【日曜に読む傑作選】寄り掛かる身内をクズ呼ばわりする真面目に生きて来た女

(回答者に交代)

高中正彦:
はい、こんにちは、よろしくお願いします。

相談者:
はい、お願いします。

高中正彦:
はい。
あのね、親子の扶養お、の義務についてはね、

相談者:
はい

高中正彦:
あの法律う、は、お互いに扶養の義務があるとしか書いてないんですよ。

相談者:
はい

高中正彦:
何をするかについては一切書いてない。

相談者:
はあ

高中正彦:
で、扶養のやり方についてはそれぞれ自分の身の丈に合った・・つまり自分の方のね、すべての事情、

相談者:
はい

高中正彦:
収入状態とか、健康状態とか。

相談者:
はい

高中正彦:
それを全部勘案して、えー身の丈に合った扶養をする義務がある。
身の丈って言葉はもちろん法律にはありませんけれども。

相談者:
はい

高中正彦:
分かりやすくいうとそういう事なんですよ。

相談者:
はい

高中正彦:
だから、親子の縁を切るとか勘当するとかって、よく言う言葉ではあるんだけども、

相談者:
はい

高中正彦:
そんな制度はないんですよ。

相談者:
はあー

高中正彦:
親と、子の間はもう血で繋がってますからね。扶養の義務は切りようがないんです。

相談者:
はい

高中正彦:
ただし、自分の全財産投げ打って、自分の健康を投げ打って・・

相談者:
はい

高中正彦:
自分の命を投げ打ってまで扶養しなさいとは書いてないわけです。

相談者:
はい

高中正彦:
自分の身の丈に合った形でありなさいと、こういうわけですよ。

相談者:
はい

高中正彦:
だから拒否できるかって言われますとね、

相談者:
はい

高中正彦:
拒否できっこないわけです。

相談者:
はあ

高中正彦:
そういう事なんです。そいで・・

相談者:
ええ

高中正彦:
少し、聞かせてくださいね?

相談者:
はい

高中正彦:
今、お母さまおいくつでいらっしゃる?

相談者:
86歳です。

高中正彦:
86歳?

相談者:
はい

高中正彦:
は・・一週間に一回温泉連れてってあげてんでしょ?

相談者:
はい

高中正彦:
お母さんじゃその温泉行くの楽しみにしてるんだ。

相談者:
・・あまり感謝の気持ちは(苦笑)子どもが言うのは何ですが、あの一切口にしません。当たり前という態度が、見受けられます。

高中正彦:
あなたの兄弟聞きますけど。弟お、と二人ですか?

相談者:
いいえ違います。姉が一人います。

高中正彦:
お姉さまがいらっしゃる?

相談者:
はい

高中正彦:
3人姉弟ですね?

相談者:
あの4人いましたが、一人亡くなっています。

高中正彦:
あ、亡くなってらっしゃんのね?

相談者:
はいはい

高中正彦:
うーん、で、お母さんにしてみれば4人娘のあなたは真ん中だ。

相談者:
はい

高中正彦:
で、お姉さんも温泉に行く時にはお手伝いされてんの?

相談者:
あの、嫌がって一切、母親の面倒は看ません。

高中正彦:
なんで?

相談者:
んー、何かあったんでしょう、母親との関係で。

高中正彦:
あなたは?

相談者:
と、推測します。

高中正彦:
うーん

相談者:
わたしは別にあのお、

高中正彦:
いいの?

相談者:
あれは無いと思うんです、はい

高中正彦:
でもあなたに対して「ありがとう」はないんですか?

相談者:
はい。姉が大好きです、母親は。

高中正彦:
何その、面倒を看ないお姉さんが好きなの?

相談者:
はい、あの価値観が凄く共有できて、お喋りをどんどんします。

高中正彦:
だってお姉さんは嫌がってんでしょ?

相談者:
はい、イヒ(苦笑)だからちょっと不満みたいです、母親が。

高中正彦:
うーん

相談者:
でも可愛いです。
「お金がないからね」、「あの子はお金がないからあ」って言って、

高中正彦:
うん

相談者:
心配しています。姉の事を。

高中正彦:
失礼だけど、ちょっとあれだね、ご姉弟3人いらっしゃる、ま、一人お亡くなりだけどね、

相談者:
はい

高中正彦:
ご姉弟仲はいいんですか。

相談者:
弟と母親と姉は凄い仲がいいんですけど、わたしだけちょっと、違いますね。

高中正彦:
あなただけ外されてんの?

相談者:
はい、そんな感じです。

高中正彦:
子どもの時からあ、あなたは外れてた?、家族の中では。

相談者:
外れてましたね。勉強ばっかりして何しようんが?って、いつも・・あの、ある時学校行ってえ・・

高中正彦:
はい

相談者:
当てられて、ほ、本、ページ開けたら破られてました。

高中正彦:
誰に?

