結婚34年の夫を失って2年。これだけの聞き取りで回答までなし得る加藤諦三
テレフォン人生相談 2023年2月6日 月曜日
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: マドモアゼル愛(心についてのエッセイスト)
相談者: 女64歳 夫は2年1ヶ月前に他界 子どもは独立している
今日のひとこと: 自分の人生の意味を知っている人は最も強い。フランクル
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
はい、こんにちは
お世話になります。
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
はい
加藤諦三:
最初に年齢教えてください。
相談者:
64歳、です。
加藤諦三:
64歳、はい
相談者:
はい
加藤諦三:
結婚してます?
相談者:
して、夫が、2年、1ヶ月ほど前に亡くなりまして。
加藤諦三:
はい
相談者:
夫が、亡くなった1年間は、お片付けとか、一周忌とかそういうので行事で、追われてて感じなかったんですけど、
加藤諦三:
ええ
相談者:
やることもなくなったし、お片付けも済んだら、家の中がほんとに広く感じてしまって。
加藤諦三:
ええ
相談者:
8ヶ月、ほど前から、孤独を感じてしまって、
「もうこのまま、行くんだったら死んだほうがいいなあ」ってつくづく思ってしまう日が、続いてて。
加藤諦三:
うん
相談者:
何もすることもないし、
加藤諦三:
うん
相談者:
友達もいないし、
加藤諦三:
うん
相談者:
子ども達も、それぞれ独立してますので、
加藤諦三:
うん
相談者:
もうわたしは1人なので・・「なんの為に生きてるんだろう」って、こ、とっても最近、怖くなってしまって、
加藤諦三:
うん
相談者:
それが悩みなんですけど。
加藤諦三:
結婚生活はどのぐらい続いてたんですか?
相談者:
あ、35年・・&#△%
加藤諦三:
35年間一緒に、暮らしてた人が、
相談者:
はい
加藤諦三:
他界したら・・
相談者:
はい
加藤諦三:
誰だって孤独感じますよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
むしろ、孤独を感じるほうが正常だとは思いません?
相談者:
・・そう、ですね・・はい
加藤諦三:
で、孤独を、紛らわすために、いろんなことやる人がいるわけですよ。
相談者:
はあい
加藤諦三:
孤独の消極的・・解決っていうことを言いますけれども。
相談者:
ああ
加藤諦三:
例えば、中にはお酒を飲んで、
相談者:
ああ
加藤諦三:
アルコール依存症になる人もいるわけですよね?
相談者:
あー、はい
加藤諦三:
だから、依存症になるなんていうのは・・その原因を辿って行くと、孤独なんてことがあるわけです。
相談者:
あー
加藤諦三:
だけどあなたの場合は・・
相談者:
はい
加藤諦三:
ごまかしていないですよね?
相談者:
そうなんですねえ・・
加藤諦三:
「孤独を感じました」と、
相談者:
はい
加藤諦三:
正面から
相談者:
はい
加藤諦三:
孤独と向き合ってんです、今。
相談者:
はい、はい
加藤諦三:
人間は誰、でも、こういう対象喪失っていう、自分の愛する対象を失うという経験&#・・あるわけですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
それで、対象喪失した物は・・
相談者:
はい
加藤諦三:
対象喪失の仕事を、完遂しなければならないっていう・・言葉があんですね?
相談者:
あーあ
加藤諦三:
そこで、ごまかしちゃう人と、
相談者:
はい
加藤諦三:
正面から・・これと向き合う人。
相談者:
はい
加藤諦三:
それは最初はね、否定する気持ちがあるんですよ。
相談者:
ふん・・
加藤諦三:
失恋なんかで、「あんな女に、俺は未練はない」って言ってみたり。
相談者:
はい
加藤諦三:
孤独に、向き合わないことで、
相談者:
はい
加藤諦三:
逃げて行く。
相談者:
はあ
加藤諦三:
だけど、一番正常なのはね?
