してもらった上で、体には気をつけて頑張って生きて欲しいものです。

      1. 社会保障付き長期雇用に失敗した人が「就職活動は課程ではなくて結果です」って、つまり「私は結果出せませんでした」ってこと?

    2. 私の友人も49才で亡くなりました。あれから3年半が過ぎますが、辛すぎて死にたくなります。他人なのに、、、。
      もっと一緒にいたかったです。
      この先どうやって生きていこう。
      悲しみを分ちあえる人がいないです。

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