円熟期の税理士の人生急転。外出もままならぬ施設で募らせる外界への憧れ
テレフォン人生相談 2024年11月28日 木曜日
相談者: 男62独身 父は7年前に他界 母89と共に同じ施設に暮らす
柴田理恵:
もしもしい?、テレフォン人生相談です。こんにちは。
相談者:
あ・・よろしくお願いします。
柴田理恵:
はい。今日はどんなご相談ですか?
相談者:
仕事から離れて、かなり、年月が経ってきて。自分で、どうしたらいいかわかんなくなってきちゃったんですね。
柴田理恵:
あー、はいはい。あなたおいくつですかあ?
相談者:
62になります。
柴田理恵:
ご結婚はなさってるんですか?
相談者:
いや、結婚したこと、ありません。
柴田理恵:
(吸って)で、今は、じゃあ・・ご両親とかとお住まいだったりするんですか?
相談者:
うちの父は、
柴田理恵:
はい
相談者:
あのう、7年前ぐらいにもう、亡くなりまして。
柴田理恵:
はい
相談者:
そのあと、おふくろの面倒みてたんですけれども。
柴田理恵:
はい
相談者:
2人で一緒に、老人ホームに入ろうと思って、今、老人ホームにいますね。
柴田理恵:
お母さん、とお?
相談者:
あの、別の部屋ですけどね。
柴田理恵:
あなたも?
相談者:
はい、そうです。
柴田理恵:
ああ、はあはあ・・じゃ今、ご自宅というよりも、施設にいらっしゃるってことなんですね?
相談者:
そうですね。自宅はもう売却しまして、
柴田理恵:
はい
相談者:
そのお金で、
柴田理恵:
うん
相談者:
ここの暮らしを、立てている、状況ですね。
柴田理恵:
あ、わかりました。・・ それでえ、今日のご相談は、お仕事、から、離れて、年月・・が、経、って・・っておっしゃってるんですけど。じゃあ、いつまでお仕事なさってたんですか?
相談者:
5年ぐらい前まで、仕事はしてましたね。
柴田理恵:
じゃあ、その・・入居されるまで、どうしてらっしゃったんですか?
相談者:
入居したのは、
柴田理恵:
うん
相談者:
4年ぐらい前ですけど。その前に、病院にいたんですね?
柴田理恵:
はいはい。
相談者:
はい
柴田理恵:
病院は、どういう病院ですか?
相談者:
最初の病院は、
柴田理恵:
うん
相談者:
あのう、倒れちゃったんで、それを、治癒するような、病院ですね。
柴田理恵:
じゃ・・お仕事をしてらっしゃる時に、倒れて入院なさったってことなんですね?
相談者:
そうですね。
柴田理恵:
あらあ、もう、はいはいはい。
相談者:
で、それから、
柴田理恵:
うんうん
相談者:
リハビリ病院に移って、
柴田理恵:
はい
相談者:
暮らしてたんですけど。
柴田理恵:
はい
相談者:
それで、まあ、良くならないもんですから、
柴田理恵:
はい
相談者:
老人ホームに移転するようにしたんですよ。
柴田理恵:
ああー、体とかが今ちょっと、不自由だったりなさるんですか?
相談者:
右手の動きが、ちょっと良くないですねえ、やっぱりね。
柴田理恵:
ああ、はあ、はあ、はあ。
相談者:
はい
柴田理恵:
それで、今、ホームに入られて・・それで・・どう、なさったんですか?、その、お仕事っていう・・
相談者:
仕事はもう、辞めちゃったんでえ、やってませんからあ。
柴田理恵:
はい
相談者:
毎日、この部屋で、テレビみたり・・老人ホームが主催する、
柴田理恵:
うん
相談者:
あの、イベントがあるんですけど、
柴田理恵:
はい
相談者:
そこに参加したりしてるんですよね。
柴田理恵:
はい、はい。
相談者:
・・
柴田理恵:
それで?・・
相談者:
・・いやあ、毎日が苦しくて、たまんないですね、やっぱり、あの・・
柴田理恵:
あ、あ・・
相談者:
外出ができないもんですから。
柴田理恵:
あっ・・そこは、外出しちゃいけないんですね?