相談者:
はい
加藤諦三:
孤独と正面から向き合って、「自分は、失ったんだ」と。
相談者:
はい
加藤諦三:
これを認めることなんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
だけど、これは物凄く大変だけど、これをやらないと、
相談者:
はい
加藤諦三:
次の再生がないんですよ。
相談者:
ああー、失ったんだ。・・
加藤諦三:
・・そう、失ったんです。
相談者:
はい、確かに失ったんです。
加藤諦三:
それで、これを認めると、
相談者:
はい
加藤諦三:
この苦しさの中から、
相談者:
はい
加藤諦三:
新しい、人生が、
相談者:
はい
加藤諦三:
芽生えて来るわけですよ。
相談者:
ええー?!(ため息)
加藤諦三:
絶望っていうのは、
相談者:
はい
加藤諦三:
古い、世界からの出口で、
相談者:
ああ
加藤諦三:
新しい世界への入り口なんです。
相談者:
ああ
加藤諦三:
だけど、幸せなる1つのプロセスだというふうに捉える・・人と、
相談者:
はい
加藤諦三:
乗り越えられない人といるんですよ。
相談者:
はい・・
加藤諦三:
あなたの場合は正直なんです。
相談者:
はあ
加藤諦三:
「友人もいない」というふうに、
相談者:
はい
加藤諦三:
正直に言ってるわけです。
相談者:
はい
加藤諦三:
ここで、現実否認といって、
相談者:
はい
加藤諦三:
わたしには友達がいるっていうふうに、
相談者:
はい
加藤諦三:
この、辛い時期をごまかしちゃう人がいるわけですよ。
相談者:
あー、はいはい
加藤諦三:
そのごまかす人たちが、
相談者:
はい
加藤諦三:
いろんな、カルト集団に入るわけです。
相談者:
ああ、そうなんですか。
加藤諦三:
テロリストなんかも、皆そうですよ。
相談者:
あー、じゃあ、わたし危ういですねえ?なんか・・
加藤諦三:
今、すごくあなた、
相談者:
危ない!
加藤諦三:
危険な土台の上に立ってるんです。
相談者:
そうなんです、おっしゃる通りです。
加藤諦三:
世の中の悪い、人たちが、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたを、騙そうと思えばすぐに騙せるんですよ。
相談者:
そうなんです、よって来ました、ほんとに確かに。
加藤諦三:
このお金、寄付したら、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなた天国・・に・・
相談者:
あ、おっしゃる通りです。はい、言われました。
加藤諦三:
もう今、生きてて、苦しいわけですから、
相談者:
はい
加藤諦三:
霊感商法で・・
相談者:
うん
加藤諦三:
紙くずみたいな物を・・
相談者:
はい
加藤諦三:
何万円で・・
相談者:
そうでしょうね。
加藤諦三:
うん・・だからあなたはね?
相談者:
はい
加藤諦三:
今・・自分の人生の、苦しみを・・
相談者:
うん
加藤諦三:
乗り越えなきゃならない。乗り越えるためには・・まず何よりも・・
相談者:
はい
加藤諦三:
自分自身であることなんです。
相談者:
自分自身であること・・
加藤諦三:
今までは、
相談者:
うん
加藤諦三:
親から・・認めてもらうために頑張って来た。
相談者:
はい・・そうです。
加藤諦三:
そうやって頑張って来たんだけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
それは親に認めてもらうために頑張ったんです。
相談者:
そうです。
加藤諦三:
だけどそれは、自己の内なる力は破壊しちゃってんですよ。
相談者:
あ、そうですね。(チャイム音)
加藤諦三:
だから今、あなたは・・
わたしは本当に興味のある物はなんだろうか。
相談者:
あー
加藤諦三:
この自己の内なる力を開発する・・ときに来てんです。
相談者:
64歳でも、スタートは切れるんでしょうか?
加藤諦三:
・・あのね?
