（再びパーソナリティ）

加藤諦三：
そのとおりで、

相談者：
はい

加藤諦三：
今、大原先生が妻に関心ないって言いましたけども、

相談者：
はい

加藤諦三：
あなたは、別に妻に関心ないばっかりじゃなくて、妹にも、お母さんにも関心ないんですよ。

相談者：
ま、そうなりますね。

加藤諦三：
誰にも関心ないの。

相談者：
はい
それはありましたね、やっぱりね。
面倒くさいって格好ありましたから。

加藤諦三：
だから、あなたの話を聞いてますとね、

相談者：
ええ

加藤諦三：
全部、何の問題もないという、ことになる・・

相談者：
ええ、そうなってしまいますね。

加藤諦三：
だけど、すごい問題抱えてんですよ。
現実は。

相談者：
ああ、はい
自分でだけ問題ないと思ってたんでしょうかね？

加藤諦三：
だから、そこが一番困るの。

相談者：
そうですね。

加藤諦三：
問題あっても、問題あると分かってる人はいいんです。

相談者：
はい

加藤諦三：
分かってなくてもいいんです。

相談者：
ええ

加藤諦三：
一番困るのは、分かってないのに、分かっていると思っている人なの。

相談者：
はい

加藤諦三：
あんた、このタイプなんだよ。

相談者：
うーん

加藤諦三：
おそらく、色んなことであなた心に問題抱えている。

相談者：
はい

加藤諦三：
で、おそらくそれは、僕は、あなたの今、住んでいるお母さんとの関係だと思ってる。

相談者：
ああ

加藤諦三：
お母さんから、ほんとに関心持たれたことないんじゃないのかな？

相談者：
そうですね。
それは、持たれたことないと思いますね。

加藤諦三：
お母さんから、ほんとに関心を持たれたことがないんです。

相談者：
・・

加藤諦三：
その結果、自分にしか関心がいってない。
これは奥さんにとっては、極めて耐え難い状況ですね。
コミュニケーションできないから。

相談者：
うーん

加藤諦三：
だから、自分はほんとうに、小さい頃、自分のことにほんとに関心持ってくれた人いないんだ。
そいで、自分は、自分の世界に、閉じこもって、自分を守ることしか考えてなかったんだ。
そこに気がつくことが原点で、それに気がつけば、奥さんと妹の関係は、無い、ことになります。

相談者：
ああ・・

加藤諦三：
ですから、今日の僕の回答はですね、

相談者：
はい

加藤諦三：
お母さんとの関係をしっかり、見つめ直してください。

相談者：
はい

加藤諦三：
よろしいでしょうか？

相談者：
はい

加藤諦三：
はい、どうも失礼します。

相談者：
分かりました。
はい、ありがとうございました。

加藤諦三：
男が男になるのは、母親からの自立です。

’（内容ここまで）

そっか。
鈍感男ってのはただの鈍感男と思ってたんだけど、自分にしか感心がないのね。

今日の大原さんの話は、そんな男性向けの女性の心のつかみ方　入門編ってとこかな。

ほんとに、よくあるシチュエーションなんだけど、例えば、

男　「その荷物、俺持とうか？」
女　「いい、大丈夫」

男はこれで納得して終わる。

「いいから、俺が持つよ」

この一押しが無い。
この一押しがあるかないかは、女にとって天と地ほどの差があるわけ。

 

要は、
目にするものしか、見えない。
耳にしたものしか、聞こえない。

 

相談者の答え方があまりにも素早くって、聞いてる方は調子狂っちゃうんだけど、

加藤　「（奥さんの）あなたや他との関係はどうなんですか？」

相談者
「別に問題ないです」
「うちの家内とお袋との関係も通常の関係です」

（笑）
これねえ、そんなキッパリ即答されても困るんだけど。
だって、１かゼロかで判断できないし。

普通だったら、日常の些細なすれ違いなんかも思い浮べながら、
「うーん・・そおですねえ・・特には・・」
と、自信なさげに答えるもんじゃない？

まさに、
加藤　「あなたこのタイプ(*)なんです」

(*)最悪のタイプ：　分かっていないのに分かってるつもりの人

 

そもそもだな、

• 嫁
• 同居の姑
• たまに来る同い年の義妹

この３者の人間関係に問題がないわけがねえだろ、旦那。
もう、見ただけで問題の宝庫だ（笑）

言っとくけど、相談者ごときが間に入って解決なんて出来ないから。
３０年間の歴史があるの。

誰が悪いっていうわけでもないしね。

母のプレゼントの一件にしたって、妹の真意は分からんけど、実の娘として別に悪いことしてないし、かといって、嫁の苛立ちは当然過ぎるし。

そこに流れる、びみょーな空気なんてのは、相談者は１ミリも気づかないんでしょ。

それをなに？
俺から言っておこうか？

はあ？
一体、何言うつもりなのよ。（笑）

「プレゼントはコッソリ渡せよ、うちのやつがいい気持ちしないし」

まさか、こんな感じ？
もお、お馬鹿としか言いようがない。

妻の妹への苛立ちは、そのまま相談者への不満なんだけど、結婚３０年、言ったってし方ないって諦めてんの。

大原女史のアドバイスを実践できればいいけど、察するっていう能力がない人だからねえ。

「ありがとうって言ってんのに、相変わらずイライラしてるよなあ・・」

てか。

 

自分にしか関心がない、それはナルシスト

加藤先生が最後に相談者と母親との関係に言及してたけど、勝手に補強しとく。

 

相談者がナルシスト？

今日の相談者の朴訥とした雰囲気（大原評）は、わたしたちが日常的に捉えるナルシスト像と真逆のタイプに見えるかもしれない。

だけど実は、ナルシストのいくつかの特徴のうち、最も象徴的なものを備えているのが今日の相談者。

それが、加藤氏が指摘した、自分にしか関心がない。

よく、「主人はすぐに”自分の世界に入って”しまう」というような相談を奥さんから受ける。
同じ場所にいても、自分とは関係のない世界に入り込んでしまうのである。
そういう人は、たいていナルシストである。ナルシストは心が空洞である。ゆえに外界に興味がない。
ナルシストの側に触れ合う能力がないのである
＜加藤諦三　心のかよわせ方＞

 

小さい頃は誰もが巨大なナルシズムを抱えている。
普通は、それが適切に満たされて、次第に他者に関心が移っていく。

ところが親がナルシストだと、そうはいかない。

 

ナルシストが育てるナルシスト

子どもの誇りに満ちた顔に、ナルシストである母親は関心がない。
ナルシストが関心を持つのは、”子どもが学校で何か賞をもらって、親である自分を凄いと思ってくれるか”どうかである。
あくまでも、関心は自分であって子どもではない。
子どもが喜ぶかどうかではなく、自分の子育てのうまさを人がどう評価するかである。
＜同上＞

 

今日の相談で、母親は、日常の世話をしてくれてる嫁よりも、誕生日プレゼントをくれる実娘がかわいくてし方がない。

娘はそうした母のナルシスト的性向を熟知している。
なぜって、自分もそうだから。

夫、姑、義妹。
このナルシスト３人に囲まれてしまった嫁の孤独感、徒労感、絶望感は言葉になんて出来るわけがないの。