復讐か自己実現か。似て非なる意欲の源泉。頑張り屋の行き着く先はバーンアウト
テレフォン人生相談 2022年9月19日 月曜日
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 大原敬子(幼児教育研究)
相談者: 男64歳 妻62歳 3人の娘がいる 次女33歳 三女26歳と同居中
今日の一言: 最も驚異的な働き手は復讐的である。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
あ、もしもし、お世話になります。
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
はい
加藤諦三:
最初に年齢教えてください。
相談者:
64歳です。
加藤諦三:
64歳、結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
奥さん何歳ですか?
相談者:
62歳です。
加藤諦三:
62歳、お子さんは?
相談者:
子どもは娘が3人です。
加藤諦三:
3人?、で、今一緒に住んでんのは?
相談者:
次女三女
加藤諦三:
次女三女?
相談者:
はい
加藤諦三:
何歳ですか?次女と三女は。
相談者:
次女33
加藤諦三:
はい
相談者:
三女が26です。
加藤諦三:
はい分かりました。それでどんな相談ですか?
相談者:
特に仕事っていうか、こ、やる気がまったく起きなくてですね。
もう十数年前からあ、なんか、そういうふな形が・・ずっとありまして。
加藤諦三:
はい
相談者:
なんとかしようと思って、いろんなセミナーに行ってみたり、啓発本読んでみたり・・
加藤諦三:
ええ
相談者:
新しいことにチャレンジしてみたり、っていう格好で右往左往したんですけども、
加藤諦三:
ええ
相談者:
結局う、トンネルから抜けられなくて。
加藤諦三:
はい
相談者:
今に至、ってるような感じなんですね。
加藤諦三:
はい、はい、はい
相談者:
元々お、美術系え、の仕事してたんですが、
加藤諦三:
はい
相談者:
26、7年前に営業系の会社にい、変わりまして。
加藤諦三:
はい
相談者:
最初まあ、苦労したんですけども。
加藤諦三:
ええ
相談者:
たまたま結果が出たもので、ここは向いてる、ていうような格好で、自分では思ってて。
加藤諦三:
はい
相談者:
で、頑張ってるとそれなりに結果が出て、会社のほうから、報奨が出たりとか。
加藤諦三:
はい
相談者:
いうような格好で、ま、小さな、拠点の責任者を、任せられたもんですね。
加藤諦三:
はい
相談者:
たぶん頑張って来てたんじゃないかと自分では思うんですけども。
加藤諦三:
はい
相談者:
どこかで心が折れてしまいましてですね。
加藤諦三:
はい、はい
相談者:
ちょっと救急車で運ばれたりとか、めまいとかで。
加藤諦三:
ええ
相談者:
いうふうなことが、数年前にあって。
で、それが、自分の単なる心の甘えなの、かあ?・・体に異常が出てるのか?っていうのは判断ができなくてですね。
加藤諦三:
はい
相談者:
今あ、も、そうなんですね、怠け癖でやる気がおきない、程度の物なのか?
加藤諦三:
じゃないですねえ。
相談者:
あ、何か、自分にはちょっと無理をした結果、今の至っているものなのかもちょっと分からなくて。
加藤諦三:
うん、そっちだねえ。
相談者:
ただあ、その、家族は仲良くてみんな良くして、くれるんで、自分がこういう状況にあるっていうのがちょっと申し訳なくてですね。
加藤諦三:
はい、はい
相談者:
なんとか脱出したいと思って、ちょっと1回相談してみよう、
加藤諦三:
はい
相談者:
とこなんですけど。
加藤諦三:
あのお、
相談者:
ええ
加藤諦三:
最初あなた「美術のことをやってた」って言いましたよね?
相談者:
美術系の仕事をやってました。はい
加藤諦三:
で、そえで、26年前って言った?営業の。
相談者:
はい
加藤諦三:
「結果が出た」って言いますよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
結果は出たけれども、結局営業の仕事そのものはあなた好きじゃなかったよね?
相談者:
当時、頑張ってるときは結果も出ていたので、
加藤諦三:
ええ
相談者:
水を得た魚のようなつもりで自分ではいたんですけども。
加藤諦三:
ええ
相談者:
たぶん、なんかもう、心は疲弊してること、が、だんだん、重なって来たんじゃないかな、て思うんですね。
加藤諦三:
ずいぶん、きちんと・・分析できてるんですね。結果が出てるんで、
相談者:
はい
加藤諦三:
結果に心を奪われて、
相談者:
はい
加藤諦三:
で、かなり無理して頑張ったんでしょうね。
相談者:
あとから思うとそんな気がするんですね。
加藤諦三:
ほいであなたの、バーンアウトって知ってる?
相談者:
燃え尽きですか?
加藤諦三:
うん
要するにあなたの心の問題が、
相談者:
うん
加藤諦三:
体を通して現れて来てるわけです。
相談者:
うーん
加藤諦三:
フロイデンバーガーという人がバーンアウト、っていうこと言い出してんですけれども。
やっぱり、バーンアウトのね?
