要介護の母を看つつ財産を管理する娘が悩む、口を挟む兄を制する出費の水準

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
あなたがお兄さんと仲良くすることが最大の親孝行ですからね?

相談者:
そうですね、◆#$%□

加藤諦三:
ええ、はい、どうも失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございましたあ。

加藤諦三:
仲良いことは、大きな財産です。


(内容ここまで)

支出の記帳も必要ない。
裁判所も用いている比較方式という対価の算出

 

アタシの父は脳梗塞を発症して右半身に障害が残ったものの、当初は自宅で暮らしていた。

それを可能にするために自宅には補助金を使って可能な限り手すりを設置。

それでも、再発してから要介護3となって、施設を頼ることにした。
理由の一つは用足しだ。

日中ベッドで過ごすとはいっても、トイレには行かないといけない。

手すりさえあればなんとか一人で歩けるのだが、壁の切れ目はどうしたってある。
何より最後の方向転換して座るところが難所。

つまり、トイレのたびに介添えが必要なわけだ。
女にとっては重労働で、介護者の多くが腰をやるのも納得。

これが要介護3の現実。
ある意味、完全寝たきりとなる要介護5よりも介護の負担は大きいかもしれない。

オムツという方法もないではないが、これは一つは尊厳の問題。
当然本人が嫌がる。
オムツを履くことをじゃなくて、オムツに排泄することをだ。
オムツはあくまで粗相の際のガードだ。

もう一つはただでさえ運動量が落ちるところに、トイレは貴重な運動の機会だから。
安易にオムツへの排泄を選択すれば寝たきりが加速する。

特養でさえ、本人がもよおしたことを伝えることが出来る限り、排泄はトイレが原則。
スタッフがその都度付き添ってくれる。

 

さて、ではこれを今日の坂井弁護士よろしく、実費精算しようものならいくらになる?

ゼロだ。

なんとか頑張って、手間賃が認められたとしよう。
10分を6回やって、合計1時間。
時給千円なら、千円の対価?

自宅介護者が聞いたら怒る気力もあるまい。
冗談でなく、これが実費積み上げ方式のバカバカしさだ。

病院の付き添いなんて、交通費だけなんだとさ。
これ半日は潰れるんだが、要介護3とのお出かけ前準備、帰宅後の後処理なんて想像すらできないんでしょうよ。

 

実はこういう場合、現場では、もっと合理的な算出方法が用いられている。

現場というのは、例えば遺産分割調停における寄与分の算出。
被相続人の療養看護に携わった相続人に法定相続分とは別に分配する場合だ。

ほとんどの場合、記帳なんてしていない。
こういうときは、実費積み上げ方式ではなく、比較方式が用いられる。

比較方式というのは、その相続人がやったことを、もし業者がやっていたらいくら掛かったか?

つまり、その看護者がいたからこそ、業者に支払う金額の流出を防ぎ、遺産を残すことが出来たわけだから、その分は看護者が得るのが相応しいという考えだ。

この比較方式を用いれば、相談者がもらう13万円が高いなどとは言えまい。

第一、要介護3を自宅介護すれば、会社を辞めないといけない。
相談者の場合、自営だが、仕事の従事時間は大幅に減るわけで、その分を補填しなければならない。

その意味でも13万円は真っ当だ。

兄が提案する一ヶ月交代なんて、荒唐無稽。

一ヶ月間隔で母からの収入があったりなかったり。
ひと月ごとに身体を空けてどうしろと?
仕事というものが全く分かっていないお前は海外で一体何してる?

 

記帳しろなんて気楽にアドバイスしないで。
ただでさえ時間貧乏なのに。

比較方式ならば、実費積み上げ方式とは違って、日々の支出を記録する必要はない。

もし後で揉めたって、通院記録や診断書やカルテなど後からいくらでも揃えることができる。
なにより、要介護認定と、自宅で暮らしていた事実そのものが最大の証拠。

この比較方式による対価の算出方法を坂井弁護士が知らないハズはないのだが・・

坂井 「家族でしょ?、お母さんと病院行くのに『手当てもらいました』っていう話ではないと思いますね」

相談者 「あ、え・・」

坂井 「だからそれは実費ですよ、実費」

 

どうやら、歩く六法全書には、相談者が銭ゲバ兄と同列に見えるらしい。

相談者は、付き添いの手間賃が欲しいのではない。
何を言い出すか分からない銭ゲバ兄を怖がっているの。

怪しげな文書を作ったり、「月3万円でいいだろ」などと口にする素っ頓狂な兄を制する武器を探しているだけだ。

 

要介護の母を看つつ財産を管理する娘が悩む、口を挟む兄を制する出費の水準」への9件のフィードバック

  1. お兄さんがかえってきてから実家に住むのかしら?
    その維持費をお母さんが支払っている?
    13万という金額はお世話代としてはこの辺ではかなり高め。
    できるかぎりのレシートを集めても毎月13万円分は無理そう。

    でもお母さん遺族年金もあるだろうし
    そんだけの預貯金があれば底をつくってこともなさそうだけど。
    お兄さんお嫁さんに尻つつかれてるんだろうな

  2. こんな娘はもちたくない。
    お母さんにお金なかったらどうなるんだろうね?

