交通事故で昏睡3ヶ月。彼女の親に水向けられ捨てるか否かで悩み始めた男42歳

テレフォン人生相談 2020年7月30日 木曜日

2年前からつき合い、結婚話も出ていた2人。
3ヶ月前に彼女が交通事故に遭って今も意識不明。
医師から聞いた診断名をネットで検索すれば先が見えない。
彼女の親から「踏ん切りをつけて」「あなたの人生を考えて」と言われた。

なお、タイトルの捨てるというのは相談者のセリフから。

 

脳挫傷かしら。
事故から3ヶ月。
一命をとりとめ、ICU(集中治療室)を出て、症状が安定。
何の変化も無い静かな日々が過ぎていく。

確かに身の振り方を考える時期かもしれん。
悩んでるってことは、まあ、そういうことだ。

「とてもそんな気持ちにはなれません」って、そんな綺麗事。
その言葉と相談する行為は矛盾でしかない。
まさに今、アンタは「そんな気持ち」になってるの。

考えてみれば相談者は微妙な立場だ。
経済的な負担があるわけでもなく、看病するわけでもなく、身の回りの世話をするわけでもなく、見舞いたって何もやることはない。
別れを決心したとして、それを伝えるべき人は意識がない。

この責任のなさ、自由度が逆に相談者を苦しめる。
彼女を捨てるのは何ものにも邪魔されない100%自分の自由意志。

「僕が逆の立場でも同じことを思う」
意思決定に折り合いをつけようとしているんだけど、それは意識不明の自分に寄り添い続けることが彼女にとっては不幸、翻って今の自分もこのままだと不幸になるという前提。

愛したのは健康な彼女。
この残酷さを否が応でも自覚させられる。
死別よりも心理的負担は大きい。

パーソナリティ: 柴田理恵
回答者: 三石由起子(三石メソード主宰、作家・翻訳家)

相談者: 男42歳 交際相手35歳 意識不明で入院中

柴田理恵:
もしもしい?テレフォン人生相談です。
こんにちはあ

相談者:
あ、よろしくお願いします。

柴田理恵:
はい
今日はどんなご相談ですか?

相談者:
わたしが交際している・・彼女がですね、

柴田理恵:
はい

相談者:
・・あの、交通事故に遭いまして、

柴田理恵:
はい

相談者:
ま、ずっと、意識がない状態でして、

柴田理恵:
はい

相談者:
・・ま、3ヶ月ほど、経つんですが、

柴田理恵:
はい

相談者:
ま、始めは・・ま、もっと、おー、早く、意識が、戻るんじゃないかと。

柴田理恵:
はい

相談者:
楽観視していたんですが、

柴田理恵:
はい

相談者:
・・ま、時間が・・経つにつれて・・

柴田理恵:
はい

相談者:
・・ま、そういう・・ん、期待、値が、ま、下がってるというか・・

柴田理恵:
はい

相談者:
向こうの・・あー、親御さんとも・・

柴田理恵:
はい

相談者:
いろいろ・・やり取りをするんですが、

柴田理恵:
はい

相談者:
ま、その中で・・ま、「あなたはあなたの人生があるから」・・

柴田理恵:
うん

相談者:
・・ま、「どこかで」えー、「踏ん切りをつけて」

柴田理恵:
ふん

相談者:
あの、「自分の人生を大切に」・・い「してもらっても」というようなことも・・

柴田理恵:
うん

相談者:
おー、言っていただけるんですが、

柴田理恵:
はい

相談者:
ま、わたしとしては、なかなか・・あー、そういう気持ちには・・

柴田理恵:
うん

相談者:
なれないという・・

柴田理恵:
うーん

相談者:
のがあってですね。

柴田理恵:
ふうん
まず、あなた、おいくつですか?今。

相談者:
・・あ、わたし42歳です。

柴田理恵:
彼女と、お付き合いなさってたのは・・

相談者:
はい

柴田理恵:
どのぐらいの期間お付き合いなさってたんですか?

相談者:
ま、2年弱ほどですね。

柴田理恵:
彼女おいくつですかあ?

相談者:
・・35ですね。

柴田理恵:
なるほど、じゃ、2年間、お付き合いなさってたら・・結婚っていう、話も出てたん、ですかね?

相談者:
そうですね。

柴田理恵:
ふうーん

相談者:
はい

柴田理恵:
で、ご両親は・・「あなたの人生があるから」っておっしゃってくださったけれども・・あなた的には・・そんなふうな気持ちにはなれないってことですよね?

