喋りすぎる男に訪れた人生の岐路


2014年10月7日 火曜日

相談者: 男66歳 妻63歳 長女39歳 次女36歳 長男30歳 母89歳

パーソナリティ: 勝野洋
回答者:  マドモアゼル愛(心についてのエッセイシスト)

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相談者:
1年前に目の手術をしたら、目が見えなくなっちゃったんです。
それから、家庭内がうまくいかなくなって・・要するに女房が・・。
あ、家族更生を言った方がいいですかね?

勝野洋:
はい。
お願いします。

相談者:
(一通り家族構成)
で、長女と次女は結婚して独立しておりまして、一緒に暮らしているのが、夫婦と長男、それと私の母親、89になるんですが、この4人暮らしです。

女房と子どもが、それまで、目が見えていたときは円満にやっていたんですけど、なんかもう、そっけない態度になってしまってですね・・。

勝野洋:
まったく見えないということですか?

相談者:
6分の1程度、左目がわずかに見える程度なんです。

見えていたときには、食事以外は家の手伝いを100%近くやってきたんですけど、まったくできなくなってしまったんですね。

それで、妻がボランティア活動をしているものですから、毎日忙しい割りに、結局私ができなくなったことがあって、全部女房にかかってきてしまうんで、そのイライラもありますしですね。

現役時代、私、営業だったんですけども、やはり、今もそうでしょうけど、数字がきつかったもんですから、かなり、そのー、睡眠薬代わりにお酒をよく飲んでいたんです、365日。

だから、それが気に入らなくて、そのせいで、目がこんな風になったんじゃないかって。
医者は、酒は関係ない、って言ってるんですけども、女房にしてみれば、結婚してからずーと、今年 40年になるんですけども、暴飲暴食をして、妻、子どもに迷惑をかけ、定年退職後は、今度はみんなの家族のためにやってもらおうと思っていたのが、見えなくなってしまって、また迷惑かけてしまったということで、もー、一切、あなたの顔なんか見たくない、ってですね、話もしたくない、部屋に閉じこもってろ、っていう・・のが、6ヶ月前から続いて。

目が見えない苦しさと、誰も話す人がいませんので、せめて、家族だけでも、色々と話がしたいわけですけども、それすらも、一切話もしたくない、あなたと結婚して失敗した、私の人生をメチャメチャにしたのはあなたのせいだ、って・・そんなことまで言われてですね、家族にも見放されて、毎日、毎日、死にたい、死にたい、のことばっかりしか頭にないんです。

ただ、自殺する勇気も無いもんですから、今すぐ死ねるということは無いんですけど、要は・・死ぬしか他に何か方法は・・生きていく手立てっていうのは、ないかどうか、先生にご教示頂ければな、ということで、ご相談に上がりました。

勝野洋:
今、そういう風に思われているんですね?

相談者:
はい。
もう、毎日、死にたい、死にたい、どんな方法でもいいから、死んでしまいたい、しか頭に無いものですから・・。

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(回答者に交代)

マドモアゼル愛:
確認したいこととして、これは治る可能性は全く無いんでしょうか?

相談者:
けっきょくー、これは視神経がいかれちゃっているから・・日本中どの医者を探しても無駄だろう、って言われて、可能性が無くなってから、家族の態度がガラッと変わってしまったんです。

半年前くらいから、あなたの顔なんか見たくないとか、あなたと喋りたくないから部屋にいなさい、とか・・。
死ぬしか、どうしようもないのかな、っと思ってですね。

マドモアゼル愛:
実際にトラブルとか喧嘩したりだとかいうことは無いわけ?

相談者:
自分は喧嘩するつもりは無いんですど、要は先ほどもお話したんですけども、自分が目が見えて家族にやっていたことが、全部出来なくなってしまったので、家族に負担がかかってしまってですね。

マドモアゼル愛:
見えているときにされていた、・・

相談者:
ええ、見えているときには、食事以外は、私、やっていましたものですから。

マドモアゼル愛:
え。
それは、目が見えていたときは、なんで、そこまで、家事をやられてたんですか?

