息子夫婦と疎遠に。大切に思うがあまりの敵意。森田好々爺に返事もしなくなる

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
はい。

加藤諦三:
先ほどね、あなた、苦労して育った、って仰って、そのお、人には言えないような苦労があったんですか?

相談者:
今となったら、あの、世間には、良くあることやと思うんですけど。
小さいときに、父親が、ほんとに威張ってて・・。

加藤諦三:
ふーん。
お父さんっていうのは、すごい権威主義な人だったわけ?

相談者:
そうです。

加藤諦三:
お父さんには敵意があったの?

相談者:
あ、もの凄い敵意がありました。

加藤諦三:
ふーん。

相談者:
自分の持ち物・・みたい・・にして、私が、好きな人出来ても、それ、全部ダメだから・・あの人の言うこと聞いてたら、一生何も出来ないわ、と、ちっちゃいときから、思ってました。

加藤諦三:
ふーん。

相談者:
したもんで、私は・・なんていうのか・・家帰ったら・・まあ、暖かい家庭が・・夢やったんです。

加藤諦三:
お父さんに敵意がありながら・・でもやっぱり、父親に愛して欲しいって気持はあった・・。

相談者:
それはすごくあったと思います。

加藤諦三:
その、愛と憎しみがね、そのまま、息子さん夫婦・・お嫁さん含めて、そっちに移行してる、ってことはないの?

相談者:
そういうのは、全く無いです。
いつもベタベタしなくても、それはお父さん・・私の夫の方が、よりすごく、あの、今回のことでは、ショックを受けてると思います。
すごく寂しいって言ってます。

加藤諦三:
で、あなたとご主人との関係は?
あなたとご主人との関係で、ご主人がこうあって欲しい、とか、なんかそういうことは無いんですか?

相談者:
そういうことは全くありません。

加藤諦三:
ふーん。

相談者:
ほんとに良く出来た人やと思います。

加藤諦三:
ふーん。

相談者:
あの、私の、実の父親と全く違う・・正反対の・・まあ、そんな人を選んだんですけど・・ほんとに、あの、よく働くし、偉そう振らないし・・あの、だから、息子にとってもいい父やったと思います。
手も上げないし、ほんとにそんなんは・・不満は全く無いです。

加藤諦三:
ふーん。
そうすると、今、あなたの、一番、核にあるのは・・お父さんに対する愛と憎しみですか?

相談者:
もうね、父に対する愛と憎しみは、少なくなりました。
でも、今日みたいに、話してると、思い起こすと、ちょっとホロリとしてきます。

加藤諦三:
あのね、お父さんに対する愛と憎しみはもう、解決ついたと。
ね?
で、ご主人に対する気持ってのは、先ほどの話だと、ほんとに、いいご主人で、父親としても、素晴らしい父親だと。

相談者:
そうです。

加藤諦三:
いうことですよね。

相談者:
そうです。

加藤諦三:
何か、あなたの中に・・まだ、気が付いていない・・何か・・ないですかねえ。

相談者:
・・

加藤諦三:
あの、こういうこと無いですか?
息子さん夫婦ね、お孫さん含めて。
あなたにとって、もおーの凄く大切だから、こうなって欲しい、自分の思うようになって欲しい、っていう気持ちが、もおーの凄く強いってことない?

相談者:
きっと、それは大切だと思います。
きっとね、あのお・・

加藤諦三:
うん。

相談者:
自分にとって、実家がないようなものなので、

加藤諦三:
うん。

相談者:
ほんとに、ちっちゃいときから、孤独だったから、

加藤諦三:
一人で頑張って、ものごと解決して生きてきたんでしょ?

相談者:
そうです。
ほんで、息子も出来て・・だから、私は・・ほんとは息子のお嫁さんも、来てくれたのは、すごく嬉しかったんです。

ほんとに、あたしが、ちっさいときに思ってる・・ような・・家庭になったわ、と思って・・それ、うれしかった・・から・・たぶん、大事にしたいと思ってるのは・・うん、思います。

加藤諦三:
ものすっごく大切なんですよ。

だから、心の故郷(ふるさと)が無かったようなものなんだけども、
心の故郷が出来た。
心の支えが出来た。

相談者:
そやな。

加藤諦三:
うん。
だけども、ほんとに、今こうなって、大切なのは、

相談者:
うん。

加藤諦三:
息子さん夫婦なんだよね。
ていうか、孫を含めての。
ここがあなたの心の支え、心の故郷でしょ?

