想い出より札束を選んだ母。非合理な陰謀論を支えに生きる憐れ独女
テレフォン人生相談 2022年2月26日 土曜日
思い出詰まった川辺りと生家。
というより、建てた二年後の立ち退き。
こっちが大きいかしら。
最初は抵抗を見せてた母が説得に応じ移転。
ハシゴを外された感。
相談者だって30手前だったんだから全部分かってるハズ。
虚しさ高じて逃げた先は、母の意思ではなかったというストーリー。
役人の陰謀を否定されたら母親との絆まで失いそう。
現実と向き合うのはかくも苦しい。
相談者: 女60代 未婚 ひとり暮らし
玉置妙憂:
もしもしい?
相談者:
はい
玉置妙憂:
テレフォン人生相談です。
相談者:
あ、よろしくお願いします。
玉置妙憂:
よろしくお願いいたいます。
相談者:
はい
玉置妙憂:
さっそくですが、今日はどのようなご相談でしょうか?
相談者:
あ・・国の行政の、やり方について
玉置妙憂:
うん
相談者:
ちょっと・・うー、問題があるので、
玉置妙憂:
は
相談者:
うー、お電話しました。
玉置妙憂:
はい、詳しくお聞きする前に、まずはご年齢をお伺いしてもよろしいですか?
相談者:
あ・・60代です。
玉置妙憂:
60、代、はい、ありがとうございます。
相談者:
はい
玉置妙憂:
ご家族構成は?
相談者:
あの、1人です。
玉置妙憂:
はい
お父さまお母さまは?
相談者:
もう亡くなりました。
玉置妙憂:
あー、そうでしたか。
相談者:
はい
玉置妙憂:
えーと、ごきょうだいは?
相談者:
おりません。
玉置妙憂:
あ、一人っ子さんなんですね?
相談者:
はい
玉置妙憂:
で、これまで、あのお、ご結婚されたことがあって・・わ、離婚されたとかそういうこともなく?
相談者:
そうですね。はい
玉置妙憂:
じゃあ、あのお、ほんとにお1人っていう、ことなんですね?
相談者:
そうですねえ、はい
玉置妙憂:
うん
お仕事お、は、何かされてますか?
相談者:
しておりません。
玉置妙憂:
はい、じゃあ、ずっと、お家にいらっしゃるんですね?
相談者:
あはい
玉置妙憂:
うん、うん
いつぐらいから政治に興味がおありになのかしら?
相談者:
あ、政治というより・・
玉置妙憂:
うん、うん
相談者:
わたしのお・・家が、
玉置妙憂:
うん
相談者:
あのお・・所謂、強制立ち退きになったんですね。
玉置妙憂:
あ、強制立ち退きに?
相談者:
あ、はい
玉置妙憂:
あーあ
相談者:
32年前に、
玉置妙憂:
32年前に?
相談者:
あはい
玉置妙憂:
うーん
相談者:
最初は、あの・・わたしの親が、
玉置妙憂:
うん
相談者:
水害がある、2年前に、
玉置妙憂:
うん
相談者:
家を、あの、建てたんですけれども。
玉置妙憂:
32年前の2年前ってことですか?
相談者:
あはい
玉置妙憂:
うん
相談者:
そうですね。その、ときに、
玉置妙憂:
34年前だね?、うん
相談者:
はい・・家を建てたんですけど、
玉置妙憂:
家を建てた、はい、うん
相談者:
梅雨の水害があったんですね。
玉置妙憂:
水害、川が氾濫しましたか?
相談者:
あはい、は
玉置妙憂:
うん
相談者:
あの、氾濫しました。
玉置妙憂:
うん、うん
相談者:
それで、そのお・・旧、建設省ですね。
玉置妙憂:
うん
相談者:
あのお・・立ち退きの問題が、
玉置妙憂:
うん
相談者:
立ち上がったんですね。
玉置妙憂:
うーん
相談者:
そして、わたしも母も反対してたんですね。
玉置妙憂:
うん
相談者:
で、そのとき反対してたら、もう・・
玉置妙憂:
はい
相談者:
旧建設省の、お、あの、用地課の人が?
