自己実現を怠った人が40代で出る症状。無気力の本質を探る3択問題

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
え、もう、その通りです。
あのね、こ、これはあの、テレフォン人生相談の、時々言ってんですけどね。

相談者:
はい

加藤諦三:
話すことの癒しとね?

相談者:
はい

加藤諦三:
それからもう一つ言えば、まあ、世界的に、もう、認められて、注目されてきてるのは、

相談者:
はい

加藤諦三:
ライティングキュア(writing cure)っていってね、

cure: 癒(いや)し

相談者:
はい

加藤諦三:
書くことなんです。

相談者:
ああー

加藤諦三:
だから今日、

相談者:
はい

加藤諦三:
僕と大原先生に話したようなことを、

相談者:
はい

加藤諦三:
とにかく書いてきなさいよ。

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
で、その、書いて自分が分かってくることが自己実現なんです。

大原敬子:
そう・・

相談者:
ああ、そうなるんですか・・

加藤諦三:
ええ

相談者:
はい

加藤諦三:
それでね、あなたの今の症状。

相談者:
はい

加藤諦三:
「死んでしまいたい」、「意欲がない」

相談者:
はい

加藤諦三:
これは、自己実現をしないで、生きてきた人が、40代に出てくる症状なんです。

相談者:
はあ

加藤諦三:
仕事に対しても、家庭生活も、

相談者:
はい・・

加藤諦三:
何もかも、意欲がない、

相談者:
はい・・

加藤諦三:
死んでしまいたい。
自己実現を怠って生きてきた人が、40代に出る症状です。

相談者:
なるほど・・

加藤諦三:
だけど、それにはそれだけの自己実現してこなかった理由があるわけですから。

相談者:
はい

加藤諦三:
なんか、自信が持てない、自分だったわけですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
お父さんとお母さんの、関心を少し欲しいと思えば、

相談者:
はい

加藤諦三:
自分を偽って、

相談者:
はい・・

加藤諦三:
お父さん、お母さんの、注目してくれるような、

相談者:
はい

加藤諦三:
自分を演じていたわけです。

相談者:
ああ、なるほど、はい。

加藤諦三:
自分らしい自分、子供らしい、子供時代ってないと思いますよ、あなた。

相談者:
そう、かもしれないですね。

加藤諦三:
うん、お父さんとお母さんに、気に入られようとした、子供時代ですから。

相談者:
ああ

加藤諦三:
ですから、

相談者:
ああ、はい・・

加藤諦三:
今、話したような方法で、

相談者:
はい

加藤諦三:
話したような、結果が今のあなたですから、

相談者:
はい

加藤諦三:
これで、元気が出ます。

相談者:
はい、ありがとうございます。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
ありがとうございます。

加藤諦三:
小さい頃、愛されなかった人は、対象無差別に、人から、愛を求めます。

(内容ここまで)

よく使われるけど、分かったようで分からないのが、この自己実現。
アタシも体験的に人に説明することができない。

これ元々は西欧からの輸入品でself realizationの和訳。

マズローの欲求5段階説のナンバー5、最上位が自己実現だ。

(*)マズロー: アブラハム・マズロー、アメリカの心理学者 1970年没

人間の基本的な欲求を5つに立て分けて、低次から高次へと位置づける。
以下、低い方から順に、

  1.  生理的欲求
  2.  安全の欲求
  3.  社会的欲求
  4.  尊厳の欲求
  5.  自己実現の欲求

なぜか知らないけど、ビジネスの現場では、とても重宝されていて、マネジメントや経営の教科書にはよく出てくる。

欲求を5つに立て分けた後、マズローが何て言っているかと言うと、低次の欲求がある程度は満たされないと次の欲求ステージに上がれないということ。

だから、その人が居る欲求ステージを見誤ってはいけない。

ビジネスとかだと多少読み替えが必要になってくるんだけど、例えば、ステージ2の「安全の欲求」なんかは、雇用の安定と捉えてもいい。

すると、会社が従業員に、協調性(ステージ3)とか、ロイヤリティ(ステージ4)を高めてもらうには、その前にまずステージ2を満たす必要がある。

非正規社員を正規社員として雇用する今の動きは、まさに欲求5段階説そのものなわけだ。

もちろん、日本の元々の終身雇用制はマズローに教えられたわけでもない。

 

あるいは、ステージ4の「尊厳の欲求」は、ものの本によって「承認の欲求」とも書かれる。
フェイスブックが一気に世の中を席巻したのは、この承認欲求に見事に刺さったからだ。
だから低次の欲求が満たされている先進国でこそ普及した。

また、ステージ3の社会的欲求は、別名、「所属と愛の欲求」とも言われる。
アダルトチルドレンは、幼少期にこの欲求を十分に満たされずに大人になった人たちで、このステージに留まったままなのである。

今日の男もソレだというのが加藤氏の見立て。

社会から無理やり大人にさせられているけど、心理的欲求はまだ子どもで、だから大原さんの喩(たと)え話が水を吸うように入ってくる。

まずは、低次の欲求を自覚し、向き合わないといけないわけだ。

書けば分かる。
てか?

 

だけどなにも、マズローの説で全てが説明できるなんてことはない。
・・と思うんだな、これは私の個人的な感想ね。

欲求5段階説からいくと、自分の生存や安全が脅かされているときに他人のことなんて考えられないのは当然だということになる。

だから、大震災後の最中、抑制的で、略奪が起きない日本は不思議な人たちで、マズローさんも困る存在なのである。

 


自己実現を怠った人が40代で出る症状。無気力の本質を探る3択問題」への7件のフィードバック

  1. いつも放送に対する面白い考察楽しみにしています。
    天災大国日本ですら水や食料を買いだめに走る様なんかは当てはまっていると思いました。
    ただ、マズローさんの理論の不完全な点、腑に落ちない点は、科学的な裏づけが不完全なこと説明が感覚的にしかわからないことだと思います。それ以外は完璧な理論だと個人的には思います。

    1. ウッ、言われてみると浅すぎだわ。
      最後の日本人うんぬんは願いが入った ^^;

  2. とっても解りやすかったです。
    これで説明が付くなら文学は要らない。

  3. 私は、3と5が、この人にはないし、
    現代人に、一番重要なことだと思います。

    1、2、4は、追求しても限度があります。

    それより、限りある生を、3、5にどれだけ使えるか、
    だと思います。

    愛する家族がいて、自分らしく生きられれば、
    病気でも、金がなくても、危険でもいい。

    それが勇気を持って、自分の人生を生きることです。

    この人には、それがないのだと思います。

  4. 先日の豪雨で電車が止まり、名古屋駅には4時間以上人があふれかえっていましたが、混乱なくみんなガマン強くじっと待ってました
    とくにタクシー乗車の列!!まったく来る気配ないのに何百人が黙って待ってる。まあ、天候のことは誰にクレームつけても仕方ないのですが、すごいことだと思いました

  5. この頃の大原先生の回答は、凄く分かり易くて具体的で良いですね~~~。
    相談者さんのカウンセリングに成功して、視聴者の心まで軽くなった様な感じです。

  6. 自分もこの相談者の方と年も状況も非常似ていて、
    自殺で検索してここにきたので、とてもわかる話だと思いました。
    死にたい気持ちとわかってもらえることないんですよね、
    だから、検索するのですが

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