相談者:
私、料理がダメなものですから、例えば、掃除、洗濯だとか、ですね、子どもの送り迎えだとか、駅まで車に乗せてだとか、そういうのは出来たんですけども、料理は私、上手じゃないもんですから、料理はやんなかったんです。
それ以外は、・・

マドモアゼル愛:
ちょっと待って下さい。
ちょっと聞いてくれます?
目が見えてたときには、相当なことをやってたんじゃないですか。

相談者:
ええ、できるだけのことは、私はやってきたハズです。

マドモアゼル愛:
なんで、やってたんですか?
奥さんが忙しかったから?

相談者:
いや、そうじゃなくてですね、結局、自分中心で、自分が酒を飲むために、家族サービス、子どもサービスをまったくやっていなかった、だから、未だに言われて、親父とキャッチボールしたこと無い、サッカーしたこともない、って言われるようにですね、親父は酒ばっかり飲んで、どうしようもない親父だった、って未だに言われるものですから、それがあったもんですから、できることは、やろうということで、やってきたんですけどね。

マドモアゼル愛:
仕事をやられているときから、家族とあなたの心は離れていたわけね。

相談者:
家族から言わせればそうですね。

マドモアゼル愛:
だから、何かをやって罪滅ぼしとか、その考え方が気になるんです。

相談者:
あー、反省する気持ちがあって、できるだけ家族にはー、んー、子どもにやらせるものだったら、いいよ、今まで、迷惑かけてきたから、俺がやるよ、ということで、やってきましてけども、それが、ガー、と爆発して、・・

マドモアゼル愛:
ちょっと待って下さい。

相談者:
今、始まったことではないと思います。

マドモアゼル愛:
話していいですか?

相談者:
はい。

マドモアゼル愛:
お話聞いていたら、どこも行けなかったから、今度はやるよ、とか、家族が求めていたことは、そういういものとは違ってたんじゃないかしら。

相談者:
先生言われるとおりかもしれないです。
あなた、ちっとも私たちの気持ちが分かってない、って言ってましたから。

マドモアゼル愛:
だから、単に普通の心の交流が無かったことが寂しかったんじゃないの?

相談者:
それは、未だに根に持っています。

マドモアゼル愛:
だから、お父さん自身の心の中に、外を閉ざして、お酒という自分の世界に逃げてしまう、孤独な気持ちがずーとあったんじゃないですか?

相談者:
そうです。
それが気に入らないんです、って言ってます。

マドモアゼル愛:
お父さん自身もそれでは苦しかったはずよね?

相談者:
ええ、だから、自分のことしか考えていなかったんですね。

マドモアゼル愛:
自分のことも考えていなかったと思うの。

相談者:
あー、苦しいからそれに溺れると。
で、家族がどうあっても知らないよ、と、いう自分のことしか考えていなかったと思っています。

マドモアゼル愛:
うん、ま・・今・・目が見えない状況ですけど、前から・・見ていなかったような気がすんのよね。

相談者:
あー、心を見ていない、ということですよね。

マドモアゼル愛:
周りをね。

相談者:
はい、周りをね。

マドモアゼル愛:
今の苦しさっていうのは、これは偶然なんですけどもね、

相談者:
いっつも私たちのことを分かってくれてない、っていうのは、そのことだと思います。

マドモアゼル愛:
うん、だから、変な話だけども、目が見えないっていうときに、音が聞こえますよね?

