カードローンの名義貸し。行政書士が集めも集めたバカ11人

(再びパーソナリティ)

今井通子:
お分かりいただけましたか?

相談者:
はい、分かりましたありがとうございます。

今井通子:
はい
それじゃ、失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございましたあ。

(内容ここまで)

出来た御仁だこと。
ベッドに横たわる弟よりも、自業自得の11人のバカの救済を第一に考えるなんて。

塩谷 その人たちってすべて承知してたんですよね?
兄  はいそうです

(笑)
アンタさ、その11人の中の一人でしょ?

 

行政書士の弟がやっていた本当の商売

 

まず先に、ちょっと補足しながら簡単に復習。

借り入れ明細は、
・弟本人の借り入れ 1,000万
・弟の知人15人からの借り入れ 1,700万
・弟の知人11人のカードローンを使った借り入れ 2,400万

作ったばっかのカードローンのキャッシングなんて最高利率。
で、当然ながら本人の借り入れにもカードローンを使ってるから、利息だけでも月3、40万。

もちろん、知人11人分の請求が直接弟に来ることはない。
でも弟の債務として認めないと、騙し取られたと言う知人らの主張を裏付けることになってしまう。

言い換えれば、債務として認めれば、詐欺罪は成立しない。
まあ、返済計画の実現可能性にもよるんだけど、返すつもりだったのが返せなくなったというだけの、単なる民事案件に過ぎないわけだ。

で、自己破産すれば弟の債務はチャラ。
でもこれは、あくまで弟と知人との間の債権・債務で、知人とカードローンとの間の債権・債務に何の影響も与えない。

自己破産の免責(借金の棒引き)においてはすべての債権者が平等で、特定の債権者だけに返済する行為は固く禁じられている。

だから、もし弟が誠意を見せたいのなら、自己破産成立後の手持ち資産ゼロの状態から、何の法的義務のない返済を、誠意を見せたい相手に自由に返済すればいいだけ。


ここまでが塩谷弁護士のレクだ。

 

知人らに同情できないのは、別に行政書士に愛の手を差し伸べたわけじゃないからだ。
当然、カードを作って渡す際に報酬を弟から受け取っている。

普通の脳ミソを持っていれば、利用限度額以下の報酬では引き受けないのだけど、眼の前の小銭に算数を忘れる人種が存在するということ。

それにしても、個人で11人のバカを探すのは大変。
弟の話が本当なら闇サイトかなんかの公募に応じた人たちのような気もする。

 

さて、
実は今日の相談はもう少し根深いものがスルーされている。

行政書士にファイナンスの知識がなくても不思議じゃないんだけど、それにしたって、他人のカードローンを使ってまで事業の延命を図るのは不自然極まりない。
車の仲介がそれほど思い入れのある事業か?

弟は自らの資金で仕入れていたようだが、たぶん店舗すら持ってはいまい。
こんな怪しげな仲介屋から誰がわざわざ好き好んで車を買う?

つまり弟の客は、その方法でしか車を手に入れられない人たち。
暴力団。

暴対法のあおりでオモテの業者は、暴力団およびその構成員と取引ができない。

さすがにスーパーマーケットが排除することは不可能だが、個人情報の提出が欠かせない銀行、不動産、自動車などでは素での取引がすこぶる困難になっている。

なので、これらが必要な場合、彼らは愛人を使ったり、フロント企業を使ったりして入手する。
弟はこれを商売にしていたわけだ。

早い話、車販売、転じて、車購入代行。

こんな商売、思いつきでゼロから立ち上げる人はいない。
おそらく弟は、行政書士としての業務の中でそのスジの人と出会い、頼まれて引き受けるようになった。

手順として、先に客から代金を受け取れば、まさに代行業で、弟はノーリスク。

客の方も、仲介に加えて、名義変更などの手続きをワンストップでやってくれる弟はすごく使い勝手が良かったに違いない。

ところが、積極的にか、仕方なくかは知らんけど、口コミで仕事を受けるうち、上客以外が混じるようになった。

「すまんけど今回だけ車の受取時に支払うことにしてくれへんか」
こう言われれば、弟はまず自分の資金で車を買わねばならない。

お金がないと言って断れば、
「金はこいつが用意するからアンタに損はさせん」
と、お友だちを紹介される。

で、車を譲渡した後、客は代金を支払わず、気づけばヤミ金からの多額の借金だけが残っていた。

これが法律家の端くれでもある行政書士が、脱法行為を犯してでも金策に走り回らねばならなくなったストーリー。
まあ、細かなことは別にして大筋こんなところ。

 

さらにだ。
2週間前の交通事故だってタイミング的にどうよ?

カタギの客なら、代金を払わないんだから、車を返してもらえば
被害は最小限で済む。
でも相手が相手。
てか、最初からその計画だし。

もしかしたら、弟は本気で車を差し押さえる姿勢でも見せたのかもしれない。

結果、交通事故。
(笑)

警察に駆け込むべきは、カードを借りた11人どころか、他ならぬ弟本人なのだが、行政書士としてあるまじき行為、裏社会のしがらみ、身内も含めた報復・・

 


カードローンの名義貸し。行政書士が集めも集めたバカ11人」への4件のフィードバック

  1. 管理人さんの面目躍如たるコメントに納得した回でした。
    恐い世界ですね。 田中圭とかがやって来て解決してくれないですかね。「この、ビッ○レが~」って。

  2. 考察を読ませて頂きました
    なるほどなぁ。確かに
    とすると、この兄貴の本当に相談したい事は
    ”怖い”、”不安”そっちの現状でしょうか
    正直に隠さずストレートに打ち明ければ道が見つかるでしょうに
    なぜつまらない見栄をはるのか?
    もちろん推測ですけど・・二週間前に重傷事故・・恐ぁ・・

  3. 管理人さんの考察が無ければ、全く状況が理解できませんでした。関わってはいけない人と関わるとこう言うことになる。命と引き換えに払えと云うことかとゾッとしました。

  4. 今回のキレッキレの考察に感嘆しました。士業の方がわざわざ他業種に、しかもインフラが多額掛かる業種になぜだ、と思っていたら‥そういうことですね。相談者が曖昧にした理由も、相談者自身も名義人を貸した一人だから。相談者兄弟にしてみれば、命狙われることよりも警察からの罰が怖いのでしょうかね。

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