相談者:
はい
加藤諦三:
基本は何かっていうと、
相談者:
うん
加藤諦三:
だんだんと頑張ってるんだけども、結果が、ついて来なくなり出すんですよ。
相談者:
はいはい
加藤諦三:
だけどその分をさらに頑張ることで補おうとしちゃうんです。
相談者:
あー、その通りですね。
加藤諦三:
ところが、そもそもが・・向いてるわけじゃないですから、その仕事に。
相談者:
うーん
加藤諦三:
そこで、もう、完全に燃え尽きて、
相談者:
ああ
加藤諦三:
何もかも、嫌になってるわけですから。
相談者:
ああ、そんな感じです。
加藤諦三:
だから、あなた自身が・・自分がバーンアウトということで、そのフロイデンバーガーの本は読んだことあります?
相談者:
いや、ないです。
加藤諦三:
まず、原点の・・バーンアウトの本を読んでみることですね。
相談者:
はい
加藤諦三:
そうすると、あなた、自分の今までの生活でどこに弱点があったのかっていうことが分かりますから。
相談者:
あー、なるほど。うん
加藤諦三:
一口で言うと、exclusively strivingという、
相談者:
うん
加藤諦三:
仕事だけを優先して、あなたの人生は生きて来てるんです。
相談者:
うーん
加藤諦三:
で、その仕事そのものが、
相談者:
うん
加藤諦三:
その人に適していない。
相談者:
うーん
加藤諦三:
それで燃え尽きちゃってんです。
相談者:
・・うーん
加藤諦三:
排他的努力なんです。
相談者:
うーん
加藤諦三:
ほかのことに、努力しないで、
相談者:
はいはい
加藤諦三:
仕事だけなんですよ。
相談者:
うーん
加藤諦三:
この、排他的努力のことを英語でいうとexclusively strivingと言って・・ここが、あなたみたいに、燃え尽きちゃって、もうやる気がしなくって、もう先が見えないでこのまま死んでくんじゃないかって言って・・なっちゃう人いるんですよ。
相談者:
残りの人生、もういらないと思ってるんですけどもね。
加藤諦三:
うん、だからもう死んだほうがいいと思ってんですよ。
相談者:
ただ、家族が悲しむだろう、迷惑かかるだろうっていうところだけが・・踏ん張りどころなんですけど。
加藤諦三:
うん、だからあなたの場合には、その排他的努力と言いながらも、家族という仕事以外の、面を持ってるから。
相談者:
はい
加藤諦三:
その排他的努力でない部分があったんですよ。
相談者:
あー、はいはい
加藤諦三:
だから、そこが・・生き残れる・・可能性の部分なんです。
相談者:
いや、あまり、でも、その、家族う、にそういう物を求めると、家族にも重荷になりますからね。
加藤諦三:
うん、こうあるべきという、意識は強いんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
甘えの欲求が満たされてないんですよ。
相談者:
あー
加藤諦三:
あなた、小さい頃から甘えの欲求満たされてないでしょ?
相談者:
それは思いますね。
加藤諦三:
だから、それがまだ残ってんですよ。
相談者:
うーん
加藤諦三:
大丈夫です。
相談者:
うーん
加藤諦三:
もうちょっと・・きちんと、学ぶことを学んで、
相談者:
うん
加藤諦三:
適切な・・お医者さんを見つければ、
相談者:
はい
加藤諦三:
明るい日は来ます。
相談者:
うーん
加藤諦三:
今日はね・・こういう、問題では・・まことに適切な、アドバイスをしてくれる先生がいます。
相談者:
・・
加藤諦三:
幼児教育研究の、大原敬子先生です。
(回答者に交代)
自己啓発本をたくさん読んできた相談者さんが
まだ読んでない本をお勧めしてくれた回。
うちには加藤先生の本がありますが
おかげさまで今のところその数冊で間に合っています。
いつまでもお元気でいてほしいと
敬老の日に思いました。
仕事関係の相談は他の先生のほうがいいな
ご相談者さん、母なる愛を貰えて無かった方でしょう。
この歳になるまで本当に生き辛かったと思います。
形は違うけど似たような事でした。
今はありのままに生きる、言葉を、そのまま実践してます。大人でも甘えたいとき甘えて。
母なる愛を貰えた人が、どんなに生きるのが活気に満ちてるかも、分かるようになりました。この苦労も運命だけどこれを乗り越える醍醐味を味わって下さい。
まだまだ残された人生楽しんで下さい。
テレ人で「この本読んだことがある?」てのもすごいですね
読書家同士の会話としてはありですが
相談者、元々デザイナーか舞台演出の照明さんとかだったのかな
そちらの道を何かの事情で断念して営業にまい進したけど、何か満ち足りないものがあって、心に穴が開いてしまわれたのかな
思うに相談者さん、元々おられた美術の世界に未練があるんじゃなかろうか
転身するに当たって元の世界に踏ん切りをつけられたのだろうけど、やはりどこかに心残りがあって、それが営業成績でも自己啓発本でも埋められない心の穴になってるようにお見受けする
もしそうなら、市民劇団に関わられる、美術館巡りをされる、ご自分で創作活動を始められる等々、ご自身が本当にやりたかったことに再挑戦されてはどうだろうか