男の真意は? 自分の相続、統失妻、末期癌の弟、成年後見のアドバイスも生返事

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
よろしいですか?

相談者:
はい・・

加藤諦三:
はい

相談者:
ありがとうございます。
・・失礼いたします。

加藤諦三:
援助のための、様々な社会的制度を出来るだけ利用してみましょう。

(内容ここまで)

自分亡き後の妻を心配する男。

こんな感じにさせられてしまったんだけど、いいのかしら?
もしそうなら妻の統失のこと最初に言わない?
実際は中川弁護士に替わってからやっとっていう感じ。

男は最初、こう言っていた。

「弟は長くて半年だから相続する人間が法律的には居ない事になってしまう」

妻はアウトオブ眼中。

言うまでもなく、妻はいかなるときも夫の相続人。
そのことを中川弁護士が指摘したところ、今度はすぐさまこう返して来た。

「妻が死んだ後ってどうなります?」

妻の暮らしを心配しての相談だったら、絶対に出てこない質問だ。
そら成年後見人のアドバイスなんか生返事になるわ。

じゃ、自分より先に妻が逝くことを前提に、自分の遺産処理を気にしているのかと思いきや、そうでもないみたい。

「妻がそれだけの事が出来るかどうか?っていう心配がある」

やっぱ自分が先に逝くことを前提にしているんだよね。

 

「不動産の問題にしても、墓の問題にしても、妻の弟とかに迷惑掛けてしまうんじゃないかな?っていうのも心配」

そら手間は掛けてしまうけど、プラスの財産じゃん。
気にするほどの迷惑か?
姉弟として当たり前の範囲じゃないの?

いずれにしても、あくまで心配のタネは、妻の暮らしじゃなくて、妻が亡くなった後。

 

男の受け答えから矛盾のない相談の真意を導き出すと、

「自分亡き後の遺産のゆくえ」
結局は男が加藤氏に最初に告げたことになる。
これを中川弁護士が強引に妻の心配に書き換えてしまった。

セオリーからいくと、男の遺産は、まず妻が全てを相続し、その後で妻が逝けば、(妻の両親が他界しているとして)妻の二人の弟が半分づつを相続する。

これのどの部分が引っかかるわけ?
弟らとは頻繁に行き来があって仲は悪くないとも言ってるし。

なにより、夫婦共々まだ50代前半。

解せん。

 

ひょっとしてアンタ、話に出て来た、統失妻の弟本人じゃない?

この前提で聞き直すと、ぜ~んぶの辻褄が合ってしまった。(笑)

まず、亡くなる順番が弟らにとってはすごく大事。
統失妻より先に夫が逝ってこそ、不動産を始めとする遺産が巡り巡って妻の身内に転がり込んで来るからだ。

もしこの順番が逆になれば、相続人のいない姉夫婦の遺産は宙に浮くことなって、国のものとなる。

これが、冒頭の「法的に相続人がいないことになるので」という奇妙な質問につながるわけだ。

統失妻の夫、すなわち弟らからすれば義兄の遺産を確実に手にするためには義兄に遺言を書いてもらわねばならない。
頼みづらいこと極まりないが、姉が逝った後では行き来する必要すらなくなってなおさら難しくなる。

統失姉夫婦の相談役として弁護士をつけろなんていう今日のアドバイスを聞かせられるのはさぞかし辛かったろうて。(笑)

とにかく今のうちに義兄に水を向けなければ話にならない。
その際の口火が、
「妻に処理できるかどうか・・」
「弟らに迷惑が掛かってしまう・・」
というつぶやきにつながるわけだ。

 

アンタにとって理想のストーリーは、
義兄が自分亡き後の妻へのサポートを期待してアンタら弟にも遺産を分配し、さらに姉もアンタら弟を信頼して財産管理を任せる。
もしくは姉亡き後、義兄がアンタら弟に遺贈しようと考える。

自然とこう持っていくための方策は一つしかない。

下心をひた隠しにし、今から姉夫婦に対する
真心からの、
何年続くかも分らない、
報われるかどうかも分らない、
無償のサポートを続けることだ。

でも、無理。
それが出来る人なら、こんな相談はしないから。

 


男の真意は? 自分の相続、統失妻、末期癌の弟、成年後見のアドバイスも生返事」への4件のフィードバック

  1. この御主人は、ご自身の亡き後、金銭の管理が出来ない奥さんを利用して、その弟が財産を使うのでは無いかと心配しているように感じた。奥さんを心配しているとは思えなかった。私の思い違いだろうか。

  2. ああ、成る程。相談者の心配は弟に対して、ね。それなら話が纏まる。でないと、妻の亡き後、だなんて出てきませんから。私は、相談者本人がトウシツか、相談者に実は浮気相手がいてその人に相続させたかったのか、なんて穿った見方をしていた(汗)。遺言書残しても、遺留分は妻に行くから浮気相手云々は無理がある。
    しかし、相続者の本心が弟への対抗意識だとしても、何故それを隠して相談しちゃったのかという疑問が。後ろめたさはあったのかな。今頃は、きちんとお金支払って弁護士に正式に相談しているのかも。

    1. 自分の推理は全然ダメですね(苦笑)。相談者の正体は、その義弟。そこまで至りませんでした。それはそれで、相談者の真の姿の義兄(表向きの相談者のプロフィール)がヤバい立場ですね‥。

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