夫の遺産分割協議に半血の義姉が音無しの構え。口座の扱いで対応が分かれる銀行

(回答者に交代)

坂井眞:
よろしくお願いします。

相談者:
あ、こちらこそどうぞよろしく。

坂井眞:
あのお、一つ最初に確認しておきたいんですが。

相談者:
はい

坂井眞:
ご主人は亡くなる時に、遺言書は・・

相談者:
ありませんでした。

坂井眞:
書いてない?

相談者:
はい

坂井眞:
で、書いてないとすると、

相談者:
はい

坂井眞:
あのお、今「遺留分」とおっしゃったけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
遺留分という話にはならないんですね。

相談者:
あ、そうですか。

坂井眞:
はい。ちょっとまあ難しくなりますけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
あの、例えばの話、遺留分で・・

相談者:
はい

坂井眞:
法定相続人、が何人もいる時に、ま、法定相続人というと難しいとしたら例えば・・子どもさん3人が相続人である時に、

相談者:
はい

坂井眞:
「そのうちの長男にだけ全部あげます」・・

相談者:
はい

坂井眞:
なーんていう事を言ってしまうと、

相談者:
はあ

坂井眞:
あとの残りの兄弟二人は、なんで貰えないの?って思うじゃないですか。

相談者:
はい

坂井眞:
でそういう時に、そういう「全部一人にあげます」と言っても・・

相談者:
あー

坂井眞:
えー法定相続分のある人は、その2分の1は・・あー「欲しい」と言えばもらえますっていう・・

相談者:
あ・・

坂井眞:
それが遺留分なんですよ。

相談者:
あ・・そうですか。

坂井眞:
だからそういう遺言書?

相談者:
はい

坂井眞:
えー、遺留分権を侵害する遺言って事になってちょっと難しいですけれども、

相談者:
はい、はい

坂井眞:
あの、最低もらえるはずのものも、あ、あの、もらえないような内容の遺言書があると・・

相談者:
あ・・

坂井眞:
それは遺留分権を侵害したって事になって、

相談者:
それが遺留分権ですか・・

坂井眞:
うん、そういう話なんですね。

相談者:
あ・・すいません(苦笑)

坂井眞:
この場合、あなたの場合は遺言書がないので、

相談者:
はい

坂井眞:
遺留分の問題ではなくて、

相談者:
はい

坂井眞:
えー相続分、法定相続分・・

相談者:
はい

坂井眞:
という事の問題になるんです。

相談者:
あ・・あそうですね、そうです。

坂井眞:
はい

相談者:
はい

坂井眞:
で、そうすると、どうもお話伺ってると、

相談者:
はい

坂井眞:
最近付き合いのあったのは、きっと・・

相談者:
付き合いは、

坂井眞:
ないんだよね?え・・

相談者:
えー20んー何年前の、お父さんの葬式の時に、参列した時に顔を合したかな?、という程度です。

坂井眞:
きっとそういうご事情だなと思って、

相談者:
はい

坂井眞:
そうすると・・ご主人の、遺産は・・

相談者:
はい

坂井眞:
それは当然、その・・わたし側に全部来るもんだというような・・前提でお話をされてるように・・

相談者:
そうです。

坂井眞:
でしょ?、あっは(苦笑)ほんで、そこはね、ちょっと誤解なんですね。

相談者:
はい

坂井眞:
それで、遺言書が、例えばあって、

相談者:
はい

坂井眞:
そういうのがあれば、ま、あとは最低・・遺留分の問題にはなるんだけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
遺言書も、もなく・・

相談者:
はい

坂井眞:
う、亡くなられた場合は、

相談者:
はい

坂井眞:
えー、法定相続人、法律で定められた相続人となる人が・・法定相続分に従って相続をするということになるんです。

相談者:
はい

坂井眞:
法律が定めた割合で、

相談者:
はい

坂井眞:
それぞれの、相続人、法定相続人が相続をしますと、こういう事になるんですね。

相談者:
はい

坂井眞:
でそう、そうやって考えると、

相談者:
はい

坂井眞:
先程お聞きした関係えー、であれば、

相談者:
はい

坂井眞:
法定相続人ていうのは、あの、妻であるあなた・・

相談者:
はい

坂井眞:
と、お、あとは・・亡くなったご主人の兄弟。

相談者:
はい

坂井眞:
お父さんお母さんはまあ亡くなられてますよね?

