テレフォン人生相談 2020年8月6日 木曜日
私欲を隠して相談する女が大迫女史の鋭い追及に本心を暴かれ、あたふたと退散。
大迫ファンならずとも、いかにもリスナーが喜びそうな展開だ。
実はアタシも初聴きのときはそんな雰囲気。
が、しかし、文字を追っていると、小さな疑問はどんどん大きくなっていく。
相談者の矛盾した振る舞いに納得がいかない。
実は相談者の話にどこにも矛盾なんてない。
500万円は全額返却が道理。
今回ばかりは、我見にまみれているのは他でもない大迫恵美子弁護士。
せめてこのサイトだけでも全力で相談者の名誉を回復したい。
正しいストーリーは以下の通り。
同居する息子夫婦、とりわけ嫁と協力しながらアルツハイマーの夫を看てきた相談者。
相談者自身が3度の手術を要する病を患ったことで、自分亡き後、これ以上嫁に負担を掛けることは忍びないと考え、娘が申し出たこともあって、夫を託す前提で、夫に掛けていた生命保険の受取人を相談者から娘に変更する。
ところが、相談者より先に夫が他界してしまい、相談者の心配は杞憂に終わる。
娘の負担は何もなくなり、名義変更の前提が崩れたことから、下りた生命保険金を息子に振り込むように娘に言うも、娘は自分が管理すると言い出す。
さらに保険金を原資に仏壇やお墓の話を進める中で娘が怒り出し、連絡がつかなくなった。
柴田を始め、リスナーも、そして大迫女史でさえ理解できないこと。
それは、なぜに受取人を娘に変えたのか?
「嫁が気の毒で」と矛盾してるじゃないか。
話の起点とも言えるこのことが分らないまま、アドバイスも何もあったもんじゃない。
相談者 「病で混乱していた」
この説明が、都合の悪いことはごまかしていると捉えられてしまった。
大迫女史の見立ては、息子夫婦とギクシャクした当てつけに、あるいは娘を取り込もうと、風見鶏女が一時の感情に任せた浅はかな行動。
今の仕打ちは関係を思い通りにコントロールしようとしたエゴの自業自得というわけだ。
だが真実は上のストーリー。
保険金は夫の世話と引き換えに娘への報奨。
死亡保険の性質上、後払いにはなってしまうが、気持ちを保つには欠かせないという親心と、娘の心変わりでたらいが回らないための歯止めだ。
しかも、同居する息子夫婦の承諾をとっている。
元々保険の継続を息子と相談してるぐらいだから当然なんだけど、受取人を娘に変える理由を、息子夫婦と娘との間で周知にすることで、娘に後戻りを許さない優れた手の打ち方だ。
だが息子は妹の性格を知っているからだろう、この時、反対したことが伺える。
相談者 「息子は『だから言っただろう』って‥」
娘に拒否られたときの嫁と相談者のやり取りも重要。
相談者 「嫁に『ごめんね』って言ったら『もういいじゃないと思えばいいよ』って」
嫁を思いやるがゆえの名義変更だったいう経緯を完全に共有しているがゆえの2人の会話だ。
2人の絆を理解する上で重要なくだりなんだが、
大迫 「それはいいんですけどね(含み笑い)?」
自分の見立てから外れることは耳に入らない。
娘はというと、
保険の受け取り人を変えた理由を嫁も知っていることを分かっていながら、
相談者 「娘が嫁の前で言い張ったんです」
無理が通れば道理引っ込む。
父の亡骸を前に、今までのつれなさを詫び、手を握って「これから仲良くしよう」と言った娘。
それが半年たたずにこの態度。
500万円が転がり込んでくるからこその振る舞いだったと思えば分かりやすい。
どう?
大迫女史が持ち上げる娘の恥知らずが分かっていただけただろうか。
そんな娘に謝罪せよとまで相談者にのたまう大迫女史。
単に500万が欲しいがための相談だと認めさせようとする大迫女史。
相談者 「悔しい・・」
これは、娘に対してではない。
苦楽をともにしてきた息子夫婦になんとかして500万のいくばくかを渡したい思いを分かってもらえないどころか、強欲婆さんの烙印を押された番組への精一杯の抗議。
娘がかつての自分と重なり、内心まで代弁してみせた大迫恵美子。
いくらなんでも買いかぶり過ぎ。
それでもあえて相談者に反省を促すとしたら、時間軸を変えねばならない。
娘は相談者の作品。
育て方がすべてではないが何かを映し出す鏡。
娘にとって母は、500万円より安い。
パーソナリティ: 柴田理恵
回答者: 大迫恵美子(弁護士)
相談者: 女75歳 夫は去年81歳で他界 息子55歳の家族と同居の5人暮らし 別居の娘52歳家庭持ち
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