【日曜に読む傑作選】バレンタインに贈る物語。薄化粧の君に花束を

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
あのお・・
今、要するにあなた、悔やんでも悔やみ切れないような事があるんでしょう?
「こうしてあげれば良かった」とか。
「これはこう、はや・・実はこうすれば良かった」とか。

相談者:
(涙声で)それはもう・・早く一緒になるべきでした。

加藤諦三:
うんうん・・
あのお、突然錯乱状態になってる訳じゃないですよねえ?
色んな心の問題を、あってえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
それがあ、ある時、処理しきれなくなってえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
錯乱状態になる訳ですよねえ?

相談者:
・・はい
それは、気付きませんでした。

加藤諦三:
・・うん
あのお、あなたも、もちろん気付いていないしい、

相談者:
はい

加藤諦三:
ご実家も気付いていないしい、

相談者:
はい

加藤諦三:
・・・それからあ、まあ、彼女の立場から見るとねえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
それが正しいかどうかは、主としてえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
・・「やっぱり、周りの人間は冷たいな」と彼女は感じていたんだと思うんですよ。

相談者:
・・・はい
だ、その・・相談は、して欲しかった・・っていうのもあります(涙声)

加藤諦三:
相談できてればあ、

相談者:
はい

加藤諦三:
家族の者とか、あなたに相談できてれば、こういう事にはなってない訳ですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
・・・だからまあ、僕が言いたいのはね、

相談者:
はい

加藤諦三:
今、よく分かりますけれども、悔やむのはね?

相談者:
はい

加藤諦三:
あーでもない、こうでもないって言って、自分を責めていてもお、

相談者:
はい

加藤諦三:
・・・立ち上がれないんじゃないか?という事なんですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
自分を責める事では、

相談者:
はい、そうですね、はい。

加藤諦三:
ちょっとキツい言い方だけどお、

相談者:
はい

加藤諦三:
やっぱり彼女はあ、実家とも、あなたともお、

相談者:
はい

加藤諦三:
心が触れ合ってなかったんですよね。
で、こんな事を僕がグチグチ言うのはね・・

相談者:
はい

加藤諦三:
要するに、現実が分かった方が立ち直りは早いんですよ。

相談者:
・・はい

加藤諦三:
・・・あの、自分を責めると、どんどんどんどん・・気が弱くなっていくだけですからあ、

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
はい、どうも、失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございます。

加藤諦三:
実存的レベルで、コミュニケーションがある人は、自殺はしません。

(内容ここまで)

ちょっと暗過ぎたか。
てか、番組的にハッピーバレンタインとかあるわけないでしょ。
(当サイトの記事の公開日は2017年2月14日)

せめてタイトルぐらいはオシャレにしたつもり。
「とと姉ちゃん」の主題歌でもあるアノ歌。

毎日聞いてたんだけど、飛び降りた藤圭子の火葬の歌 母親を偲ぶ歌だと知ったのはしばらく経ってから。
それまで元気よく口ずさんでたアタシ。(笑)

近い人を見送ったことのある人にはすぐ意味分かるよね。

意外に歌いこなすのが難しいんだな、これ。
特に、出だしの音の取り方と、そこからの低くて単調な部分がもたないの。
ま、彼女の歌はどれも難しいんだけど。

 

さて、
10年同棲した女を無理やり実家に追い返したら、自ら命を絶った。

これは、くるわ。

だけど、回答の方は期待に違(たが)わず番組ならでは。

ありがちなのは、
「彼女だってきっと感謝してる」
「あなたと出会えて彼女は幸せ」

こんな感じで慰めるところ。

加藤 ちょっとキツい言い方だけどお・・

 

ウツにしろ、統失にしろ、ある日突然発症するわけではない。
発症したのがあんたのせいとは言わんけど、何より避けて欲しかったのは急激な環境の変化。

男 「一度、帰ったら?」

彼女は別れと受け取ったみたい。
でも、それ当たってるよね?

 

男  「早く一緒になるべきでした」

そういうこと言う?
それ、32歳のまともな彼女と、っていう意味?

だけど、その彼女と結婚できるのは19のあんただよ?
当たり前だけど。

時計の針をひと月前に戻せたとしてだ。
42の錯乱女と結婚するの?

しないよ。

 

花束を君に

歌、作詞、作曲 宇多田ヒカル

普段からメイクしない君が薄化粧した朝
始まりと終わりの狭間で忘れぬ約束した

花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても真実にはならないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に

毎日の人知れぬ苦労や淋しさも無く
ただ楽しいことばかりだったら愛なんて知らずに済んだのにな

花束を君に贈ろう
言いたいこと 言いたいこと
きっと山ほどあるけど神様しか知らないまま
今日は贈ろう 涙色の花束を君に

 


【日曜に読む傑作選】バレンタインに贈る物語。薄化粧の君に花束を」への2件のフィードバック

  1. なんとか美談にして心を慰めたい男、でしょうか。
    それはそうと、今話題の著作権団体から何かないか、大きなお世話ですが心配です・・。

  2. 時々思い出すこの相談。
    読後、ただ寂寥感が漂います。
    見ず知らずの彼女の心に、思いを寄せて。
    ・・・と書き込んでいたら、シャッフル再生で宇多田が流れてきたw
    Flavor Of Lifeだったけど。

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