亡くなった男の奨学金債務は連帯保証人の親か?相続人の妻か?

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
はい、よろしいですか?

相談者:
はい。大変にありがとうございました。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
はい、参考にさせていただきます。
失礼いたします。

(内容ここまで)

どこのカテゴリに入れるか、5分悩んだ。

奨学金と連帯保証債務、転じて相続問題、結局は嫁姑問題。

督促を7年も無視できるメンタルの姑と、
忘れ物を渡そうと追いかけてるのに、勘違いしてシカトする元嫁。

すぐそこにある出口を見つけられないであたふたするネズミを上から見ている気分だ。

 

別名”死後離婚”
普通は出さない姻族関係終了届

加藤氏も知らなかった姻族関係終了届だけど、最近増えてるらしい。

まず、平均寿命からすると、多くの女性が死別に遭う。

離婚だと夫の親族とも即他人になるわけだが、死別の場合はそうはならない。

姻族関係終了届が死後離婚と呼ばれる所以だ。

お墓とか、介護とか、節目のお付き合いとか、あるいは再婚に際しての気後れとか、
夫の親族とはどうしてもこういうのが付いて回る。

でも、それだって別に強制じゃないんだし、関係終了届なんていう絶縁状を出さなくても良さそうもんだけど、言い換えれば、そこまでしてでも、他人の関係に戻りたいという嫁の強い意思表示なわけだ。

手続きは至って簡単で、終了❝届❞と言うぐらいだから、役所に出せば済む。
誰との合意も必要ない。

ただし、届けが簡単でも、一旦受理されると戸籍に書き込まれ、取り消しが利かない。
感情のまま、あんまし気楽に出さない方がいいかも。
出すのはいつでも出来るし。

もっとも、届けを出すことによる特段のデメリットがないのも確か。

嫁姑との関係は切れるものの、相談者と孫との血縁関係になんの影響もなく、坂井さん言うように相続に際しても孫には何の不利益も及ばない。

あと、嫁の姓にも影響がなくて、姻族関係終了後も、嫁は夫の姓を名乗ろうが、元に戻そうが、どっちでもかまわない。

ちなみに、姑側から姻族関係終了届という制度ははない。
考えてみれば当たり前で、あくまで自分が抜けるための手続きであって、自分以外の誰かを抜く手続きではない。

嫁の
嫁による
嫁のための
姻族関係終了届。

 

 

さて、

色々批判の多い日本学生支援機構だけど、信用力ゼロの10代の若者にタダみたいな利率で貸してくれて、返済は長期。
保険料も徴収せずに、死んだら残債は免除される。

こんな優しい融資は他にない。
アタシも大変お世話になった。
(もちろん前身の日本育英会 ^^; )

しかも、そのタダみたいな利率でさえ、発生するのは卒業してからと言うじゃないか。

ということは、たとえば仮に、借りる必要のない家庭でも、借りちゃって、それをまんま積立投資信託にでも預ければ、卒業時に一括返済してもなお、相当の支度金が受け取れる。

 

朝日のニュースと全く変わらない相談者と元嫁

元奨学生が完済しないうちに亡くなり、残債を親に請求。
ついこの間、全く同じケースをフェイクニュース朝日が記事にしていた。

奨学金受けた息子亡くし8年、夫婦に265万円の督促状
<朝日新聞デジタル>

ただし、結論ありきが酷くて読んでて頭痛がしてくる。

❝0・37%――。
機構が債権回収をあきらめた割合だ。貸し付け事業をする機関のなかでは極めて低く、機構の深追いぶりがうかがえる。❝

ふ、深追いって、アンタ・・
まるで回収するのが悪いかような書きっぷり。

あのお、奨学金の原資は返済金と税金なんですけど。

てか、回収放棄率が低いのは、ほとんどの人が真面目に返済していることがまずベースにあるんじゃないの?

