テレフォン人生相談 2022年7月2日 土曜日
脅されて書いたぁ!?
裁判官や検察官の任にあった公証人が本人の意思と認めた遺言書を一体何を根拠に。
当然、脅し役とされた相談者は全否定のまま。
控訴すべきだった。
公証制度とは,国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ,私的法律関係の明確化,安定化を図ることを目的として,証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度です。<法務省>
裁判所自ら否定してどうする。
どうもおかしい。
公正証書遺言の無効を立証するのは兄嫁側の役目で、それには大変な労力がいる。
無効になるのは超がつくレア。
いうまでもなく書いた当人はアノ世。
少なくとも高裁まで争われるのがデフォ。
訴訟を起こしたのは相談者。
ウソで無効にされたのなら控訴すればいいじゃないか。
今井さんに敗訴の理由を訊かれて相談者曰く、
1つ目は私に強制的に書かされたもんだと
2つ目は兄の身代わりよって書かされたもんだと
3つ目は遺言書を書いたときに、兄さんの、認知能力がなかったと
明らかにこれは判決理由ではない。
だって理由どうしが矛盾してるから。
つまり、相手方の主張だ。
まさかの訴えに遺言が無効とされる定番理由をダメ元で詰め込んできた。
証拠があるわけでもなく、かなり苦しい。
じゃ、判決は?
裁判官は公正証書遺言をなんら否定していない。
相談者が申し立てたのは、兄嫁が行った不動産の名義変更の無効。
公正証書遺言をタテに。
で、判決はその主張が退けられただけ。
理由は2つ。
一つは名義変更は兄の入院中に兄によって行われたということ。
すなわち生前贈与。
2つ目は、相談者が言うように公正証書遺言に書かれていたのは包括遺贈。
包括遺贈というのは、品目を特定せずに全遺産を譲るという意味。
相続開始時、不動産はすでに兄嫁のもので遺産ではない。
不動産を妻に譲った残りの財産はすべて弟に譲る。
これが故人の意思であり、公正証書遺言の内容となんら矛盾しない。
これが裁判所の解釈。
いわずもがな、公正証書遺言の時点から兄に心変わりがあっても不思議ではないということ。
たとえそれが兄嫁の強力なプッシュによるものだとしても。
もし公正証書遺言に品目が指定されていれば、裁判所も面倒な判断を迫られるところだった。
兄嫁をスッテンテンで追い出し、500坪全てを我が物にと企んだ未婚のアラ古希。
欲をかいたのがアダ。
かたや終の棲家を追われるやもしれないと思った兄嫁。
そらウソぐらいつくわ。
もっとも、超がつくレアということは、言い換えればないわけではないということ。
不可能を可能にしたらしい相談者。
しかもインターネットもない時代。
塩谷弁護士も感心。
回答者も認めたその実力。弁護士がサジ投げた公正証書遺言をひっくり返した女
相談者: 男71歳 未婚 自営 3年前に母と兄が他界