玉置妙憂:
うん
相談者:
結局・・「いつまでも、立ち退きを反対していると、あなた達は、補償・・金もないし」、
玉置妙憂:
うん
相談者:
「家は潰しますよ」って言われたので、
玉置妙憂:
はい
相談者:
心配して?
玉置妙憂:
うん
相談者:
結局、あの、今住んでる、こことは違うところに、もう、行ったわけですね。
玉置妙憂:
母だけ?
相談者:
・・母だけ。
玉置妙憂:
あー
相談者:
で、あたしは、あの、それを、「絶対承諾できない」と言って、今・・ここに住んでるんです。
玉置妙憂:
お母さんはそれで、ほかへ、越したけれども、あなたは・・えーと断固として、立ち退かないと言って、今も住んでらっしゃるということですね?
相談者:
はい、そうです。
玉置妙憂:
はい、はい、はい、はい
相談者:
そして、
玉置妙憂:
うん
相談者:
あたしはあの、母が運転をしなかったので、
玉置妙憂:
ん?何をしなかった?ごめんなさい。
相談者:
結局・・運転免許を持ってなかったので、
玉置妙憂:
あー、運転ね?はい、はい、はい、はい
相談者:
で、ここからその・・事務所に行くのにですね?
玉置妙憂:
うん
相談者:
運転ができないんですよ、母は。
玉置妙憂:
うん
相談者:
そいであたしがどこかに行くときは、あたしが連れて行ってたんですね。
玉置妙憂:
うん
相談者:
でも、その事実がないんです。
玉置妙憂:
ん?
相談者:
行った。
母が、あのお・・なんか契約とか、それに行った事実が一切ないので・・
玉置妙憂:
ん?ちょっとごめんなさいね。
相談者:
あの・・
玉置妙憂:
えっと、お母さんは、どこへ出掛けて行ってたの?
相談者:
旧建設省の事務所に。
玉置妙憂:
立ち退きをしませんということの?
相談者:
いいえ
強制立ち退きを、あ、に、遭ったから、
玉置妙憂:
うん
相談者:
そこまで・・契約に行ったということになってるんですけど、
玉置妙憂:
ん、ちょっと待ってくださいよ。
相談者:
その、じ・・
玉置妙憂:
強制立ち退きしてないですよね?今。
相談者:
え、してないのに・・
玉置妙憂:
あなた住んで・・すってらっしゃる、うん
相談者:
その契約書があるんです。
玉置妙憂:
あ、け、立ち退いたという契約書がある?
相談者:
あるようにしてるんですよね。で、あたしも知らなかったんです。
そして、今から4年前に、うー、
「わたしの、母が、そこの事務所に行った事実がないんですけど」って言ったら・・契約書が、送られて来たんです、ここに。
玉置妙憂:
うん
相談者:
そして、よく見たら、
玉置妙憂:
うん
相談者:
母の名前で、母の筆跡じゃないんですね。
玉置妙憂:
・・うーん
相談者:
印鑑も、ここにある・・母がずうっと愛用してた、印鑑ではないです。
玉置妙憂:
うん
相談者:
で・・
玉置妙憂:
おかあさまの、サインでもなく印鑑でもないけれども、契約書が送られて来た?
相談者:
あはい、契約書が・・
玉置妙憂:
その、契約書の・・内容は、
相談者:
あ・・
玉置妙憂:
立ち退いたという内容なんですね?
相談者:
・・土地賠償の、
玉置妙憂:
うん
相談者:
誓約ですね。
玉置妙憂:
うーん、土地を売りますよっていうのが契約書ってことですかね?
相談者:
そうでしょうね。
玉置妙憂:
ああ
相談者:
あたしもあんまり詳しくは知らないんですけど。
玉置妙憂:
え?、ご覧になりました?その契約書。
相談者:
はい
玉置妙憂:
うーん
相談者:
見ました。
玉置妙憂:
うん、ふん、ふん、ふん
相談者:
で、「これは捏造です」って、
玉置妙憂:
うん
相談者:
わたしが・・相手の事務所に言ったんですけど。
玉置妙憂:
うん
相談者:
「わたし達は法に則って」、
玉置妙憂:
うん
相談者:
「ちゃんとやっております」
玉置妙憂:
うん
相談者:
あー、「政治告訴でも民事告訴でもどうぞ」って言ってるわけです。
玉置妙憂:
で、今現在、その、おー、ま、あなたは捏造だと思ってらっしゃる、その契約書を基に、
相談者:
はい
玉置妙憂:
「出てけ」と言われてるんですか?