  3. 財産のことばっかりで、嫌~な感じ。
    この先、どんどん老いていくお母さんが気の毒だわ。

    ただ、自宅介護っていうのは いくら貰っても引き合わない行為なのよ。
    元々はお金には換算できない。

    だけど娘がお母さんを 気持ちよくお世話できるのなら、お母さんのためにも 十分な「お世話代」を払っても良いのかも。払えるのならだけど。

    介護というのは、やったことが無い人が考える「大変さ」よりも数倍大変です。 家族だからできる行為だと思います。
    レシートでは換算できません(笑)

    一ヶ月交替なんて言っている兄は、母と家族になるつもりはあるのかなあ。

    財産が無ければこの兄妹にも もっと違った風景が展開されたのでしょうね。

  4. 再度の投稿失礼します。
    確かに老親をお世話している大変さは経験がないとわからない。
    私も高齢の母のお世話をしているので同年代の友達でも
    していない人には話しても理解してもらえない事が多いです。
    でも経験がなければわからないのは当然だなともおもいます。
    私には遠方に住んでいる弟がいますが実質的には私達家族がお世話しています。 母親の財産管理を任されている以上大雑把な管理はできないと思ってて過去六年のレシート管理はしています。
    生活費四万と実費という形です。
    相談者さんは最初から13万という取り決めだったのだからそれでいい。
    でもお兄さんがおかしいといい始めたのであれば
    これからはレシート管理して示していったほうがいい。
    お父さんの遺産もそのとききちんと分ければもっとよかったと思うし。

    どんなに大変でも経験のないお兄さんには理解してもらえない。
    毎月13万という事実だけです。
    お互いの意見を主張したところで理解しあえない。
    過去の人生相談を聞いててもそれはわかります。
    親が亡くなった後に兄弟仲がわるくならない為のアドバイスだなと思ってきいていました。

    ただ経験上お母さんには年金もあるし医療費1割負担だし
    大きく預貯金が目減りすることはないとおもいます。
    介護施設にお世話になればそれ以上かかるわけで
    そういった方向で話し合いもできそうですよね。

  5. 老後に2000万必要とかなんとか
    話題になっていますが
    このおばあちゃんのケースなら
    ほぼ用意出来てるのに
    子供の運用によっては足りなくなるケースもあるんだな
    と、勉強になりました。

  6. この追い立てられるようなしゃべり方や声質に聞き覚えがあるような…
    気のせいかな?

  7. 最近の坂井先生は感情的すぎる気がします。
    管理人様も指摘なさっていますが、
    人間だから相談者に対しての好き嫌いはあって当然ですが、
    与えるべき情報はきちんとプロとして教示するべき。
    数年前はどんな相談者にももっと冷静だったのに。
    このところどうしちゃったのでしょう。
    介護に実際に携わっている家族のことを銭ゲバ扱いする人って、
    家族愛だけで全て乗り切れるって思っているのかな。
    介護の現実は甘くないのに。

    1. 本当に・・・
      昔の坂井先生は優しいし穏やかな口調で聞いてる私も
      癒されてたのに最近は言い方に険があるよね
      何でだろう
      他の掲示板でも昔は坂井先生優しかったのにぃ~ってコメントがあったよ。
      余裕ないのか私生活が上手く行ってないのかな?
      近くで見たら結構ダンディなのに。

    2. 本当ですよね・・坂井先生、なじるように “実費”でよいでしょ だなんて・・・
      会社の出張費請求じゃあるまいし・・・おっと、出張なら出張手当がもらえるんだった。付き添い手当があっても良いじゃん。

      介護のために 泣く泣く仕事を辞めざるを得ない人もいるよ。(=私)
      他に看てくれる人も居ないし、施設に入るのは絶対にイヤだと言うし。ついに介護離職となりました。
      私が仕事に行けなくなった分を、生活費とは別に 月4万円貰っています。
      仕事の収入には はるかに及ばないけど仕方ない。 

      97歳・要介護3の老母は嬉しそう。 有り金・年金 全部 使って良いよと言ってくれるが、そうもいくまい。いずれ家で面倒を見切れなくなった時に施設に入るための十分な資金も要るし。 

      家族の介護は無償というのはきれいごとですよ、坂井先生。

      管理人さん、よくぞコメントして下さいました。

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