テレフォン人生相談 2020年9月9日 水曜日
中卒で身体が弱くてフルタイムで働くことができない。
母は職を失い、家を売ることを考えていて、出ていくように言われる。
アトピーの治療を続けているが、健康保険証の失効が迫る。
相談は、困窮したときに万引きをする習慣から抜け出せないでいること。
訊けば中学生ぐらいのときから満足に食事させてもらっていない。
両女史の意見は母と離れることで一致しているのだけど、でもどうやって?
福祉課の答えを前もって教えといてあげる。
「お母さんに申請してもらってください」
法律に明記されているわけではないが、生活保護実務では支給は世帯単位。
親の扶養に入っている子だけが生活保護なんて聞いたことがない。
酒漬けの母と成人した女の不仲なんて、生活保護費の抑制に動機づけられている役所にすれば民事不介入もいいとこ。
だからって世帯分離届けを出してから申請すればいいってもんでもない。
実態は扶養家族なのに、書面上だけ外すというのは、偽装離婚と同じく不正受給の手口。
つまり、相談者が生活保護を受給するためには、申請より先に、母親とは名実ともに世帯を別にしないといけない。
誰か、このナゾナゾを解いて頂けないかしら?
収入証明すら出せない相談者にアパートを借りるのは不可能。
母親だって保証人に判子はつかない。
もっとも、早晩、母親が行き詰まるのは目に見えている。
となれば、世帯主である母親が生活保護受給者となればいいだけの話。
家が母親名義でないのはこれ幸い。
もちろん同居前提。
この国では仕事が出来なくたって、万引きなんかしなくたって、ホームレスも餓死も、しないで済むようになっているの。
自由と引き換えに。
アンタの場合はそれに母親からの仕打ちが加わるんだが。
受給額には扶養家族であるアンタの分も入っているから心配しないでって言いたいんだけど、母親の懐の中。
絶望映画かよ。
パーソナリティ: 玉置妙憂
回答者: 大迫恵美子(弁護士)
相談者: 女23歳 父はいない 母53歳と2人暮らし 祖父母は施設入所中