テレフォン人生相談 2020年8月15日 土曜日
内縁夫が亡くなった場合の公的給付金を受け取れるかが気になっている。
聞けば、相談者が気にしているのは、公的年金の未支給分(*)と、国民健康保険から遺族に一律に支給される数万円の一時金。
(*)公的年金の未支給分: 公的年金は偶数月にその月を含まない過去2ヶ月分が支給され、死亡月までの分が支給されるので、死亡日の時点で必ず一ヶ月分~2ヶ月分が未支給となる。
遺族年金等を期待して今からでも入籍を提案する弁護士。
さらに受給資格は必ずしも戸籍上の妻だけではなく、事実上の妻にも認められることがあるので、生計が同一であったことなどの証拠を揃えることを勧める。
ちなみにキャッチアップの写真は、自転車の前輪に頑丈な鍵をしていたのだが、フレームその他すべてを盗まれてしまった画像。
無駄な努力へのオマージュ。
相談者というより内縁夫。
離婚届けが住民票並みの軽さ。
それでもせめてそれが有益なら救われるのだが。
いや、13年前の離婚。
入籍4年目にして妻の働いた分が夫の給料から税金として引かれたとは意味不明で、あり得るとすれば配偶者控除ぐらいしか思いつかない。
妻が夫の扶養に入っていると、夫は配偶者控除という名の所得控除が得られる。
この控除を受けるには妻の給与の上限があって、離婚当時は年額103万円。
(現在は150万円まで緩和された一方、夫の収入に応じて控除額が減ることになった)
いわゆる、主婦のパート労働における「103万の壁」。
これによって小売業などでは年末の繁忙期にパートさんの配置に制約を強いられた。
103万円を意識して働いている主婦にとって、稼働を増やしてこの金額を超えると、夫の手取りが減ってしまうからだ。
相談者の夫はこの憂き目にあったというわけ。
これはよくある話。
ところが、その後の行動が右斜め上。
離婚!?
いうまでもなく、配偶者控除は配偶者あってこそ。
妻の増収によって配偶者控除が外れて増えた税金が、
離婚したからって元に戻るわけがない。
どころか、内縁となった妻は自身で社会保険料を負担しなければならなくなり、夫婦の手取りはさらに減ってしまった。
配偶者控除は率ではなく定額。
つまり低所得者ほどインパクトが大きい。
控除の有無は所得税だけでなく住民税にも及ぶ。
妻の収入が増えて喜んだのもつかの間。
「手取り減っとるうぅ!」
「税金増えとるうぅ!」
一種のパニック。
バカ無知は罪。
だからって、生半可な知識は無いほうがマシ。
男 「もうダメかもしれない」
曇った顔の妻の頭に一番に浮かんだことを知る由もあるまい。
自分のことしか考えない男とかしづく女。
それが内縁。
シュールだ。
入籍するする内縁夫の最期を看取った女の2回シリーズ。
1年半前の相談のその後。不安に負けて不満を選んだ女。内縁関係40年の結末
パーソナリティ: 今井通子
回答者: 塩谷崇之(弁護士)
相談者: 女64歳バツイチ 夫68歳バツ2とは17年前に籍を入れたが4年後に籍を抜き現在内縁関係 元夫との間に子ども4人 夫に子どもはいない 二人暮らし