認知症の母の口座から1千8百万を着服した叔母。警察を動かすための弁護士レク

(再びパーソナリティ)

ドリアン助川:
すいません。
お母さんはこの事実をどう受け止めてんですか?それとも認識がないんですか?

相談者:
分かりません。うんー、で、信じてないです。わたし達が言っても。
「持って行っちゃったんだよ」って話(はなし)しても、信じないです。
「えー?」って話です。で、親・・

ドリアン助川:
ていうことは坂井先生おっしゃる通りでえ・・その、当日の意識が全くないという事ですよね?

相談者:
そうですねえ・・

ドリアン助川:
うん

坂井眞:
そうですね。

ドリアン助川:
うん

相談者:
現金500万で受け取った事も、覚えてないんですから、次の日に、もう。

ドリアン助川:
うーん、ではその落ち着き、を、失わないように(苦笑)・・

相談者:
あーあ、そうそ、ありがとうございます(苦笑)

ドリアン助川:
今後も進めてって下さい。

相談者:
はい、ありがとうございました。

ドリアン助川:
はい、失礼します。

相談者:
じゃ頑張りますので、はい

(内容ここまで)

事情も分からず連れ回される母親が不憫だ。

やること大胆だねえ、叔母。
ま、世の犯罪の大半はどこにでもいるカタギによるものだ。

 

ドリ助  「その落ち着きを失わないように」

男が落ち着いているのは、ここ一ヶ月余りさんざん手をつくして、事情が飲み込めたからだ。
分かってもらえない事情が分かったっつうのかな。

親族による窃盗は親告罪。
そして、その被害届を出せるのは、被害を受けた本人。
つまり母親だ。

息子が手ぶらで警察に駆け込んで訴えたのは、窃盗行為に被害者本人が付き添ったという変な話だ。
丁寧にお引取り願うしかない。

叔母による送金についても、息子がやっていた引き出し行為との違いは金額だけ。

警察にとっては、母親を挟んで息子と叔母はフィフティ・フィフティ。
民事紛争の域を出ないんだな。

警察 「叔母さんはお母さんの財産をあなたから守るために引き出したんじゃないの?」

(笑)
言われたかも

 

なので、男は今、母親の意志ではなかったという証拠を揃えようとしているわけだ。
今日、母親を病院に連れて行ったのもソレ。

じゃ、今日の電話は何を相談したかったの?

 

さて、これからのシナリオなんだけど、
告訴状が受理されれば、叔母は逮捕されることになる。

で、起訴されて有罪になれば、一千八百万円という金額が効いて、一発懲役刑。
相場からいくと、2,3年食らうらしい。

だけど、どうなんでしょう?
母親が認知症だとしても、叔母はそこまで重いとは知らなかったという弁解も可能だ。
嘘には違いないけど内心のことは誰にも分からない。

そして、その嘘に正当性を与えるのは他でもない今の母親の症状だ。

母親は昨日のことも覚えていないって言うんだけど、忘れるということと、意思表示が出来ないことは違うわけよ。

意思表示はハッキリ出来るけど、覚えていない。
これは矛盾しない。

「うん」「はい」「分かった」を相槌ちの如く言う痴呆老人は多い。
そもそも母親が全く受け答えが出来なければ長谷川式(*)は使えないわけで。

(*)長谷川式:
認知症の診断に用いられる簡易的手法。
質問に答えてもらい点数化する。
30点が満点で、低いほど症状が進行している。
この母親の11点は中程度とされる。

だから、本人から承諾を得たという主張は認められなくても、そう信じたという叔母の言い分は通らなくもないわけだ。

もっともその場合は、姉妹で暮らすつもりがなかったのであれば、今度は詐欺罪だ。
ただそれも、立証は難しい。

結局、
少なくとも叔母に犯意はなく、本当に一緒に住むつもりで、お金に関しては本人の意志だと勘違いした。
疑わしきはなんとかの原則に従えばこれが通る。
通れば、不起訴だ。

なんだか、相談者に不利な雰囲気だが、そんなことはない。
別に、叔母をブタ箱にぶち込むのが目的じゃないでしょ?

不起訴はあくまで可能性。
ムショ暮らしになるかもしれないという恐怖は半端ない。
そこで意味を持ってくるのが告訴状。

金を返せば告訴を取り下げるみたいな取引が出来るわけだ。

もちろん、有罪になれば、窃盗は返せばいいってもんじゃない。
だけど、執行猶予付きになったり、減刑されたり、返却の有無が量刑に大きな影響を与えることになる。

 

以下も、認知症患者を食い物にした親族。
これだけの悪事でも民事にしかならない。
死後賠償請求というアイデアを弁護士が指南する興味深い回だ。

まるで暴力団。痴呆の姉の預金を使い込んだ兄夫婦から取り返し方

 


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