テレフォン人生相談 2021年11月13日 土曜日
小癪‥こしゃく ずるくて抜け目ない、なまいき
やることがチンピラまがいの甥っ子。
野島弁護士は相談者のアドバンテージに気づいているんだが、ラジオ番組の限界ね。
もし相談者がクライアントならまったく違ったアドバイスになっていた。
まずは法定相続分の確認。
4人きょうだいのうち一人は早世して実質3人。
被相続人である長姉は未婚なので二人のきょうだいで等分。
で、次姉の相続分は代襲相続によって2人の子で等分。
結局、
相談者が2分の1。
甥っ子2人が4分の1づつ。
相談の主旨は相談者が続けていた長姉への仕送りの扱い。
月額、期間、総額が合わないこと半端ないが、一番小さい数値でも総額3千万。
遺産の2,400万を優に超える。
もしこれが生活支援の仕送りだとすれば、相続では寄与分と呼ばれる特別枠として考慮される。
寄与分が認められる場合、遺産分割のやり方は、まず寄与分の金額を決めた後、分配の前に遺産総額から寄与分を差し引く。
これが相談者の言う、
「払ってんだから、トータルの金額から引いてもらいたいわけ。遺産の中から」
で、残りの遺産を法定相続分で分配する。
相談者はこの分配にも参加するから、相談者の受け取る遺産は、
寄与分+寄与分を差し引いて残った遺産の二分の一。
一般的に寄与者以外の相続人が寄与者に感謝して寄与分を認めるなんていううるわしい話はない。
寄与者とそれ以外の相続人とで争いになる。
なんだけど、寄与分のハードルは高い。
多いのは看護を寄与分として主張するものだが、入院看護なんてお見舞い扱い。
自宅看護も肉親なら当然の行為とされ、生活費や家賃相当と相殺されたり。
そもそも看護が遺産額にどれだけ貢献したかを紐付けることが難しかったりする。
ところが相談者のケースは別居する姉に対する現金。
金融資産と直接紐づく、こんな分りやすい寄与はない。
上で述べたように、仕送り総額からして遺産2,400万のすべてを寄与分としてもロジックとしてなんらおかしくはない。
野島 「ふうーん、だとすると勘案してくれっていうのはなかなか難しい」
野島弁護士が寄与分を否定したのは他でもない。
「だとすると」
つまり、父の正負の遺産をひっくるめて相談者が相続する換わりの仕送り。
言い換えれば相続分あるいは代償金の分割払い。
だけどそれって、相談者の告白。
もし相談者が、振り込み履歴を元に、姉弟愛による生活支援の仕送りだったと説明すれば反論できる人は今や誰もいない。
甥に反論できる材料はない。
もしかして母親から小耳に挟んでいるかもしれんけど証拠を示すことができない。
相談者は合意文書を何も残していないことをマイナスに捉えているけど逆だ。
相談者にとってプラスでしかない。
なんだが、ある意味嘘をつくことを弁護士がラジオで公然とアドバイスできまい。
可愛い甥っ子ならいざしらず、千万単位の数値をごまかすとか論外。
札束を渡すときに一枚チョロまかすチンピラ顔負け。
相手の態度に応じてこっちも態度を変えないと。
今さら遺産分割全体を巻き戻せるかは微妙だが、最低限、省かれていた1千万は全額取り返しなさい。
てか、長姉の不動産はどうなったの?
相談者: 男74歳 妻70歳 長男35歳 次男33歳 父は25年前に他界 長姉は未婚で2年前に他界 次姉は10年前に他界し子が2人