対象喪失からの4ステップの2。家庭持ちの娘が突然逝って涙にくれる母の半年

(回答者に交代)

中川潤:
突然亡くなられるほどの、辛さっていうのは、

相談者:
はい

中川潤:
耐えがたいものがありますよね。

相談者:
ええ(震え声)

中川潤:
昨日のお、夜まで、普通にしていたのに、朝起きて来ない。

相談者:
はい

中川潤:
今、胸の中にあるね?

相談者:
はい

中川潤:
ぽっかり穴が開いたような・・

相談者:
はい

中川潤:
気持ち、

相談者:
はい

中川潤:
これどんどん、どんどん大きくなってくんだよね。

相談者:
はい

中川潤:
うーん
だけどね?・・お孫さん

相談者:
はい

中川潤:
二十歳の、残された、子供さん。

相談者:
はい

中川潤:
中3の、男の子ね?

相談者:
はい

中川潤:
いるでしょ?

相談者:
はい

中川潤:
彼も彼女も・・おんなじように悲しいよね?

相談者:
はいそうですね。

中川潤:
ねえ。

相談者:
(鼻をすする)

中川潤:
だからねえ、必死でえ・・それに、耐えてるんだよな。

相談者:
ええ(涙声)

中川潤:
ね。
でも、加藤先生言われたように・・1人になったときにね?

相談者:
はい

中川潤:
思いの丈泣く・・ね?

相談者:
はい

中川潤:
悲しむ。それしかできないですよ。

相談者:
あ、はい

中川潤:
ね?

相談者:
はい

中川潤:
でね、「時が解決する」って簡単に言うんだけども、

相談者:
ええ(涙声)

中川潤:
なかなか・・時は、解決をしてくれるわけではなくて、

相談者:
はい

中川潤:
和らげてくれるというか、慣らしてくれるというか。

相談者:
はい

中川潤:
ね?

相談者:
はい

中川潤:
ただね?・・奥さま今はさっきおっしゃったけど・・あっちでどないしてるかな?、ね?

相談者:
はい

中川潤:
なんか辛い思いでもしてるのちゃうやろかと。

相談者:
はい

中川潤:
思うわけでしょ?

相談者:
はいそうです。

中川潤:
でもね、それはね、逆に思ったほうがいいんだよね。

相談者:
ええ

中川潤:
お母さんのことずっと見てくれてんだよ。

相談者:
はい

中川潤:
お嬢さんは。

相談者:
はい(涙声)

中川潤:
ね?

相談者:
はい

中川潤:
「ごめんね、先逝っちゃってね、逆縁でね」ってね?

相談者:
はい

中川潤:
で・・「辛い思い、させちゃうけんど」・・ね?
「わたしは、ちゃんとお母さんのこと見てっから」・・

相談者:
はい

中川潤:
で「お母さん悪いけんど、わたしの子供たち・・のこと、わたしとおんなじように見てやってくんない?」ってね?

相談者:
はい

中川潤:
そう思って見てるんだと。ね?

相談者:
はい、はい

中川潤:
そういうふうに・・思ってあげて。

相談者:
あはい

中川潤:
その向こうへ行って可哀想だなん、ていうふうに思ってあげたら・・お嬢さんもっと可哀想だよ。

相談者:
あ、そうですか。

中川潤:
うーん

相談者:
(鼻をすする)うん

中川潤:
お母さん、子供置いてね・・まだ・・中学生の子供置いて・・先逝っちゃって、さぞ無念だったろうって、そういう思いが・・あるわけでしょ?

相談者:
はい

中川潤:
娘さんにね?

相談者:
はい

中川潤:
でもね?お嬢さんのほうは・・

相談者:
(鼻をすする)

中川潤:
そっちから・・見てんだから。

相談者:
はい(涙声)

中川潤:
でもね?・・そう思ったって・・心ん中のぽかって空いたね?

相談者:
はい

中川潤:
もうちょっと経って、涙がね?

相談者:
はい

中川潤:
泣くことが少し少なくなって来ても・・今度はね、胸ん中に空いた穴がボンボン、ボンボン膨らんで来ますよ。

相談者:
はい

中川潤:
ね?
ポカーンとね?

相談者:
はい(鼻をすする)

中川潤:
「あんときもっと喋っといたら良かったな」とかね?