相談者:
はい、はい

坂井眞:
で、お子さんもいないっていう事なので、

相談者:
はい

坂井眞:
えー、兄弟・・

相談者:
はい

坂井眞:
で、兄弟は3人いますと。

相談者:
はい

坂井眞:
でえ、確かにあの、お・・お母さんの、おー、前の結婚の時にできたお姉さん二人も間違いなく兄弟なので、

相談者:
一緒なんですか?

坂井眞:
法定相続人なんです。
ただ相続分については、

相談者:
はい

坂井眞:
両方の親が、あー同じ人と、片方の親が同じ人では、

相談者:
はい

坂井眞:
相続割合、分の割合は・・2、2分の1になっちゃうんですね、半分の。

相談者:
あ、そうですか。

坂井眞:
でもそれは、兄弟の、取り分についてどう分けるか?っていう話で。

相談者:
はい

坂井眞:
あなたの取り分とは関係ない話なんですね。

相談者:
あー・・

坂井眞:
で、それ今お話してるのは民法の900条というところに全部割合が書いてあるんですが、

相談者:
あ、そうですか。

坂井眞:
あなたにとって重要なのは・・

相談者:
はい

坂井眞:
民法の900条の第1項3号というとこに書いてあるんだけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
えー話ちょっと戻してね、

相談者:
はい

坂井眞:
法定相続人が・・配偶者、つまり妻ですね、あなた。

相談者:
はい

坂井眞:
配偶者と、それから亡くなった方の兄弟である場合は、

相談者:
はい

坂井眞:
妻が、4分の3を・・の法定相続分を、持ってますと、こう書いてあるんです。

相談者:
はい

坂井眞:
・・だからこれはその、よ、預貯金だけじゃなくて、

相談者:
はい

坂井眞:
例えばご自宅が、ご主人の名義だとしたら、

相談者:
はい

坂井眞:
あーそれも含めて、えーすべてについて4分の3の割合で、妻が、取得するんだと。

相談者:
あー

坂井眞:
これが法定相続分なんですよ。

相談者:
そうなんで・・

坂井眞:
で残りの、4分の1を、

相談者:
うん

坂井眞:
兄弟で分ける。

相談者:
分ける。

坂井眞:
で、この場合どうなるかっていうと、えー、片方の、お、お母さんだけ共通、う、な、わけだから、

相談者:
はい

坂井眞:
そうすると、4分の1の半分は、

相談者:
はい

坂井眞:
あ両親共通の弟さんが・・もらう8分の1ですよね?

相談者:
はい

坂井眞:
残りの8分の1をお姉さんが二人で分ける、だから16分の1ずつって事になりますかね。

相談者:
はい、はい、あー

坂井眞:
あのそんなような分け方になるんだけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
ま兄弟がどう分けるかは、あなたの・・取得する部分と関係ないので。

相談者:
うーん、とにかくわたくしだけは4分の3。

坂井眞:
は(わ)4分の、4分の3。うん

相談者:
あー

坂井眞:
という風に、あの、民法900条の、お、3号1項3号に書いてあるんで。

相談者:
はい

坂井眞:
で、そうすると・・あの、司法書士さんが、どういう形で、えー、その・・書類をと、と取ろうとされたのか?っていう事も関係があって、

相談者:
はい

坂井眞:
本当はその法律では4分の3なのに、

相談者:
はい

坂井眞:
えーもう、んー全部放棄する前提で?

相談者:
はい

坂井眞:
・・あの、「ください」って言ったら・・なんだか変だなと思って、くれない事もあるし。

相談者:
はい。
「もちろん謝礼はする」という風に、お話はしましたけど。

坂井眞:
うん、で、「謝礼」っておっしゃるんだけど、これ謝礼の話じゃなくて、

相談者:
はい

坂井眞:
え、遺産分割協議の話なんですよ。

相談者:
あー

坂井眞:
もう一回話戻しますけど、

相談者:
あー

坂井眞:
えっと法定相続人が、

相談者:
ええ

坂井眞:
亡くなった方の、

相談者:
はい

坂井眞:
ま、被相続人といいますけど、

相談者:
はい

坂井眞:
亡くなった方の、遺産を、どう分けるか?っていう事を、遺産分割協議・・

相談者:
はい

坂井眞:
どう分けるかっていう風に協議するのを遺産分割協議というんですね。

相談者:
はあー

坂井眞:
で、この場合、遺産分割協議をしなくちゃいけないんです。

相談者:
はあー

坂井眞:
えっと「判子ください」と言って、判子くれたから、

相談者:
はい

坂井眞:
それで全部あなたの物になるというわけではなくて、

相談者:
うんー

坂井眞:
で、最初にきっと銀行が言ってたのは、
「『夫の姉の遺産分割書をくれ』と言ってる」と言ったのは、

相談者:
はい

坂井眞:
「取り分ゼロでいいですよ」と。
法律・・

相談者:
そういう意味なんですね?