相談者:
はい、聞こえます、はい。

マドモアゼル愛:
それから、人の気配が感じられる。

相談者:
分かります。
ぼんやりと分ります。

マドモアゼル愛:
そこでのコミュニケーションっていうのは出来るわけだし・・人がなんで動いているのか、逆に見えてくるものがあるような気がするんですよね。

そこらへんの感覚を研ぎ澄まされて、目に頼らない新しいコミュニケーションの形というものをまず作っていく必要があると思うんですよ。

相談者:
あー、そうですか。

マドモアゼル愛:
足りないのは、やってあげない、やってあげる、ということではなくて、ちゃんと、自分のことを見てくれて、反応してあげて、交流が、心の触れあいがあるってことが大事だったんじゃないかという気がする。

相談者:
そうですね。
先生言われるとおりだと思います。
女房が、心を全然見ていなかった、っていうのは、そういうことだと思います。

マドモアゼル愛:
それは、目が見えなくなった今の方が掴み易いんじゃないかと思うんです、相手の心を見るには、逆にね。

相談者:
あー、そうですか。

マドモアゼル愛:
ただ、お父さん自身が変わらなければ、家族にとっては、ただ負担になってしまうと。
奥様はボランティアに行かれているっていうことですが、家の方にボランティア精神を向けなければいけないときなんですよね。

相談者:
あーぃ。

マドモアゼル愛:
ほんとはそうですよね。

相談者:
はい。

マドモアゼル愛:
コミュニケーションがないために、バラバラになっていたために、夫婦の目が反対側、全く違った方向に向かって行っていますので、エネルギーの方向が逆転して、お互いの方向に向き始めたとしたらね、意外と、なんだボランティア精神を旦那に向けなくちゃいけない、っていうことも早く気づくかもしれないし・・お父さんに、やり直したい、っていう気持ちが有るかどうかということだと思う。

相談者:
私はー、もう、毎日、それを考えて、心入れ替えて、今までのこと反省してやるから、頼むから、もう少し診てくれと、・・

マドモアゼル愛:
それにしては喋りすぎるんじゃないかと思うんです。

相談者:
あ、そうです。
あんた、口が・・、喋りすぎるから黙ってろ、って言われます。

マドモアゼル愛:
静かでないと、心の交流っていうのは生まれないんですよ。

相談者:
やっぱ、そうですかね、ちょっと喋り過ぎですかね、私。

マドモアゼル愛:
喋り過ぎるってことは、自分を表明したい、っていうことに意識がとらわれ過ぎているんです。

相談者:
あー、なるほど、そうですか。

マドモアゼル愛:
ええ。

相談者:
やっぱ、そうなんですかね。

マドモアゼル愛:
黙って聞いていれば、今、残念だけども目が不自由ですので、研ぎ澄まされた耳になっていくんです。
そのとき、これまで、見えなかったものが見えるようになったときが、きっと来ると思います。

相談者:
あー、そうですか、はい。

マドモアゼル愛:
そこに修復のカギがあると思います。

相談者:
あー、そうですか。
ありがとうございます。
先生の言われるとおり、そのとおりですね。
まったくー、女房が望んでいたのは、先生が言われる、まったくそのとおりだと思います。

マドモアゼル愛:
ということは奥様も、ボランティアを通して、このための準備をしていたのかもしれない、運命的に。

相談者:
あー、そうですか。
そういう風に捉えればよろしいですかね?

マドモアゼル愛:
そうですね。
それには新しい形が必要になってきます。
今、言ったポイントですね。

あと、もう一つ。
これはご家族とは違った意味で、同じような状況の方が結構いらっしゃると思います。

相談者:
はい、そうですよね。

マドモアゼル愛:
同様な孤独な気持ちや苦しさを持っていると思います。
そういう人と心の交流を結ぶいいきっかけになると思うんです。

相談者:
そうですね。
どうやって、克服したのか聞いてみたい気持ちがあるんです。

マドモアゼル愛:
そういうものを探して、まず、心を開くきっかけにされたらいかがでしょうか。

相談者:
そうですか。
先生、ありがとうございます。
自分で、間違った解釈をしてましたので、先生に言われてやっと気が付きました。

マドモアゼル愛:
ありがとうございます。

相談者:
貴重なご教示頂きまして、ありがとうございます。

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(再びパーソナリティ)


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