相談者:
そうです。

中川潤:
うーん・・いろんなこと・・

相談者:
もっといろいろしてあげたら良かったなとか・・

中川潤:
そう、そ、そ、「やはりやっといてあげたら良かったのにな」とかね。

相談者:
そう

中川潤:
で、しょうもないこと思い出してね?

相談者:
うん

中川潤:
「なんであんとき」、「あんとき」・・「あんなキツいこと言うてしもたんやろ」とかね?

相談者:
うん

中川潤:
ね?

相談者:
うん

中川潤:
な、ほんなことはどうでもええんです。

相談者:
(鼻をすする)うん

中川潤:
どうでもええんですっていうのは・・

相談者:
はい

中川潤:
ちょっと乱暴な言い方したんですけども。

相談者:
はい

中川潤:
逆に言や・・仏さんならはったんですから。

相談者:
はい

中川潤:
ね?

相談者:
はい

中川潤:
向こうから、お嬢さんが・・逆にいうとね?

相談者:
(鼻をすする)・・はい

中川潤:
先に行って、お嬢さんが・・お母さんのことを、ね?

相談者:
はい

中川潤:
じいっと・・微笑んで見てくれてると。

相談者:
はい

中川潤:
思ってくださいよ。

相談者:
あそうです、はい

中川潤:
そうでもなければ救われないから気持ちが。

相談者:
ええ

中川潤:
ね?

相談者:
はい

中川潤:
ただ時間を掛けて慣れて行きましょうよ。

相談者:
うん

中川潤:
ねえ?・・先生が言われたように・・泣くだけ泣くしかないもん。

相談者:
あ、そうですね。

中川潤:
ね?

相談者:
うん

中川潤:
ただ、いないという事実は・・これはもう、動かしようがないんだから。

相談者:
ええ

中川潤:
慣れて行くしかないんです。

相談者:
ええ

中川潤:
残念ながら。
ただね?

相談者:
はい

中川潤:
ある意味救われるのは・・お嬢さんの・・血を分けた・・

相談者:
はい(鼻をすする)

中川潤:
お孫さん・・たちがいるじゃないですか。

相談者:
ええ

中川潤:
お嬢さんにしてあげたかったことを・・お孫さん達にしてあげて。

相談者:
あ、はい

中川潤:
ねえ?

相談者:
はい

中川潤:
加藤先生に代わりますね。

相談者:
はい、ありがとうございます。

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
まあ、人は常に何かを失いながら生きて行くわけですよ。

相談者:
ええ

加藤諦三:
それで何かを失ったときに最初は否認の段階っていうのあるんです。

相談者:
ええ

加藤諦三:
娘が、亡くなったこと信じられないっていう。

相談者:
はい

加藤諦三:
否認の段階っていうのがあるんですよね。

相談者:
ええ

加藤諦三:
で、否認の段階から、次が・・
あー、やっぱり亡くなったんだっていう・・現実を受け入れる段階になるんです。

相談者:
ええ

加藤諦三:
これが否認の段階から、絶望の段階っていうんです。

相談者:
ええ

加藤諦三:
そいで・・その絶望の段階を・・

相談者:
(鼻をすする)

加藤諦三:
さっきあなたが言ってたように大声でかえて泣いているという・・そういうことを通して、

相談者:
はい

加藤諦三:
次は再生への希望っていう段階があるんです。
これが「対象喪失の仕事」っていうん、ですけどね。
対象喪失、人間は常に何かを失うわけですから、

相談者:
ええ

加藤諦三:
で、対象喪失、した場合に、その対象喪失の・・仕事っていうのはまず・・否認・・絶望・・再生への希望、そして・・最後に、新しい人生の・・始まりというスタートという・・になるわけです。

相談者:
はい

加藤諦三:
だから、これを途中でやめちゃうと・・新しい人生のスタートが、始まらないんですよ。

相談者:
はい(鼻をすする)

加藤諦三:
ま、何も、娘のばっかりじゃなくて、出会いの場合だってそうですよね。恋人お、と、別れるから始まって・・仕事だってそうでしょ?

相談者:
ええ

加藤諦三:
常に人間は何かを失いながら・・生きて行くわけです。

相談者:
ええ(鼻をすする)

加藤諦三:
ですから・・さっきあなた「半年前に比べれば楽になった」って言いましたけどもね?