相談者:
姉に。
ほで、あーって、読めないんで、も、ビックリしたあ、そこまで憎いのかな?と思って、母親も一緒になって勉強ばっかりすること、すっごく、あの、怒っていました。

高中正彦:
あなたは大変にあれか、あの、ご姉弟の中では勉強ができたんだ。

相談者:
はい、そうです。だからすっごく、あの、高校行くこと、時も、あの母親から、よく言われました。

高中正彦:
うーん

相談者:
「働いていくら入れてくれるの?」って言われましたけども、強引に行きました。

高中正彦:
だって授業料はお母さん出してくれたんでしょ?

相談者:
奨学金かなんか・・

高中正彦:
でもそれ、奨学金やるにしたって、それ全部賄えないわけだから。

相談者:
はいはい、まあ、母親は出してくれました。

高中正彦:
あなた、あれだなぁ、親とねえ?

相談者:
はい

高中正彦:
他の二人の姉弟を、あなたの方で、なんか遠ざけてるっていうか、逆に言えば、なんか憎んでるようなとこないんですか?

相談者:
ありますね、もう全く嫌です、人間として。

高中正彦:
どうして?

相談者:
もうわたしは真面目に生きているのに、なんで・・

高中正彦:
うーん

相談者:
真面目に生きていない人の犠牲になるんですか?、おかしいんじゃないですか?

高中正彦:
そう思っちゃうんだ。

相談者:
真面目に生きてる人間が、

高中正彦:
うーん

相談者:
なんで、三人共、「金、金、金」って、

高中正彦:
うーん

相談者:
逆に、ゆするみたいな感じにされて、なんでわたしは犠牲になるんですか?、おかしいんじゃないですか?世の中。

高中正彦:
あー、あー

相談者:
真面目に一生懸命コツコツ努力してわたくしは、

高中正彦:
ええ

相談者:
まあまあ生活できるようになったと思うんです。

高中正彦:
ええ

相談者:
小さい時から一生懸命、

高中正彦:
うーん

相談者:
とにかく勉強すれば、道は拓ける思って一生懸命、黒板に向かって、先生の顔ばっかり見上げて、

高中正彦:
はい

相談者:
ずーっと生きて来ました。

高中正彦:
あー

相談者:
先生の言う通り。

高中正彦:
うーん

相談者:
そしてそれが何で?、犠牲になるんですか?

高中正彦:
あなたはずーっとそういう風に、この、他の姉弟、それから親からも、こう、疎外されてるという、意識で、ずっと来てるのかな?

相談者:
はい、少しありますね。

高中正彦:
あ、や、少しどころか・・

相談者:
でも一生懸命、母親の事を・・

高中正彦:
だって今日のご相談はね?

相談者:
はい

高中正彦:
弟を止めるにはどうしたらいいか?

相談者:
はい

高中正彦:
それから扶養はどこまでやったらいいのか?っていうご相談だったんだけども、

相談者:
はい

高中正彦:
お話伺ってると、むしろ今のわたしの置かれてる状況を少しでも良くするためにはどうしたらいいのか?っていうご相談じゃないんですか?

相談者:
はあーあー

高中正彦:
加藤先生ちょっといいですか(苦笑)

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
はい、あのね?

相談者:
はい

加藤諦三:
あなたあ、「わたしはこんなに真面目に生きているのに」

相談者:
はい

加藤諦三:
「なんでわたしが犠牲にならなきゃなんないのよ」と。

相談者:
そうです。

加藤諦三:
なんでだと思いますか?

相談者:
・・分かりません。

加藤諦三:
あなた、お母さんと、

相談者:
はい

加藤諦三:
お姉さんと弟、どう評価してますか?

相談者:
評価するに値しない。

加藤諦三:
軽蔑してますね?

相談者:
はい

加藤諦三:
お母さんも、弟も、お姉さんも、軽蔑しています。

相談者:
はい、もちろんです。

加藤諦三:
なんでそんなに軽蔑するんでしょうか?

相談者:
真面目に生きていないからです。自分で自分の自身を、処理ができないからです。他人に迷惑ばかり掛けるからです。

加藤諦三:
他人に迷惑、まあ、ギャンブル依存症になった、お、弟さんはね?、えー、別として、お姉さんもやっぱりそうやって、迷惑掛けてんの?

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
お母さんも迷惑掛けてるわけ?

相談者:
はい

加藤諦三:
その迷惑掛けているという風の、理由を付けてるけど、要するに、紙くずのような、下らない、人間だと、

相談者:
そうです。

加藤諦三:
軽蔑してる・・

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
人間のクズと思ってんでしょ?

相談者:
はい。思っています。

加藤諦三:
なんでそこまで人間のクズとまでね?、

相談者:
はい

加藤諦三:
そこまで激しく思ったか?っていう事。

相談者:
やはりわたしが受けた、色々な精神的なあ、ものとか。それから・・あの、周りの人たちに迷惑掛けて頭を下げてわたしが涙を流しながら、他人に頭を下げるっていう辛さ。

加藤諦三:
うーん

相談者:
それが、もう、許せません。

加藤諦三:
でそれは、お姉さんとお、弟と、母親の方はそう感じてるかしら?