相談者:
うん。
そうです。
たぶん、そうです。

加藤諦三:
そこが、あなたの期待したのと、ちょっと違ったら・・これは大きいねえ。
あなたの心に与える影響は。
・・
ちょっと言うとねえ、

相談者:
うん。

加藤諦三:
大切過ぎてんじゃないの?

相談者:
今、話を聞いてたら、

加藤諦三:
うん。

相談者:
分かるような・・気がします。

加藤諦三:
思い通りに、ちょっといかなかったりしたら・・どうしたって、敵意出ます。うん。
あなたが大切に思えば思うほど、こうしてもらいたい。ていうのが出てきますよ。
でも、これは、しょうがないですよ。
ていうのはね、

相談者:
うん。

加藤諦三:
あなた、色々苦労して育ってきたって言いますから、あなたの中に依存心がまだ強いと思うんです。

相談者:
はい。

加藤諦三:
だって、一人で、頑張ってやって生きてきて、そして、一人でやってきたことが、全部うまくいってるんです。

だけれでも、表面上・・全部、うまくいってんだけども・・心での繋がりは無かったの。
その、今、一番大切なとこができて・・どうしても、ドーっと心が頼っちゃった。

そこで、ちょっと思いとおりにいかない。
それは、敵意とか、憎しみとか出ますよね。

で、実は、あなたが、ほんとうに必要なのは、この息子さん夫婦です。

相談者:
もちろん、そうだと思います。

加藤諦三:
そしたら、この息子さん夫婦に、一番、自分の気持が、我がままになるのは、

相談者:
うん。

加藤諦三:
無視できないのは、

相談者:
うん。

加藤諦三:
この家族じゃない?
他の人のことなら、無視できるけど、この家族だけは無視できないんじゃない?、動きが。
ああ言った、こう言ったということが。

相談者:
そうです。

加藤諦三:
だから・・ここ・・あなた・・もおう、ひと頑張りだね。

相談者:
じゃ、自分が分かってもらえるように、言うべきですかね?

加藤諦三:
うん。
ほんっとうに、大切なんだと。
ほんっとうに、あなたたちを私は必要としてるんだと。

相談者:
先生、ありがと、私な、

加藤諦三:
うん。

相談者:
まったく・・だから・・あれから、随分長いこと、自分から・・何も言って無いんです。

加藤諦三:
うん。

相談者:
でも、どうしたら、いいんだろうなって・・言ってもまた・・うるさいなって言われてもアカンし・・気い悪くしてもいけないなあっと思って。

加藤諦三:
なんで、 煩がられる(うるさがられる)かって言うと、

相談者:
うん。

加藤諦三:
あなたの気持が、本当に、好きで頼りにしてるから、支配的なんですよ。

相談者:
うん。

加藤諦三:
先ほどの、お父さんとの関係。

相談者:
はい。

加藤諦三:
お父さんがあなたに対して支配的でしたね?

相談者:
そうです。

加藤諦三:
同じことを今、この家族にやろうとしてない?

相談者:
自分では気づいていないけども・・そんなやったら、どんなしたらいいんですかね?

加藤諦三:
ですから、気が付いたから、いいじゃないですか。

相談者:
あ、そうか。

加藤諦三:
ほんとに大切なのは、この家族だっていう。

相談者:
あ、分かりました。
うん。

加藤諦三:
それが分かれば、あなたの敵意も分かるでしょ?

相談者:
なんか・・うまいこと言えないけど・・正直に、ありのまんんま、自分の気持を伝えるように努力します。

加藤諦三:
そうですね。

相談者:
うん。

加藤諦三:
あのお、ですから、敵意の裏に愛情がありますから。

相談者:
うん。

加藤諦三:
この家族に対して、敵意を持ってるんだけども、

相談者:
うん。

加藤諦三:
しつこいですから、あなたの敵意。

相談者:
うん。

加藤諦三:
なぜしつこいかというと、その敵意の裏で、愛情を求めているからなの。

相談者:
うん。

加藤諦三:
だから許せないの。
この家族のやってることが。
お嫁さんのやってることが。

相談者:
うん。

加藤諦三:
よろしいですか。

相談者:
分かりました。
ありがとうございました。

加藤諦三:
はい、失礼します。

相談者:
ありがとう、先生。

加藤諦三:
人は依存する対象に対して、敵意を持ちます。
依存的敵意といいます。

(内容ここまで)