どうしても、機構の取り立てが厳し過ぎるという結論を導きたい朝日は、「息子を亡くして債務免除の手続きも取らなかった滞納者」という例外中の例外の輩の言葉を都合よく紹介する。

自分たちの意見を匿名で言わせて、たとえそれが間違っていても責任逃れが出来る卑怯なやり方だ。

今日の相談で分かる通り、機構は何度も督促をして来たはずだ。

しかも、債務免除の手続きを怠ったことには全く触れないどころか、免除制度があることすら触れられていない。

で、おきまりの、体制側を悪者に仕立て上げて一丁上がり。
好きだねえ、国内に対立作るの。

 

書くんならもっと制度をキチンと取材して啓蒙記事を書けよ。

例えば、大学4年間で総額いくらになって、毎月いくら給料から引かれて、それが何年続くとかさ。
こういう基本的なことが日本学生支援機構のサイトでも分かり難いわけさ。

 

話がソレた。
これを取り上げたのは、今日の相談者と嫁がやってることは、朝日の記事に出てくる夫婦とまったく変わらないってことが言いたいわけ。

相談者 「免除制度があるっていうので、支払いはしてないんですけど、その金額が段々増えて来ましてですね」

(笑)
なんか、闇金ウシジマくんに出てくるクズキャラを思い起させるセリフ。

少し慌てろよ。
免除されるのは免除申請が通ってからの分だけだよ。

もし、いつ免除申請しても、死亡日にまでさかのぼって未払い分を免除してくれるなら、朝日の記事は正真正銘のフェイクニュース(言い方、変?)になるんだが、さて。

 

連帯保証人の件

嫁もバカだ。

単に署名捺印するだけで奨学金債務を免れるのに、姑の言うことに聞く耳を持たない。

亡き夫の債務が分かってもなお、自分が債務者だという認識すらないらしい。

姻族関係終了届を勝手に拡大解釈してんだね。

 

先に、今日の記事タイトルに対する答えを言っておこう。

答え: 両方(連帯保証人と相続人)

債務に対する両者の責任に差はない。
全くない。
ほんとに無い。

両者を区別するために、一応、「主債務者」という言い方はある。
言うまでもなく、7年前までの主債務者は相談者の息子。

で、亡くなったので、その地位は相続人が継承する。

これを避ける方法は相続放棄しかないが、プラスの遺産の分配を受けた時点で相続放棄はできなくなる。

嫁はもはや主債務者の地位から逃れようがない。

で、主債務者が払えないときに、連帯保証人が肩代わりする・・

ノーノー
これがそうじゃないんだな。

だって、それだと主債務者と連帯保証人が同等じゃないでしょ?

正しくは、債権者は主債務者と連帯保証人のどちらに請求しても構わない。

これを「連帯保証人は催告の抗弁権がない」と言うんだけど、連帯保証人は、いつ請求されても、「先に主債務者に請求しろ」と言う権利がないわけ。

ま、実際には、先に主債務者に請求がいくもんだけど、法的にはそれは債権者が選択できる。

てか、まさに今、それが起きているわけだ。

もっとも、相談者に請求が来ているのは、日本学生支援機構が特に選んでそうしているわけではない。

単に手抜き利便性の問題。

相続人に請求するためには調査が必要だけど、手元の契約書には連帯保証人が載っている。
だから請求した。

それだけの話。

 

さて、
この後どうするかなんだけど、相談者が知恵つけたからって嫁が聞く耳を持たないのは変わらない。

かくなる上は、マジで請求したら?
アンタが元嫁にさ。

主債務者と連帯保証人は同等だと言ったけど、それはあくまで債権者から見た立場。

連帯保証人は債権者から請求されれば支払う義務があるんだけど、その支払った分は主債務者に請求することができる。
(もちろん逆はない)

これが坂井弁護士がチラっと言っていた求償だ。

だから、その無視している機構からの督促のうち、一部だけでも支払って、その分を元嫁に求償すれば、聞く耳を持つかもしれん。

ま、これは冗談だ。

とにかく、日々、免除不可の債務と延滞利息は積み上がっているから。

 

別の相談で、連帯保証人が「借金を肩代わりする」という言い回しを、塩谷弁護士が厳に戒めている。

曰く、肩代わりなんかではない。
主債務者の借金=連帯保証人の借金
なのだ。

連帯保証人の認識新た。それは借金の肩代わりではなく

 


コメントはお気軽にどうぞ。

名前欄には、何かハンドルネームを入れてください。🙏
空白だと、すべて「匿名」と表示されてしまいますので。