（再びパーソナリティ）

加藤諦三：
もしもし？

相談者：
はい

加藤諦三：
まあ、今あなた、あの
「後ろめたいことが、たくさんあるとは思えない」・・とおっしゃいましたけれども、

相談者：
はい

加藤諦三：
正直なところは、疚（やま）しさはあるんじゃないですか？

相談者：
疚しさですか？

加藤諦三：
うん。あ、ま、別の言葉で言うと、劣等感が強いでしょ？

相談者：
はい

加藤諦三：
あのお・・現象としてはどういうことか？っていうと、とにかく・・親族が一人も出ない、結婚、式、結婚披露宴が行われたということですよ。

相談者：
はい、そうです・・

加藤諦三：
問題は、その現象の背後に、

相談者：
はい

加藤諦三：
どういう心理的問題があったのかという・・

相談者：
はい

加藤諦三：
ことが問題なんですよ。

相談者：
はい

加藤諦三：
そうすると、あなたの劣等感と、

相談者：
はい

加藤諦三：
それから、ご主人のお嫁さんの劣等感と・・この二つの劣等感が・・原因だという風に・・

相談者：
はい

加藤諦三：
考えざるを得ないんだけどね。

相談者：
・・

加藤諦三：
でどっかで、今度のこの、ん・・事件ていうのは、原因、じ、自分が原因だ、という風に思、分かっている。

相談者：
はい

加藤諦三：
恐らく・・

相談者：
（鼻をすする）

加藤諦三：
あのお・・長男の、お嫁さん・・の方も、劣等感が強いんです。

相談者：
だと思います。
あの、彼女なりの何かがあるん、だとは思います。

加藤諦三：
ええ。だから嫁姑両方、よ、劣等感が強くてえ、

相談者：
・・はい

加藤諦三：
その結果、こういう事件が起きたと・・いう風に解釈すればスッキリ・・解釈ができるんですけどね。

相談者：
はい

加藤諦三：
・・だって・・息子さんはね？

相談者：
はい

加藤諦三：
お嫁さんの方を選んだと言うけれども、あなたは、とにかく・・こういう結婚式は望ま、当たり前の話ですけど、望んでなかったわけですよ。

相談者：
望んでないです、はい

加藤諦三：
ねえ、誰でも、そう、望まないですよ、こんなこと。
だけど、

相談者：
はい、＃＄％◆

加藤諦三：
だけど、む、息子さんは、この・・誰もが望まない・・

相談者：
はい

加藤諦三：
結婚式を強行したんです。

相談者：
そうなんです。

加藤諦三：
それは、あなたに対する敵意です。

相談者：
・・

加藤諦三：
あなたが困るだろっ、という、

相談者：
ええ・・あ・・

加藤諦三：
ことが分かって、

相談者：
あ、ええ

加藤諦三：
きょ、強行したんです。

相談者：
（鼻をすする）

加藤諦三：
で、あ・・あのね、あなたも・・その劣等感が強いし、

相談者：
（鼻をすする）

加藤諦三：
お嫁さ、あな、息子のお嫁さんも敵、あ、劣等感が強いから、

相談者：
はい

加藤諦三：
これが凄く強くてね、

相談者：
はい

加藤諦三：
他の感情がう、動かないんです。

相談者：
はい

加藤諦三：
だからこれ、どうなるかってもう・・集まったあ、関係者が全員ですねえ、

相談者：
はい

加藤諦三：
無責任集団なんです。

相談者：
・・無責任集団・・はい

加藤諦三：
んだって、誰も決断しないんだもん。

相談者：
・・

加藤諦三：
言ってみれば、本気の関心が誰もなかったんです。
親族という名の他人が集まった集団だったの。

相談者：
はい・・（鼻をすする）

加藤諦三：
・・あのお・・あ、あなたも辛い過去があって、

相談者：
（鼻をすする）

加藤諦三：
本当に、他人に対して関心を持つまでに成長していないんですよね。

相談者：
そうなんで（涙声）しょうね、きっと、はい（鼻をすする）

加藤諦三：
だから・・今、これえ・・いい事件じゃないですか？

相談者：
・・ええ、わたしはこれは何かを意味するのかなって考えたりもします。

加藤諦三：
うん、いい事件ですよ。

相談者：
でも、辛いです。＃＄％◆

加藤諦三：
ん、ん、十分、うん、つ、それは、それは辛いよ。

相談者：
はい

加藤諦三：
だって、辛いことがなくて成長はできないんだから、人間は。

相談者：
そうなんですよねえ、はい（泣き笑い）

加藤諦三：
苦しみを通して人間は成長するんです。

相談者：
はい

加藤諦三：
だから今度の事件を通して、あなたは成長する。
今度の事件を通して、あなたは自分が分かるようになるんです。

相談者：
はい

加藤諦三：
そうしたら自然と、自分のやることは何かっていうことは見えて来ます。

相談者：
息子・・

加藤諦三：
もう、息子とか、娘とかあ、

相談者：
ええ

加藤諦三：
それからあの・・お嫁さんとかじゃなくて・・自分の人生をどういう風に生きたらいいかなあ、

相談者：
はい

加藤諦三：
ていうことが見えて来ますよ。

相談者：
はい

加藤諦三：
ですから、

相談者：
はい

加藤諦三：
５４歳。

相談者：
・・はい

加藤諦三：
これからバラ色の人生を・・歩んでください。

相談者：
はい・・

加藤諦三：
よろしいでしょうか？

相談者：
はい。あの・・

加藤諦三：
はい失礼します。

相談者：
ありがとうございました。

加藤諦三：
現象は、背後にある心理的問題が、表面化したものです。