森田好々爺の問いかけに、相談者の相槌がピタッと止んだときは、どうなるかとワクワクしたんだけど。

悩みの原因であるお嫁さんには、まったく言及しないテレフォン人生相談ならではの、てか、加藤氏ならではの回答って感じ。

 

子育ての常識の世代間ギャップってあるからねえ。

昔はスプーンの共有どころか、直接口移しなんて普通にやられてたから。

今じゃ、そんなことを舅姑にやられた日には卒倒するお嫁さんもいるでしょう。
言うまでもなく虫歯菌の感染。

 

ちょっと神経質なお嫁さんかな。
子どもの口内環境が大切なのは分かるけど。

ただ、アイスクリームは、ほんのきっかけに過ぎず、積もり積もってのことなんだと思うよ。
泣いてたってことだし、嫁も精神的に相当きてる感じ。

 

さて、最初の加藤氏の問いかけ、
「お父さんに対する感情が息子夫婦に向けられていない?」

これを即、全否定していた相談者だったけど、

加藤先生が、一つひとつ順番に訊いて、考えさせて、最後は、相談者が自身の感情に気づく様子に聞き入ってしまった。

64歳が、子どもに返っちゃってたね。
後半の加藤氏と相談者のやり取りって、まさに父親と子どもでしょ、これ。

行き詰ったときは、自分の感情を上から目線で見る術(すべ)を思い出したいなと。

 


「息子夫婦と疎遠に。大切に思うがあまりの敵意。森田好々爺に返事もしなくなる」への8件のフィードバック

  1. 何回聞いても腹が立って。
    元々支配して安心したかった
    んでしょう。だから、
    蓄積していた中、お嫁さん
    プツっといったんですよ。
    一触即発のなか
    我が道を行く義母さんに。
    そこだけみたら、沸点の低い
    お嫁さんとなるでしょう。
    自分の思ってることと違う回答に
    黙り込んで、違うんだよなぁって。
    笑笑。あまりの執着に怖すぎ。
    意固地か何か頑固さ見ても
    自分の正しさを貫いて、もっと
    悪い方向行くんじゃないですか。
    こんなに大事だって言われても
    困りますって。
    こういう人は変われない。

  2. 誰も指摘しないけど、ばあさんと孫が同じカップのアイスクリームって、そりゃ嫌だろ(笑)

  3. 森田先生の回答に「違うんだよなぁ」「ふぅ」って所で、この相談者の支配的な面が現れましたね。
    自分が思ってる通りにならないと、機嫌が悪くなる。
    相手が他人の回答者であってもこんな風なら、お嫁さんに対して、どんなんだったか、想像できます。

    まだ音声聞いてませんが、加藤先生のフォローがあってまとまったけど、放送事故寸前じゃ無かったでしょうか。

    1. 同感です。
      友達と話しているわけではないのに口調がおかしいし…
      読みならが相談者の発言にイライラしました。

  4. 森田先生懐かしいですね。森田先生のような「やんわり宥める」タイプの回答者が今は居ないですから。
    相談者自身に関して言えば、憎んでいたはずの父親のコピーに成り下がっていたのが真実。加藤先生の指摘を最初否定したのも、核心を突かれたから、思わず否定したのでしょう。相談者が嫁に対する言動も広義の家庭内DVであり、DVを受けた者は自身もまた加害者になり易い。憎んでいたはずの父親の毒が自分自身の中でも回っていて、父親と同じになったなんて相談者も認めなかったけど、加藤森田コンビによって暴かれましたね。
    相談から6年。息子夫婦と和解してるのかな?この相談者にとって最後の子孝行は息子夫婦と疎遠にすることしかなさそうだけどね。

  5. どうしようもない感情の始末を加藤先生が、粘り強く
    話してあげて、自分で気付くまでに‥さすがだな
    と思いました。私は2021年途中からテレ人読みだしたので
    森田先生聞いたことが無い。
    聞いてみたいなと思いました。

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