相談者:
はい

加藤諦三:
楽になって・・再生への希望の段階に、も、入りつつあるんです。

相談者:
あ、はい

加藤諦三:
もうしばらく経つと・・今度は、あ・・新しい人生として・・自分の人生を考えられるようになりますから。

相談者:
先生が・・

加藤諦三:
はい

相談者:
最初に・・「現実を認めれば」・・「あとは開ける」って言葉ありましたね?

加藤諦三:
はい

相談者:
そのとき(鼻をすする)それ聞いて前に、「そうだな」と思ったんですけどね(泣)。

加藤諦三:
ええ

相談者:
うーん(泣)

加藤諦三:
現実を・・

相談者:
うーん(泣)

加藤諦三:
否認する段階っていうのが、どうしてもあるんです。信じられない・・

相談者:
うん・・うーん

加藤諦三:
ていうのは。だけど、もう今あなたは・・

相談者:
はい

加藤諦三:
もう信じられないっていう段階から、

相談者:
はい

加藤諦三:
次の段階に、

相談者:
(鼻をすする)

加藤諦三:
来出してるわけですよ。

相談者:
ええ(泣)

加藤諦三:
次はもう再生への希望の段階に来ますから。

相談者:
は、はい・・(鼻をすする)

加藤諦三:
・・

相談者:
はい、頑張ってみます。

加藤諦三:
うん

相談者:
(泣)

加藤諦三:
新しい人生がスタート、するのを・・

相談者:
はい(泣)

加藤諦三:
信じて。

相談者:
はい(鼻をすする)

加藤諦三:
悲しいときは・・悲しんでください。

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
はいどうも失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございました。

加藤諦三:
感情は、表現することで、処理できます。

 


「対象喪失からの4ステップの2。家庭持ちの娘が突然逝って涙にくれる母の半年」への4件のフィードバック

  1. なるほどね…加藤さんの心理的な観点からの
    アドバイス、あと助言ですね
    喪失感って人間生きている間は人と出逢うことでまた別れや失う事は当然だよね
    コレは宿命なんでしょうね?
    今日の相談者は事実よりも「どう受け入れるか」感情の処理の仕方を学んだと思いますね
    悲嘆―絶望―未練―再生って言われる
    心理的なプロセスがあります
    相談者はどの辺に当たるんでしょうか?
    誰しも経験して乗り越える力強くなっているリスナーさんやその他沢山の人達が
    体験していることです
    よく加藤先生が「バケツ一杯涙を流して欲しい」って表現します
    まさに…その通りだと思います
    よく「男は涙を流すな」って言われた世代がありました…感情の動物ですので人間は…
    相談者さんは速く切り替えて
    亡くなった娘さんよりも長く生きる姿勢で
    人生を過ごして欲しいと強く望みます

  2. あまりにも(ある意味シンプルに)悲しい、気の毒な相談だから、あえてちょっとユーモラスな軽みのある中川先生になったのかな。
    大原先生で泣きの涙の回にしても、相談者さんの癒しになったと思うけど。

    他の事が考えられないような状態なら、ひたすら菩提を弔うことに熱中するのはどうだろう(いつまでも納骨しないのは良くないなんて説もあるし)
    私もつい最近母を亡くしたんだけど、仏壇やら仏具やらを誂えて、それらしくやってたら、すごく気持ちが救われた。
    逆縁の辛さは想像を絶するものがあるけれど。

  3. 実母は全く、私が死んでも笑う薄情女です。自殺未遂して入院した時には同情するふりをしてましたが。先日は自分のボーイフレンドの自慢話を延々1時間半でした。私の話は一切聞かない自己中ババア。私は今年、44になりますが、実母に仕返しするために、生きます!

  4. すごい人だ…
    旦那さんに八つ当たりせず、甘えず、旦那さんも辛いんだって思いやりで泣くのを我慢…
    何より娘が亡くなってこんなに悲しむなんて…
    この自己愛の時代に、こんなに共感能力のある人がいるのか!?

    私が自殺したとしてもこんなに悲しむ人居ないよ! 実際自殺未遂しても無視されてむしろ説教されてお祓いされたよ!

    このお母さんは真の意味で心が優れてるよ! 娘さんはちゃんと育てられて幸せだったに違いないよ!

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