妻を20年看護してきた夫、離婚できるか?

テレフォン人生相談 2014年10月15日 水曜日

相談者: 男68歳 妻62歳

パーソナリティ: 今井 通子
回答者: 坂井眞(弁護士)

相談者:
妻がですね、統合失調症、パーキンソン、膠原病、と三つの病気で・・。
統合失調症の妄想が酷くてですね、もう、私と一緒に居れない、この家にも住めない、と。

だから、離婚してくれとか、別居してくれ、とか色々言って・・、私も・・それが20年近くなるんですよ。

ずうっと、そういうことを言われて・・先日、先生が、
「もう、20年かー、よく頑張ったね」、って言われて・・、それで、私も、ガックリというか、すごく、気抜けした感じでですね、力が抜けて・・、まだ、これから頑張っていかないかんのかな、と思って・・。

本人が・・、まあ、病気が言わせてることですけど、離婚してくれ、って言うもんですから・・、もう、それに乗っかって、離れようかなと・・、気持がそういう風になってるもんですから・・。

病人を置いて、離婚したり、出て行ったりするのは、どうなんだろう、と・・。

子供には保護責任とかがありますよね?
病人に対しても保護責任があるのかなー、と思ったり、色んなことを考えているものですから・・。

今井通子:
お子様はいらっしゃいます?

相談者:
いえ、だいぶん前に亡くなって・・。

今井通子:
息子さん?、お嬢さん?

相談者:
息子でした。

今井通子:
一人っ子でしたの?

相談者:
はい。

今井通子:
何歳で亡くなったの?

相談者:
一歳足らずです。

今井通子:
そういうことですか。
実質、ずうっと、お2人で生活なさってたってことですね。

相談者:
そうです。

今井通子:
これ、ご結婚前には分からなかったの?
奥様の統合失調症は。

相談者:
20年くらい前に気がついたんですよ。
それまでは全然分からなかったです。

今井通子:
ご結婚何年目でしょう?

相談者:
36、7年になります。

今井通子:
保護責任って仰ってたけど、介護をしなければならない状態だったの?

相談者:
そこまではないんです。
たぶん、本人は元気なんですよ。
ただ、言ってることがめちゃくちゃで、・・包丁持って殴りかかってきたこともあったんですけど。

今井通子:
奥様が?

相談者:
はい。
薬を飲んだりして・・なんとか病院に行くようになって・・。
薬を飲んだりして、少しは落ち着いてるんですけど・・、妄想自体が・・。

先生も、
「もうこれは、消えない」、と。
「妄想は消えないから、今の生活の7,80%ぐらいで、良しとしないといけないだろうな」と、いう診断なんですよ。

今井通子:
あなた自身は、今は、もうリタイアされているんでしょうけど、現役のときは、自営、それともお勤め?

相談者:
会社員でした。

今井通子:
奥様は専業主婦でらしたの?

相談者:
そうです。
時にはパートに行ったりしてましたけど。
調子のいいときには、そうやって行けるわけなんですけどね。
でも、帰ってきたら、妄想が酷くて・・。
「誰かが見張ってる」、
「近くで無線機を持って見張ってる」、
そんな状態でして・・、
「この家には居れない」、と。

今井通子:
そういう意味で、この家には居られない、って言うわけね。
あなたと一緒に居たくない、じゃないのね?

相談者:
いや、それもあるんです。
私もそれの仲間だから。
ちょっと、一時、単身赴任という形で、ほんの2年くらいだったんですけど、もうその間におかしかったですね。

今井通子:
あー、なるほどね。

相談者:
一人でここに住んでいたものですからね。

今井通子:
今日の相談は、あなた自身が、頑張りましたね20年、って言われたんでしたっけね?
それで、もう、心の緊張感が取れてしまって。

相談者:
そうです。

今井通子:
これ以上、辛くて、やっていけない、と思われている。
そこでお聞きになりたいことは、こういった手助けが必要な奥様と離婚するってことが、人道的ではなく、法的に、保護責任の委棄になるかってこと?

相談者:
そうですね。
どうしても気になりますよね。
ホントなら、パーっと飛び出していけばそれで済むんですけど・・。
なんだ、かんだ、色々後を考えるもんだから・・。
ですから、そういったことを聞きたいと思って・・。

(回答者に交代)


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