相談者:
いいえ
「ここを、どうしても」、おー、「強制立ち退きを、してください」って言ったときには・・一部・・この家を、解体するということで?・・なったんですね。
玉置妙憂:
うん
相談者:
だから、あたしがここに・・生活できるわけですね。
玉置妙憂:
うん・・そうすると今・・
相談者:
だから、さい・・
玉置妙憂:
お困りなのはなんですか?
相談者:
・・あの、契約書が・・母の筆跡ではないということですね。
玉置妙憂:
・・うん
相談者:
その・・
玉置妙憂:
誰にも、出て行けとか、家取り壊すぞとか言われてるわけではないんですよね?
相談者:
あ、言われてるわけではないです。
玉置妙憂:
んないんですね。うん
相談者:
だけど、その・・
玉置妙憂:
うん
相談者:
うー、わたしの母が、書いた・・
玉置妙憂:
うん
相談者:
契約書が・・本人の物ではないので、
玉置妙憂:
うん、ないのがあるんだけど、でもそれ、送られて来たのが4年前で、
相談者:
はい
玉置妙憂:
うん。4年経った今も別になんにも言って来てないんですよね?
相談者:
はい
玉置妙憂:
毎日、毎日、外に立って「出てけ」って言ってるわけじゃない?
相談者:
はい
玉置妙憂:
うん
相談者:
・・あの、本人ではない、
玉置妙憂:
うん
相談者:
契約書が・・法に、ちゃんと・・適用されるんでしょうか?
玉置妙憂:
・・はい、分かりました。
では、えー、その契約書の問題について、えー、先生にお話をお伺いしたいと思います。
今日お答えいただきますのは、弁護士の、大迫恵美子先生です。
先生よろしくお願いいたします。
(回答者に交代)
せっかくのアドバイスですが、無駄になりそうな気がしました。自分が納得するまでこの問題に向かって生きていくしかないようです。
自分だけが不幸だと思い込んでる人間に他者からのアドバイスは馬耳東風でしょう。 ボランティアでもやってみたら。
法律相談というより、なんらかの精神疾患とか認知症とか、支援が必要なケースな気がしました。
「えっ、玉置さん?」が正直な感想でした。たいていの土曜日、パーソナリティは加藤さんか今井さんのいずれか、というのが定石ですからねえ。
とはいえ、行政のやり方のトラブルに関する相談、珍しいのかなあと思います。不動産購入契約、購入者も法律を多少知らないと大変なんですよ。
実はある売地&売家の公開展示に行った際、実際に言われましたが、その不動産、一部売却地に今後都市計画道路が予定されているためなんです。
家の方ではなかったのですが、建蔽率や容積率に影響が出るからなのでしょう。不動産を買う際はその辺もしっかり勉強しないと大変でしょうか。
このままだと地縛霊(失礼でスミマセン)になりそうだし、その土地に、もはやいい思い出もなさそうだし、残りも売って(売れるのかな?危険地帯だし)新しい場所で心機一転オススメです。玉置先生の「お気持ちしっかりと私たちも受け止めましたのでね。」読んだ限りですが相談者に沁みてる気がしました。
玉置さんが僧侶として正直に話してくださったことへの労いの言葉をかけてくれただけに、ご相談者さん、ぜひ再出発して欲しいなあと思います。
60歳代ということですが、お仕事がまだ出来そうな状態かなあ?あと40年近くは生きなきゃならないので、健康で仕事も出来ればと思います。
妙優さんについて、いつも思う。やっぱりナース・ケアマネ・僧侶のキャリアを積んだ方はさすがだなと。どんなに説明下手な相手でも要点を組み直して促すし、どんなに悲観して慟哭する相手でも言い分と思いを的確に保護する。また、大迫先生もさすがベテラン弁護士。情に引っ張られず自分の役割と任務を遂行したら、専門外な部分は不用意に触れず無言となるあたりが。相談者は救われないまでも心の痛みの応急処置になったのでは。冷静に自分を見つめ直す時間もできたのでは。