相談者:
あの、僕には、後見人と◆#$て、
柴田理恵:
あん
相談者:
弁護士が2人ついてるもんですからあ、
柴田理恵:
はいはい。
相談者:
彼らの、許可がない限り、勝手な行動できないんですよ。
柴田理恵:
はい。(吸って)じゃあ、後見人の方、に、お願いして。その、「外出・・許可みたいなのを取ってください」っていうのは、言えないんですか?うん・・
相談者:
友達が来て、くれて、
柴田理恵:
うん
相談者:
一緒に連れ出してくれれば、外出はできますね。
柴田理恵:
ご自分では無理なんですか?
相談者:
体の動きがいまいち良くないから、
柴田理恵:
う、ん・・
相談者:
やっぱり、完全に、自分1人で生きていかれるっていうことが、
柴田理恵:
うん・・
相談者:
許可おりないんですよ。
柴田理恵:
あー・・なるほどねえ。
相談者:
うん、うん。
柴田理恵:
あの・・歩いたりするのは大丈夫なんですか?
相談者:
大丈夫ですねえ。
柴田理恵:
うん。
そこで何かできる仕事みたいなことはないんですか?
相談者:
ここでは仕事は無理でしょうねえ。
柴田理恵:
でもほら、 右手の、動きが良くない・・だけでえ。なんていうか、映画みたり、こう、音楽聞いたり、そういうことはもう、全、然、できるわけですしい。色々、本も読んだりもできますよねえ。
相談者:
うんん(ため息)・・でも、読んだことはないですけど、全然本に向かえないからね・・やっぱり。
柴田理恵:
どうして?
相談者:
いや、読む、気に、なれないんですよ。
柴田理恵:
はあああ。
で、今日のご相談としては、どういったことなんですか?
相談者:
やっぱり独り立ちをしたいんですけど。なかなか・・弁護士が、2人いますから、なかなか許可が下りないんで。このままで行くのは、すごい、不安でしょうがないんですよね。
柴田理恵:
じゃあ、あなたは、そこの・・老人ホームを出て、またもう一度、お1人で暮らして・・仕事を、
相談者:
ああの、あのう、かい・・
柴田理恵:
していきたいなと思ってらっしゃるんですか?
相談者:
介護をするよ、ような。もっと、自由な老人ホームがあるみたいですから、そちらに・・おふくろがもし亡くなったら転院することを考えてんですよ。
柴田理恵:
はあ・・はい。
相談者:
ここの老人ホームじゃなくてね。
柴田理恵:
・・その時に、は、別に・・でも、仕事をしないですよね?
相談者:
やっぱりもうできないですからねえ。
柴田理恵:
ふーん・・でも、ここにいるしかないですもんね。この先どうしてったらいいか?ってことですかね。
相談者:
そうですね。やっぱり、おふくろが亡くなった後のことが、不安でしょうがないですね。
柴田理恵:
(吸って)おか・・
相談者:
やっぱり・・
柴田理恵:
おか・・
相談者:
この老人ホームから、外に出た方がいいかなと思うんですよ。
柴田理恵:
うんんん・・
相談者:
許可がないと、出れませんけどね?
柴田理恵:
お母様は、おいくつですか?
相談者:
89になりますね。
柴田理恵:
はい。んで・・あなたは、この、お仕事は、その前のお仕事は、何をされてたんですか?
相談者:
あの、税理士の仕事をしてました。
柴田理恵:
それを生かすう、方法なんて・・(吸って)やっぱできないですかねえええ・・
相談者:
ないですね。あのう、
柴田理恵:
うん・・
相談者:
だから、今あるお金で、生活していかなきゃいけないと思ってるんですけど。
柴田理恵:
その・・後見人の弁護士さんたちが、お金のことも管理してくださってるんですか?
