22年前に父が身を投げた家。瑕疵物件の告知義務はいつまで?
(回答者に交代)
塩谷崇之:
はい、こんにちはあ
相談者:
あ、お世話になります。
塩谷崇之:
はい。
親御さんから相続をした土地と建物を、処分をしたいということなんですね。
相談者:
はい
塩谷崇之:
えっとこれもう、あなたの名義になっている・・
相談者:
あ、もうあのお・・名義になっております。
塩谷崇之:
名義になってるわけですね。
相談者:
はい
塩谷崇之:
あ、なるほど。えっとですね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
これはあのお・・おー、心理的な瑕疵という風に、言われますね。瑕疵というのは、傷という意味なんですけれども、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
例えばそのお、物を売り買いした時にね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
パッと見で分からないようなね、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
傷がついてたと。
相談者:
はい
塩谷崇之:
で、え後で買い主が、
相談者:
はい
塩谷崇之:
あのそのことに気付かずに契約したのに、後になって、買い主がそれを見つけて、
相談者:
はいはいはい
塩谷崇之:
「これ、傷ついてるから」
相談者:
はい
塩谷崇之:
「やっぱり、いー、その、元々の、取引はなかったことにしてください」とか、
相談者:
はい、はい
塩谷崇之:
え、或いは、あ、「傷がついてるから、あー代金をもうちょっと減らしてください」とか、
相談者:
はい
塩谷崇之:
そういうことを、おー、言う権利がある、
相談者:
はい
塩谷崇之:
これを、あのお・・えー、売り主の方からあ、するとですね、そういう何か・・瑕疵があるもの、つまり何かこ、傷物をね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー、ま、訳あり物件って言ってもいいのかもしれませんけれども、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
そういうものを、ほー、譲り渡したり、貸したりする時には、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー、そのことによる、不利益を、ま担保しなくちゃいけないというね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
ことで、瑕疵担保責任という風に言われる責任を、
相談者:
はい
塩谷崇之:
ま売り主は負っているという風に、
相談者:
はい
塩谷崇之:
言われるんですね。
相談者:
はい
塩谷崇之:
で、通常は先程の、例えば、物に、傷がついていたとかね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
或いは例えば、車を売買したんだけれども、おー、車が、使い始めたらすぐ、うー、エンジンが壊れてしまったとかね。
相談者:
はい
塩谷崇之:
そういうような、ま、物理的な、瑕疵がある場合、
相談者:
はい
塩谷崇之:
に、この、お瑕疵担保責任ていうのが問題になるんですけれども、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー、不動産の場合などですね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
あ、こういう、自殺があったとか、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー何かそのお、取引社会の中でそれを、えー、そういうことを問題にする人がいる、うー、場合には、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それが、まその、目に見えない、瑕疵ということで、心理的な瑕疵ということでね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
売り主が、担保責任を、負う、
相談者:
はい
塩谷崇之:
うー、ことがあるわけです。
相談者:
はい
塩谷崇之:
担保責任を負うというのは、買い主の方から、
相談者:
はい
塩谷崇之:
あ「この契約を解除してくれ」とか、
相談者:
ええ
塩谷崇之:
或いは代金が高過ぎたから、あー「代金を減額してくれ」とか、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
言われてしまう可能性があると。
相談者:
はい
塩谷崇之:
まこれが、心理的瑕疵による瑕疵担保責任と言われるものなんですね。
相談者:
はい
塩谷崇之:
で・・これが何で問題になるかというと、
相談者:
はい
塩谷崇之:
取引の時に、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それが・・えー、明らかになってなかった、それが後になって明らかになるから問題になるわけです。
相談者:
はい
塩谷崇之:
ですからあ、ま、あの、今の日本の、不動産取引では・・え、そういう、うー、後々トラブルになることを防ぐために・・不動産取引をする時には、
相談者:
はい
塩谷崇之:
あらかじめ、そういう瑕疵がある場合には、売り主さんの方で、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それを、告知をしておかないといけないと、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