相談者:
・・そうですね。

柴田理恵:
はい

相談者:
まあ、(ため息)一方では・・

柴田理恵:
うん

相談者:
やはりどこかでは、あ、自分なりに・・

柴田理恵:
うん

相談者:
に、気持ちの整理を・・

柴田理恵:
うん

相談者:
つけるときが来るのかなと・・

柴田理恵:
うーん

相談者:
いう思いもあるんですが、

柴田理恵:
うーん

相談者:
ん、亡くなったわけではないので。

柴田理恵:
うーん、はい

相談者:
恐らく・・ずっと・・うーん、その後・・どうなったんだろうなと・・

柴田理恵:
うーん

相談者:
気に・・し続けるでしょうし・・

柴田理恵:
はい

相談者:
ま、そんな状態になった(ため息)・・

柴田理恵:
うん

相談者:
相手を、ま・・ん見捨てて自分は、ま・・

柴田理恵:
うん、うん

相談者:
生きてるっていうような・・

柴田理恵:
うん

相談者:
その・・後ろめたさを持ったまま生き続けないといけないのかなと思うと(涙声)・・

柴田理恵:
はい

相談者:
・・んどうしたらいいのかなと自分の気持ちの持ちようが分からないというかですね(涙声)。

柴田理恵:
はい

相談者:
・・はい

柴田理恵:
今でも・・彼女のことは好きなんですね。

相談者:
・・そうですね(ため息混じり)。

柴田理恵:
うーん・・3ヶ月経っても意識がない・・
今は、実際はどういうような状態なんですか?

相談者:
呼吸は自分ではしてますけども。

柴田理恵:
はい

相談者:
・・もう、それ以外は、(ため息)・・何か・・向こうからの・・ま、反応とかそういうものは(ため息)・・

柴田理恵:
うん

相談者:
見られない状態ですね。

柴田理恵:
うん、ふん、ふん、ふん
回復の見込みっていうのは・・少しはあるんでしょうか?

相談者:
ま、それは・・何事にも絶対はないので。

柴田理恵:
うん

相談者:
・・ま、良くなることを、お・・ま、祈って信じて・・

柴田理恵:
うん

相談者:
毎日過ごしてますが。

柴田理恵:
はい

相談者:
・・ま、その、お、事故の結果・・

柴田理恵:
うん

相談者:
の・・その、診断名ったらいいんですかね?

柴田理恵:
はい

相談者:
え、それを・・聞いて。

柴田理恵:
うん

相談者:
ネットで検索をかけても、

柴田理恵:
うん

相談者:
やっぱり・・元通りになれる期待値は、かなり低いのかなというのは、思います。

柴田理恵:
ふうん
あなたは、向こうの親御さんに、そのお・・何かおっしゃいました?

相談者:
ま、「わたしが」・・あの、「同じ立場だったら」、

柴田理恵:
うん

相談者:
あ、「きっと同じことを言うと思います」と。
え、「ただ・・やはり気持ちとして」、も、「とてもそんな、気持ちにはなれません」と。

柴田理恵:
うん、ふん
じゃあ、ちょっと、先生に聞いてみましょうか。
えー今日の回答者の先生は、三石メソード主宰、作家で翻訳家の三石由起子先生です。先生お願いします。

(回答者に交代)

「交通事故で昏睡3ヶ月。彼女の親に水向けられ捨てるか否かで悩み始めた男42歳」への5件のフィードバック

  1. 3ヶ月。
    TVドラマではワンクール。
    もうそんな心境になってしまうのか。
    人の心は移ろいやすいが、迷っているなら
    心ゆくまで彼女のそばに。

  2. 最近管理人さんコメントが戻ってきて嬉しいですね。イデオロギーも煽りも無く客観的に淡々と説明されているので分かりやすい。自分の頭だけじゃ経験値不足で見方が狭まる。

  3. 下品な話だけど相談者は性欲に飲まれ始めてる気がする。
    彼女が目覚めないのも辛いけど、このままお預けくらえるほど本気じゃなかったのかなぁと。彼女のことは好きだけれども、命かける程でも無さそう。かと言って人並みに良心や世間体もあるものだから葛藤し始める。
    お手軽にセフレでもと提案したくなるけどなぁ。
    目覚めた彼女にそれを知られるのも嫌なんだろうな。
    世間体大切そうな人。

  4. この相談は今までで一番私の心に心に刺さりました。
    三石先生に感謝です。

  5. 彼女の親に、踏ん切りをつけてと言われてもそういう気持ちになれないと言うのなら、「なれないです」ときっぱり言って、覚悟のようなものを持ってほしい。
    彼女への思いが薄らいでいるのなら、それはそれでしょうがないことなので、そういう気持ちを自分で認めてほしい。
    そんな気になれないとか、見捨てることになるだとか、世間体を気にしてるかのように聞こえ、42歳の男性にしてはちと情けなく思ってしまう。男性にはこうであってほしいはファンタジーなのか。

    つらさや悲しさにはじっくりつきあって、泣きまくって、でも、彼女に接するときは、三石先生の好きな「やせ我慢」をして、先生のおっしゃるとおり今日できることを一生懸命やってほしいです。

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