相談者:
そうですね。
柴田理恵:
うんふん。
その人たちと相談するっていうのはどうなんですか?
相談者:
・・ううんん(ため息)・・まあ、1回会って、ご相談しなきゃいけないんだと思いますね、やっぱり。
柴田理恵:
ううんんん・・
相談者:
うん
柴田理恵:
じゃあ、何かもっといい、アイデアがあるかどうか・・先生に訊いてみましょうか。
相談者:
はい
柴田理恵:
今日の回答者の先生は、弁護士の、大迫恵美子先生です。先生、お願いします。
(回答者に交代)
母が居なくなったら1人
・・・って、結婚しなければ当然最後は1人ですよ。
脳梗塞を発症して後遺症が残ってしまったのですね。
成年後見人、なぜ?付けたのだろう? 身内に保証人が居ないなら成年後見人を付けないと老人ホームには入れません。と言われたのかな?
財産が有ったのなら何か手段は無かったのかな?と思ってしまいます。
旅行に行きたい。といっても多少歩くことが出来ても、ご自分1人で動けないのなら、そもそもできませんよね。
せめて老人ホームにもネットとパソコンがあれば楽しみが見つけられるのに・・・不可能ですものね。
考えても考えても無力感しか湧きませんね。
税理士ほどの方なのに、成年後見人について調べ無かったのかな? 調べる時間的猶予、身体の不自由さが有ったのかな?
成年後見人は本人も家族にも、金額的自由は全て無くなります。財産の範囲で生きていけるだけです。
「そうですか〜」
ここまで連発されると、バカにされてるみたい(-。-;
大迫先生の今日のお言葉は私の心にも静かに沁みました。
「足るを知る」、「今日がいちばん若い日」
感謝と笑顔で日々生きて行きたい‥‥。
籠の鳥のような今の生活は退屈だから「自由になりたい」、「旅行にでも行きたい」。
今の生活に不満があるのは分かる気もしますが、籠の外の世界が鳥にとって安全で幸せかというとそうとも限らず、自由ゆえの苦しみや悩みが必ず待ち受けています。今の相談者がそれに対処できるのかと言えば失礼ながらいろんな面で覚束ないでしょうね。自由を渇望した人がいざ本当に解き放たれるとまず依存先を探し始めるというのもよくある話です。
まずはお二方が仰る通りの対処で様子を見る、そしてお母さんをしっかり看取ってあげることが先か?
お寺というか、お墓のことも気になりますが、3人ともしっかり供養できるよう、それも話し合って。
いっちゃんおいしいHBC さん
母を坊さんを呼んで弔うことも、墓を建てることもできないと思います。
相談者には成年後見人がついて財産管理しているので。
ブルジョワやん。
できる範囲で社会貢献でもしたらどうでしょう。
相続間近のジジババに囲まれてるんだから、適法な範囲で相談会でもするとか。
高次脳機能障害
典型的なケースですね
脳血管障害の発症や頭部外傷を期に、ある日突然、これまでの日常生活が絶たれてしまう
タイトル通り、年齢的にも彼は税理士としてまさに円熟期
稼ぎ頭で蓄財もして親の面倒もみて
充実した毎日のさなかに起きてしまった不幸
人並みの感情や本能的欲求、身の回りのことをこなす能力や身体的な機能はたもたれている
だから、なおさら、悲しい😢
彼に妻や子どもがいたら、状況は大きく違っていたかもしれない
愛情といたわりをもって親身になって彼の要求に寄り添ってくれる誰かがいたら…
成年後見人がついて、衣食住満たされて財産は守られても幸福感や満足感とはほど遠い人生がこれからも続くのかな
常々思うのは、脳のダメージを抱えながら生きるのはとても過酷で残酷
本人も周囲も解決策なんて見出せないけど、大迫先生の回答は淡々としてるようで労りに満ちていたように感じました
この放送を聞いた彼の周囲の誰かが後見人にかけあって、彼の望みが少しでもかなうように、動いてくれるといいなぁ