相談者:
はい
加藤諦三:
Never Too Late to Be Happyっていう言葉があんですけれども。
相談者:
はい
加藤諦三:
幸せになるのに、遅すぎるということはない。
相談者:
はああ・・
加藤諦三:
64歳は・・
相談者:
はい
加藤諦三:
若いですよ。
相談者:
ああ(ため息)
加藤諦三:
でね、今日はあのスタジオに、心についてのエッセイストとしてお馴染みの、マドモアゼル愛先生がいらっしゃるので、伺ってみたいと思います。
(回答者に交代)
夫が亡くなって孤独の奥様、元気出してね。
私なんぞ、モラハラ夫と縁を切り早くお一人様生活したくてたまらないので、純粋に夫が亡くなって悲しいって言える奥様が羨ましいような、尊いです。
絶望は未来の入口と加藤先生のお言葉は胸に滲みますね。
始まりは終わり、終わりは始まりだかなんとかシェークスピアが言ってたような。
まだまだ若い。しっかり喪に浸かったら、素敵な夫との思い出大事にして次の扉開けて下さい。
この相談をリアルタイムで聴きながらTwitterを見ていたら、辛辣なツイートだらけでドン引きした。子供にも友人にも明かせない、微妙な心の動揺だからこそ、テレ人に掛けてきたんじゃないの?霊感商法だの宗教だのに走る前にテレ人へ電話したのは良策だし、テレ人はこういった所で役に立ってる。相談者が冷笑主義蔓延るSNSを見てないことを願う。
もし体調などに問題がなかったら、社会保険付きフルタイムでの仕事に復帰してもいいのではないかと思います。64歳、まだまだ若いですから。
遺族年金も額は知れていますし、働けるところまで頑張って働いて老後の準備も多少して欲しいためですが、余生をしっかり全うして欲しいです。
私もこの相談者と同世代で、夫に先立たれましたが、本音はセイセイしてて毎日楽で仕方有りません。私は働いていることが今の生き甲斐になってます。寂しい気持ちもお察ししますが、この人も何か楽しみを見つけられるといいですね。
同じ気持ちです。
うちは30年に満たなく、そこそこ仲も良かった連れ合いに先立たれましたが
子どもが独立したら、独居パラダイスですよ!
平日の仕事休みの朝に、モーニングめぐりという趣味をみつけてお友だちもできました。
相談者さんもご主人への思慕はそのままに、趣味や仕事に前向きになれたら良いですね。
羨ましすぎます。
モラハラ夫との定年後を考えると辛すぎ。頑張ってみます。
弱った人を嗅ぎつけるのがそこにつけ込むのが上手い人は神出鬼没なんですね。
相談者さん、自分が寂しいからとお子さんにちょっかい出さないだけ偉いと思います。テレ人には孫を勝手に心配する系の相談多いので。
何か趣味とか没頭できるものがあればと思いますが「時薬、ときくすり」が一番効果あるかな。
あんまり悲しみ過ぎると、まるで『出逢わなければ良かったの?』みたいになってしまいますよ。(そんな歌詞ありましたね)
最近しみじみ、何であれ失う事が出来るのは恵まれた証と言えるなぁ…と思います。
得る事が出来た!だからこそ失う体験も出来る、世の中には様々な「得られなかった辛さ」も沢山あります。
また、不幸を味わい尽くす事に絶大な効果がある事は自分も自信を持って保証します!
天を仰ぎ地を掻きむしって嘆き尽くす、呪い尽くす、それを他人には決して決して覚らせない(ここが肝心、と思います)。
すると心の地獄の果てが来て、自然に『よ~し不幸な状況を楽しんでしまえ!運命よ、かかって来い!次はどんな苦しみ寄越すんだ?負けないからな!』と口走っている自分が居ました。
悲しみや無念さが完全に消える事はありません、だから悲しいままでもいいのです。
が、生き抜く為には何とかして悲しみと仲良くするしか無いですよね。
悲しみ自体は敵ではないんです。
突然降って湧いて来た別れ。亡くなってしまった相手ならどんなに苦しみ悲しんでも時間というものが味方してくれる気がする。でもまだ同じこの世にいる相手からの別れは苦しみ悲しみよりも憎しみの方が優っていていつになったらこの醜い苦しみから解き放たれることができるのか…相手がこの世から消えて居なくなってくれれば少しは楽になれるのか…。
私は今66歳です。去年夫が69歳で亡くなりました。本当に辛いです。お気持ちはよくわかります。特に買い物に行った時夫婦連れを見ると涙が出ます。年月が解決してくれると周りはいいますが本当に辛いですよね。お友達になれたらいいなぁと思いますね。
こればかりは同じ境遇の方にしかわかって貰えないと思いますよ。