終盤の自分語りに対し大迫先生が匙を投げたように無言になってしまったのが印象的でした。
社会経験、他者との感情の擦り合わせの経験が極端に乏しい(と思われる)相談者さんは母親が自分を残して家を出た心情も役所の職員が自分のクレームに対応している迷惑も理解することができないのでしょう。
契約無効の根拠として筆跡が違うという難癖は思いついても、無効のはずの契約に基づく賠償金のうち3分の1をまだ貰っていないとする不満の矛盾には気付かない。
理詰めで追い込まれ分が悪いと感じるや精一杯の嫌味で「弁護士先生と私らとは考えることが違うんですね。私はこの件以降ずっと不幸です」。
最終的にここに逃げ込む人にはどんな素晴らしいアドバイスも響かないのでしょう。
しかしこの方、近々再登場する気がします…
30年間何も楽しいことがないという相談者さん
逆に30年前までは何が楽しかったのかが気になる。
公共工事の立ち退き交渉や補償金をめぐって家庭内でもめるのはよく聞く話
そもそも、一級河川の川沿いに家を新築という時点であまりにリスキー
実際に浸水被害に遭ってるし、立ち退きにかかるのは避けられなかったろう
ただ、ここまで役所を逆恨みするのはかなり危険な案件
この相談者、生い立ちか自身の心身に何らかの事情があって、母親に強く依存し執着してた
ただ、立ち退きをめぐる親子喧嘩の結果、母親は立ち退き補償金を持って家から出て行き、相談者は残地の建物に独り取り残された
相談者は母親に見捨てられたことを受け入れられず、立ち退きの話がなければ母親と暮らせてたのに、と国を逆恨みするようになった、そんなところと見受ける
加藤先生のいつもの「あなたが本当に憎んでるのは誰ですか?」が何より必要なケースだけど、この相談者に、母親への執着とそこから生まれる憎しみに気づく余力があるだろうか
おそらくこれからも、河川事務所のクレーマーとして余生を過ごしそうな気がする
不動産を取得するにあたっては、「資金面と目的面はもちろん、法律面も意識して下さい。」と売家&売地公開展示の際に言われたんですよねえ。
実はこの物件、たまたま公共工事、具体的には都市計画道路が予定されていた土地があるためですが、不動産購入時には法律面も意識したいです。
「この問題だけじゃなくてまだ沢山ある、私はどうしてこういう目にあうのか」って…本当に相談したいのは別のことだったのでは?両先生のお言葉がちゃんと心に届いていれば良いのだけど。
自分も、本人が相談したい本丸はそちらだった(だが時間切れ、というか話し始めるまで本人も自覚していなかった?)かもと思った。
この方の1番の願いは、払われていない3分の1のお金を手に入れることだろうか?30年も、強い気持ちで闘ってきたのだろうけど、この先の人生のことを考えないとだめだと思う。思い入れが強い、現在住んでいる家も、自分がなくなったら、受け継ぐ人もいない。遺言でも残さないと、もし従兄弟がいたらそちらにいってしまう。30代からのこの問題があってから何もいいことがなかったと言っているが、このような方には、なかなかよい運や縁が巡ってこないのではないかと思った。
役所が契約内容を3分の1など部分的に反故にするって事は無いはず。
そして、こういう災害規模の土地は1軒だけでなく広い範囲だろうから、役所は一人一人と話してたんではらちがあかないので、コーディネーターの会社を間に入れるはず。
その当時の陳情苦情はすべてコーディネーターが引き受けて、契約時のみ役所が出てくる形となる。
今更役所に行っても、当時事務的行われた仕事だから、事務的に返されるだけ。
先生らはそのことを前提に、上に書かれたように、精神疾患・認知患者に見合う話をされていると思う。