いうシステムになっていて、
相談者:
はい、はい
塩谷崇之:
特に、不動産は、まあ、価格も高いのでね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー、通常は、その、不動産業者が、間に入って・・え、そこに、あのお、宅建の、おー、取引・・いー、の、専門家の人がね、ま、重要事項の説明といってね、
「この建物には、こういう、うー、ちょっとした問題があります」ということを、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
あらかじめ、
相談者:
はい
塩谷崇之:
買い主さんに、告知をしておかないといけない。
相談者:
はい、はいはい
塩谷崇之:
まそういうルールになってるわけですね。
相談者:
はいはいはい
塩谷崇之:
で、えー、先程その、おー、あなたの方で、告知をしなければいけないという話が出てましたけれども、
相談者:
はい
塩谷崇之:
これは、あのお、不動産取引する場合にそれを告知せずに隠してね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー売るという、ことになると、後々、トラブルになりますし、
相談者:
あーはあはあ
塩谷崇之:
ま、それを防ぐために、いー、ま、間に特に業者が入ったような場合には、
相談者:
はい
塩谷崇之:
おー、この物件についてね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
え「特に買い主さんに、あらかじめ告知しておくことがありませんか」ということを、
相談者:
はい
塩谷崇之:
え間に入った仲介の業者さんとかから聞かれますんで、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えその時には、はー、ちゃんと正直に言っておかないと、
相談者:
はい
塩谷崇之:
ま、下手をすると、相手を騙してね、高い値段で売ったみたいな話になってしまいますんで、
相談者:
うーんと、ちょっといいですか。
塩谷崇之:
はい
相談者:
あのおー、ま、田舎の方やけ、そう、土地建物もそう、高くないんですよね。
塩谷崇之:
はい
相談者:
うん、そ、その前にもうやっぱり・・いー、んー、やっぱり言わないかんとですかね(苦笑)
塩谷崇之:
うん
相談者:
もう22年経っとるとですよね。
塩谷崇之:
はい、あの・・
相談者:
そ、それで、良ければもう、あのお・・お、そういうのが消えるんなら、建物・・崩して、土地だけ売りたいなとも、思うとるんです、そ、そういうことは・・可能なんですかね?
塩谷崇之:
あ、それはもちろん可能です。ですから、心理的な・・
相談者:
それは、それはやっぱり、言わないかんとですか?、お、こので、
「家が建ってる時に・・家族の者が、自殺しました」ていうのは、
塩谷崇之:
はい
相談者:
言わないかんとですかね?
塩谷崇之:
言っておいた方がいいですね。
相談者:
あー、な、な・・
塩谷崇之:
言わないで、
相談者:
何年経っても?
塩谷崇之:
言わないで・・ん、言わないでおいて後で発覚をするとお、
相談者:
はい
塩谷崇之:
結局・・うー、契約、解除されて、
相談者:
はい
塩谷崇之:
「代金を返してくれ」と、
相談者:
はい
塩谷崇之:
いう話になってしまいますし、
相談者:
はあはあはあ
塩谷崇之:
或いは後になって・・「1000万で、え、お金払ったけれども」
相談者:
うん
塩谷崇之:
「そういう事情があるんだったらあ、あー、1000万は高すぎるから」
相談者:
うん
塩谷崇之:
え「600万に」
相談者:
はい
塩谷崇之:
「減額してくれ」と、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
いうようなことを言われてしまう可能性があるので、
相談者:
あもう、それはもう・・時効とか、そういうのはないわけですね。
塩谷崇之:
時効というのはないんです。
相談者:
はい
塩谷崇之:
ただ、先程から申し上げてるように、これは・・心理的なものなので、
相談者:
はい
塩谷崇之:
一つはね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
そういうこと、まったく気にしない人もいるんですよね。
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
「自殺があった」といっても、
「いやそれは・・気にしませんよ」っていう人もいるかもしれないし、
相談者:
あー、まず、おらんでしょうね。
塩谷崇之:
うーん、そうでもないんですよね。
相談者:
あー
塩谷崇之:
はい
相談者:
そうですか。
塩谷崇之:
わたしも何回か、そういうの扱ったことありますけれどもお、
相談者:
はい
塩谷崇之:
買い主さんの方でね、例えばその・・住居として住むんだったらあ・・あーちょっと抵抗があるけれどもお、あのお、例えば倉庫にするとかね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
或いは別の使い方をするとかいうことであれば、
相談者:
はい、はい
塩谷崇之:
それほど抵抗がないっていう人も、いらっしゃることもありますし。
それから、元々そういう、何ていうんでしょうかね、えーとお・・え、
「幽霊とかそういうのは全く、わたしは信じませんから、そういうのは気にしません」と、
相談者:
はい
塩谷崇之:
いう方もいらっしゃいますんで、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それは、相手によりますんでね・・あのそれを、あのお、告知したから、絶対売れないということはない。告知してもそれを気にしないっていう人は・・必ずいますから、
相談者:
ええ
塩谷崇之:
ただ、あのお、
相談者:
ちょっと、あの範囲が狭くなりますねえ。
塩谷崇之:
相手の範囲は狭くなるんで、そうすると、相対的にどうしても、おー、値段は下がって来てしまうというのが・・まあ、
相談者:
あ、家をもう、崩しても同じですか、ははは(苦笑)
塩谷崇之:
ん、で、ですから家をね、えー、もちろん崩してもいいんですよ。
相談者:
はい
塩谷崇之:
えんで、崩すことによって、土地だけになればね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それだけ、そういう心理的な抵抗というのは、少なくなりますからあ。
相談者:
はい
塩谷崇之:
まあ、家を崩して、土地だけ、えー売るということにした方・・
相談者:
なっても、やっぱり、あ、「ここで、自殺をしておりますよ」ということはやっぱり・・んー、告げないかんわけですね、言わな駄目ですね。
塩谷崇之:
それでもやはり、そうですね、言っておかないとお、
相談者:
後々、問題が起きると。
塩谷崇之:
はい
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
これはやっぱり、人によっては、そのことをね、
相談者:
はい
塩谷崇之:
えー、家、家がなくても、この土地でそういうことがあったということをお、
相談者:
はい
塩谷崇之:
重視する人っていうのは出て来るかもしれませんし、ましてや今のあなたの話では、あのお、ま、単に、こう家からっていうんではなくて、その、崖、から飛び降り、たということお、ですのでえ、
相談者:
はい
塩谷崇之:
人によっては、その土地自体に、いー、何か凄くこう、抵抗を感じる人も、出て来るかもしれませんので、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
まそういう意味では、い、あの、建物を壊せば、それだけ売りやすくなるとは思いますけれどもお、
相談者:
あはい
塩谷崇之:
建物がなくなったから、あ、何も言わなくていいってことにはならないと思います。
相談者:
あーそうですか。分かりました。
塩谷崇之:
それとあと、まあ、もう一つはね、これ22年経ってますんでえ、
相談者:
はい
塩谷崇之:
それほど、気に・・しない、い、気にされない可能性が高いんじゃないかなとは思います。
相談者:
・・とは、おも、思うけど、やっぱり、気にする人は、やっぱり、あ、
「こういうことがあったじゃないか」とやっぱ、こう、突いて来て、値段を下げるということもやっぱ、あるわけですね。
塩谷崇之:
ありますねえ。
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
はい
相談者:
あーん
塩谷崇之:
あのお・・
相談者:
時効はないわけですね。
塩谷崇之:
時効はないですね。
相談者:
ははは(笑)
塩谷崇之:
あの、要・・するに、法律上ね、10年の時効とか5年の時効とかっていう制度がありますけれども、
相談者:
はい
塩谷崇之:
この心理的瑕疵っていうことについてはあ・・あのお・・何年っていうような形の時効があるわけではないです。
相談者:
あー・・あ
塩谷崇之:
ただ、時の経過によって・・それ、を、あのお、負担に感じる人っていうのは・・やっぱり、少なくなって来ると思いますんで、1年前に自殺があった建物よりは、20年前に自殺があった建物の方が・・心理的な瑕疵の、お、程度は軽いということになりますんで、
相談者:
ふん
塩谷崇之:
それだけ売りやすくはなると思います。
相談者:
分かりました。
塩谷崇之:
はい、ただこれをね、やはり・・あのお、言うとね、値段が下がってしまうんで言いたくないというお気持ちは分かりますけれども・・後でトラブルになる、特に不動産の取引っていうのは、金額もそれ高いですからあ、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
トラブルになると、やっぱり大変なんですよね、あとがね。
相談者:
はい、はい
塩谷崇之:
物の場合にはね、普通の、日常生活で使っているような物の場合には・・
「返品します」っていうようなことで、済みますけれどもお、
相談者:
はい、はい
塩谷崇之:
不動産の場合には、なかなかそういうことも、おー、難しくなって来ますし、
相談者:
はいはい
塩谷崇之:
そういうことを考えると、やはり、ま、言い方っていうのもあるとは思いますけれどもね、
「も、随分前のことですけれども、一応、こういうことが、ありました」と、
「こういう事件がありましたんで」
相談者:
はい
塩谷崇之:
「念のため、お知らせしておきます」というぐらいに・・話はしておいた方が、いいとは思います。
相談者:
無難ですね。
塩谷崇之:
はい。でまあ、「もう、昔のことだから全然そんなのは気にしませんよ」っていう人もいるかもしれませんし、或いは、建物が建ったままであったとしてもね、
「あ、どうせ、建物は建て替えますから、あー、構いませんよ」と・・いう人もいるかもしれませんし、
相談者:
はい
塩谷崇之:
ですから、どの程度ね、買い主が気にするかは分かりませんけれども、
相談者:
はい
塩谷崇之:
一応、あの、告知だけはしておく。これがまあ・・あのお・・後々のトラブルを避けるためには大切なのかなと思います。
相談者:
はい
(再びパーソナリティ)
宮司さんだったんだ!ほんとにその顔見せて欲しかったですね(笑)