相談者:
感じてないです。

加藤諦三:
感じてないよね?

相談者:
はい

加藤諦三:
あのね、ちょっとあなた、驚くかもしれないけど。絶対違うぅ!って、反答しないでね。

相談者:
あ、はい(苦笑)

加藤諦三:
実は・・今言ったように母と姉と弟は、「人間のクズだ」と激しく言いました。

相談者:
はい

加藤諦三:
実はあなたは、あなた自身を人間のクズだと思ってんです。

相談者:
・・(大きなため息)分かりません。

加藤諦三:
お父さんか、お母さんか、

相談者:
はい

加藤諦三:
お姉さんか、おと、だから誰だか分からないですけれども、

相談者:
はい

加藤諦三:
あなた凄い軽蔑されて、深く傷付いた事ないですか?

相談者:
あります。

加藤諦三:
誰?、今言ったうち。

相談者:
母親です。

加藤諦三:
お母さん?

相談者:
はい

加藤諦三:
お母さんにね、
「お前は人間のクズだ」って言われたんですよ。
その言葉かどうだかは別として。

相談者:
・・

加藤諦三:
だけど、それをあなたは受け入れられないんですよ。
そうすっと・・

相談者:
はい。受け入れられません。

加藤諦三:
受け入れられないよね?

相談者:
はい

加藤諦三:
その受け入れられない時に、どういう風に、それを持ちこたえるかというと、

相談者:
はい

加藤諦三:
姉であれ弟であれ誰でもいいんですけど、

相談者:
はい

加藤諦三:
「お前は人間のクズだ」っていう、他人に向かって叫ぶ事でその気持ちを維持すんです。

相談者:
うん・・

加藤諦三:
人はね、必死になって自分を守ろうとする時に相手に向かって、
「お前は人間のクズだ」って叫ぶの。

相談者:
うーん

加藤諦三:
そうすると、自分の気持ちが楽になんですよ。

相談者:
うん

加藤諦三:
あなたは、お姉さんと弟とお母さんを軽蔑してるのは、その自分の気持ちを楽にするためなんですよ。
もうあなた、持ちこたえられないの。
だから、今何をしなきゃいけない?

相談者:
・・心の処理ですか?

加藤諦三:
心の処理、わたしはそんな人間のクズではないという事をハッキリ、自分に自覚させる事ですよ。

相談者:
うん

加藤諦三:
そうすると周りの人間関係も改善して来ます。あなたの苦しみも、和らいで来ます。

相談者:
ではどうしたらいいんですか?

加藤諦三:
や、だから、
「わたしはそんな軽蔑すべき人間ではない」と、
「あなたは人間のクズだ」と、言った人が間違えているんだと・・

相談者:
うん

加藤諦三:
だってあなた人間のクズじゃないしょ。

相談者:
はい

加藤諦三:
こんだけ立派に、頑張って来たんだから。

相談者:
はい

加藤諦三:
そうでしょ?

相談者:
はい

加藤諦三:
だから自分に誇りを持って。

相談者:
・・ハハハ(苦笑)60歳で、誇りを持って今さら・・(ため息)もう疲れました。

加藤諦三:
疲れるよね?

相談者:
・・

加藤諦三:
疲れるけれども、あなたよく60歳まで、生きて来ましたよ、そりゃ。
これだけやられたらおかしくなります。

相談者:
・・

加藤諦三:
でもあなたはとにかく、立派に、まだね?、
「子どもは親をどこまで世話したらいいんでしょうか?」っていうようなまともな議論ができてんですよ。
あなた素晴らしいんだよ?これは。
自分がどれくらい偉大だかっていう事、あなた自分で気が付いてないの。

相談者:
あ、偉大ではないですけど・・

加藤諦三:
いや偉大です。

相談者:
少しは・・

加藤諦三:
いやいや、そこで、あの引いちゃ・・

相談者:
少しは認めてもらってありがたいです。

加藤諦三:
あ、あのね、そこで引いちゃ駄目。偉大です。
「人間のクズだ」と叫ばれながらも、まともに・・

相談者:
はい

加藤諦三:
60まで、生きた人は偉大です。これはまず・・

相談者:
・・分かりました。

加藤諦三:
うん、まともに・・

相談者:
ありがとうございます。

加藤諦三:
まともに受けないきゃ駄目ですよ。

相談者:
はい・・

加藤諦三:
よろしいですね?

相談者:
分かりました。はい

加藤諦三:
はい失礼します。

相談者:
ありがとうございました。

加藤諦三:
「お前は人間のクズだ」と叫ぶ人は、「誰かわたしを助けてー」と叫んでいるんです。

 


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