坂井眞:
うん、そういうのを下さいと。

相談者:
そういう事ですね。

坂井眞:
で、そうすると法定相続分があるのに、

相談者:
うん

坂井眞:
「取り分ゼロでいいから・・いいですよ」というのを、くださいっていう、なんか、書類送られて来ると、

相談者:
うん

坂井眞:
ま、普通の人はあまり積極的にならない場合もありますよね?

相談者:
なるほど。

坂井眞:
人によったら20年も関係ない人なんだから、

相談者:
はい

坂井眞:
「もう謝礼もいらないから判子押しましょう」っていう人もいるかもしれないけど。

相談者:
弟はそう言ってくれたんです。

坂井眞:
うん。そういう人もいるし、

相談者:
はい

坂井眞:
え、なんか自分の都合のいい事ばっか言ってえ、無視しちゃおうっていう人もいるので、

相談者:
はあー

坂井眞:
でそういう事はま・・想像つくじゃないですか。

相談者:
分かります。

坂井眞:
うん。だから、あの弟さん、に関してはもうきっと放棄って書いたのか、あー遺産分割協議でゼロでいいっていう風に書いたのか分からないけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
いずれにしても「取り分なしですよ」っていう事を言ってくださったので、

相談者:
そうです。

坂井眞:
クリアできた。

相談者:
はい

坂井眞:
だけれども、そのお姉さん二人に関しては、

相談者:
はい

坂井眞:
法定相続人だから。

相談者:
はい

坂井眞:
向こうがそういう風にやってくれないんだったら、

相談者:
はい

坂井眞:
遺産分割協議をしなくちゃしょうがないんですね。

相談者:
あ、なるほど。

坂井眞:
で、ちょうど最近ちょっと前に、その銀行預金も、

相談者:
はい

坂井眞:
預金とか現金についても・・

相談者:
はい

坂井眞:
勝手に分割、法定相続分通り分割するんではなくて遺産分割協議の対象ですっていう事を、最高裁い・・の判例が出てるので、

相談者:
はあ

坂井眞:
えーすと銀行としてもそういう、取り扱いの変更お、のあった判例なんですけれども、

相談者:
はい

坂井眞:
あの銀行としても、おー、誰か一人の名前じゃ、あ、その、
「4分の3だけ下ろしてください」って言っても今は下ろせないんですね。

相談者:
はあ

坂井眞:
そういう、ちょうど最高裁の判例があった、判例が出たので。
で、本質的には、ま、そういう風に・・いー、放棄するなり、分割、あの、取り分ゼロでいいですというサインをしてくださらないんだったら、

相談者:
はい

坂井眞:
やっぱり、あの遺産分割協議・・をしなくちゃいけない。
で、それは・・具体的にはどうするかというと、話し合いで済めばいいけれども、済まないんだったら、家庭裁判所に、遺産分割協議のまず調停を申し立てる事になりますよね。

相談者:
はあー

坂井眞:
だけど、そうは言ったって、

相談者:
はい

坂井眞:
・・調停申し立てて、えー話進めていけば・・あの最後は・・話が・・まとまらなければ話がまとまらなければ・・

相談者:
はい

坂井眞:
裁判所が審判という形で、

相談者:
はい

坂井眞:
ま、判決みたいな形、審判といいますが、

相談者:
はあー

坂井眞:
出して、くれるので。
そこはとにかく、やられた方がいんじゃないかと・・思いますけどね。
え、ずっと縁がなかったんだから・・

相談者:
はい

坂井眞:
あのお・・弟さんが、快く、
「もう俺はいらない」っていう態度を・・

相談者:
うん

坂井眞:
取ったように。

相談者:
はい

坂井眞:
あのあとのお姉さん二人も・・どれだけの事を言うか分からないし。
よっぽど欲張った事言ったって、二人合わせて4分の1だと思って、

相談者:
はい

坂井眞:
あの、ちゃんと手続きされた方が・・いいと思いますよ。

相談者:
ありがとうございました。

坂井眞:
はい、よろしいですかね?

相談者:
はい、どうも。

(再びパーソナリティ)


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