なぜ、89歳のお母さんの死後が不安なのか、よく分からない。
89歳ならいつ命を落としても、何の不思議も無い。
お金はいっぱい持っているので、若返る事が出来ると
踏んでいる相談者。
そう簡単には若返りは出来ないと思われる。
後見人は、変えられないのかなぁ。親身になって、お金持ちなら、ボランティアや介護付きの旅行の手配、年一回でも、半年に一回でも、してあげられないのかな。
夫婦で老人ホームに入る人はよく聞くが親子で入所は新しい…最先端ですね…!でもそれもお金の心配をしなくていいからこそ出来る荒業。
でも相談者さんの話を聞いて、何の不安もないと言うことは実は最大の不安なのだと言うことが分かりました。日常に多少の不自由さ煩わしさは人生に彩りをもたらすのですね。
分かる気がする
この人の気持ち
お母さんが亡くなったらって、すぐの話なんだろうけど、それって怖すぎるんだろうな
税理士だったとか、遺産が沢山あるとかより、この先どうやって生きていく→ 死んでいく、かの話とお母さんの話が頭の中で絡まっているんだろうな
さりとて外に連れ出す友も無し
胸が痛くなってしまった
友達の付き添いが有れば外出できるのなら、何らかの有償サービス利用すれば良いのでは?
こんな時、奥さんやお子さんがいれば…と思いますが、それこそ今まで十分な自由があったのでしょうね。
お元気であればまだ現役でお仕事も出来る世代の相談者さん
ご病気になられ現実と将来を見据えて施設暮らしを選ばれたものの思うようにならないことや不安な思いが重なり、悶々とされてるんですね
旅行となるとリスクもあり身体的にかなりの負担もかかりますが、ちょっとした外出ならガイドヘルパーさんや有償ヘルパーさん等にお願い出来ますよ
施設のある街をぶらぶらお散歩したりカフェに立ち寄ったりお店を覗いたり気晴らしが出来ると考え方も変化されるのではないでしょうか
病気の前は仕事もそれなりにこなし、社会的にも、信用される士業についており、資産も築いた。結婚はしていないけど、それなりに充実していたんだろうな。病気で一転した人生と老いた親、外出も自由に出来ない我が身。健康ならまだ現役で働いていただろうに。気の毒だ、本当に。相談して、少しは気が晴れた事を願わずにいられない。
物心ついたころから障害のある方は、元々そういうもんだからと思って受け入れられるそうだし、実際そういう方に何人もお会いしてきた
ただ、中途で障害を負われた方は、元々できたことができなくなった喪失感と絶望があるから、「障害のある自分」を受け入れるのがとても難しいという
仮に自分がある日突然…と考えたら、泰然と受け入れられる自信はない
この相談者さんも、女性には縁がなかったにせよ、ある程度の稼ぎがあって、自由に暮らせていたのが、病気を機にすべてが暗転したわけで、それを受け入れられないし、また前を向くにはいろいろと状況が深刻なんだろうな
脳梗塞の半身マヒだけで成年後見人がつくとは思えないし、55スマさんのおっしゃるとおり、高次脳機能障害の後遺症も相当程度ありそうだ
お金の管理や行動の判断を含め、一人暮らしはおろか、一人で外出するのは傍から見て危険な状況なんだろうな
それでも、ある程度頭はしっかりしてるぶん、自分へのもどかしさと将来への絶望を感じるんだろう、お気の毒としか言いようがない
大迫先生の仰ることはまさに正論、老いであれ中途障害であれ、自分の現状を受け入れてできることを探さないと、前向きにはなれない
ただ、相談者はまだ失ったものを受け入れられる状況ではなさそうだ、途中から声がわなわなしてたし
いつの日か、今ある状況を受け入れられて、心穏やかに暮らせるようになれることを祈るばかり